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巻頭言
●明日を私たちの手で

野村 明紀


みなさん、こんにちは。

アイヤ会のホームページの管理を担当しています野村と申します。

先日、沖縄の那覇空港で航空機が着陸後爆発炎上したという事故がありました。幸い、全員無事に脱出できたそうですが、もしその場に私が居合わせたら助かっただろうかと思わず自問自答してしまいました。つまり私たちのように視覚と聴覚に障害があると、こんな緊急事態に状況をとっさに把握し、乗員の指示を理解して迅速に脱出できるのだろうかと不安になったのです。そして、こんな時はなりふりかまってはいられないなと思いました。ためらわず転びながらでも体中傷だらけにしながらでもとにかく走るしかないのだろうなと思いました。

さて、昨年はアメリカで国際的なアッシャー症候群の学会が初めて開催されました。これはアッシャー症候群の研究にとって大きな前進でしょう。ひるがえって、日本では、アッシャー症候群の認知度は低く、アッシャー症候群かどうか診断できる医療機関もほとんど存在しないのが実状です。ましてや、アッシャー症候群の研究者は絶望的に数が少ないのです。それでも、最近、JRPSの活動を通じて、少しずつではありますが認知度は上がっているように思えます。また、関心を持っていただける眼科医、研究者もぽつぽつですがおられます。これはJRPSの中にアイヤ会という部会があり、網膜色素変性症患者の中にも聴覚障害者が少なからず存在しているということを訴え続けてきた成果ではないかと考えています。JRPSには治療法の確立とQOLの向上という二つの大きな目標があります。アイヤ会としてもこの目標を実現すべくどうやって活動していくべきか阿部代表をはじめみなさんとともに考え、実行していきたいと思います。そして、いつか、治療法が確立し、緊急事のことを心配しながら飛行機に乗らなくてもよくなることを願ってやみません。もちろん、航空機事故がなくなることは言わずもがなですけど・・・。


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