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聞こえのメカニズムとUsher症候群

浜松医科大学耳鼻咽喉科講師 岩崎 聡


※聞こえのメカニズム

音は空気を振動させ、まず外耳道と呼ばれる耳の穴に入ります。
この突き当たりに鼓膜があり、これを振動させます。その振動が耳小骨と呼ばれる3つの骨を伝わり、さらにカタツムリのような形をした蝸牛と呼ばれる所に伝わっていきます。

蝸牛では2万個の細胞が並んでおり、振動を電気信号に変えます。
電気信号は聴神経を伝わり、脳へ情報が送られます。

難聴と言っても、この複雑な構造の障害の場所によって、タイプが大きく2つに分けられています。1つは伝音難聴、もう1つは 感音難聴です。

伝音難聴は、外耳道内に耳垢がつまったり、鼓膜に穴があいたり、中耳炎で耳小骨がこわれるとなる難聴で、一般的には治せる難聴です。

感音難聴はかたつむりの形をした蝸牛の障害や聴神経の障害によって生じた難聴です。一般的にはこの難聴は一度なるともとには治せない難聴と言われています。

※Usher症候群の難聴

Usher(アッシャー)症候群の難聴は、この蝸牛が障害を受けるタイプの感音難聴になります。

蝸牛の断面を見ると、基底板と呼ばれる膜の上に音を電気信号に変える細胞が並んでおり、細胞に栄養を与える血管条と呼ばれる細い血管が周囲を走っています。

Usher(アッシャー)症候群では、この血管が萎縮したり、細胞が消失したりします。この細胞には聴毛と呼ばれる毛のようなものが生えており、電気信号のスイッチのような働きをしています。

Usher(アッシャー)症候群では、この聴毛を構成しているアクチン繊維が障害を受けると言われています。


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