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●点字投票と点字器を購入して

一生点字訓練生


 ‘春和の折柄’の時候のあいさつが似合う頃に統一地方選挙があった。点字投票である。己という人間は弱いもので昨年から点字はほとんどやっていなかったが2、3日練習してから投票した。思いのほか書き方を忘れていなかったのは意外であった。点字を学ぶほうもあるいは指導するほうもよく、“点字は絶対的な必要に迫られないと覚えられない”というような意味のことを口にする人がいるがどちらも言い訳にしているような気がすると思いつつ、当の本人がこれでは説得力がないのはいうまでもない。そもそも前述の意味は触読のことであろう。触読は指の感触が忘れたというより、もともとできなかったのだと己の心に言い聞かせるのがむなしい。でも、点字練習は己の心を無心にさせる力があるように思えた。さて、選挙は知事選以外に市議・県議選挙だとかで計3人の候補者名の投票があった。選挙はあまり詳しくないのですが、政党名を記載できないということで候補者選びから苦労させられた。パソコンを使えるうちはインターネットで検索し、調べることができるから良いのですが、無所属が主流?の統一地方選挙では政党名が前面に出ていない。調べて候補者名を練習してから投票所へ出かけたが、この辺は今後の選挙ではどう対応するかが自分の中ではコンパルソリフィギュアに思えたがあまり深く考えても仕方がない。すべての選挙と言う訳ではないが実際、選挙は面白いと思う。投票を済ませてその日の選挙速報などのテレビ番組視聴は自分にとって楽しみのひとつとなっていた。(ちなみに自分の投票は2勝1敗であった。関係ないか・・。)投票率はインターネットで簡単にわかるので自分のところの県の投票率とその日に実施された13都道府県の知事選のうち、ほかの12都道府県との投票率を比較してみた。今回のわが県民の投票率は高いと思っていましたが最下位とわかりびっくりしてしまった。東京都にも負けているんですよね・・。また、他府県の多くが高投票率なのに二度びっくりもしました。しかも、60パーセント台が7つの県があるとは驚きでした。なんていうか、己特有の若いころの政治に対する無関心さは県民特有の気質のせいだったのかもと考えてしまった今回の選挙でした。さて、一昨年の点字訓練後、携帯用点字器は購入したもののメインの点字器を選択するのに1行何マスを選ぶかがあった。一般的な点字の定規のマス数は主に(B5用紙サイズの)点字盤を基準としており、32マスが標準とは知っていましたが初めての点字投票で使った点字器ならぬ点字定規と点筆のさくさく書ける感触が忘れられず、マス数を確認するのを忘れ、次回の選挙では何マスか確かめようと思ったもののすっかりそのままになっていたのであった。点字定規を確認したところ32マスであった。書いてみると以前ほどのさくさく感は失われていたが思うにそれだけ目が悪くなっているのかも知れない。しかし、打ちやすい点字器であるのは間違いない。今回の選挙後まもなく点字器を購入した。メインの点字器は定規が真鍮製で37マスの基盤が木製の点字器であった。選んだ理由は年賀状を書くのに32マスでは書ききれないという思いと指先の触読できる触覚が狭いのではないかと思ったからであった。(その後、はがき用の点字器があることを知ったが)指導員のNさんは筆者の触読のスピードが遅いので途中で32マスからマス数を変えた。何マスだったか覚えていないが27〜28マスだろうか?しかし、あまり点字を大きくすると指先の点字を読む範囲が狭いので余計読みにくいのではないかと思ったのであった。37マスのベテラン向きといわれる点字器で打った点字を触読すると・・。何も言えませんね。はい。でも、自分で打った点字は(短ければ)読めるから不思議だと思った。37マスの点字盤以外に真鍮製の小型点字器と点筆数本、用紙類なども購入しました。色んなものを購入したことで新たにわかったこともありました。点筆を数本購入したのは紛失してしまうような気がしたからですが点筆や点字盤(定規)の組み合わせによっては相性があることを知りました。37マスの点字器はあまりにも書きにくかったので確認してみると点筆が備え付きのものとは別のものを使っていることに気が付いた。点字器によっては点筆が合わないと場合もあることを知った。次回の選挙は衆議院選挙だろうか。それまでに記号とかアルファベット、点字ルールなどもう一度しっかり練習して書くことだけは不自由にならないようにしたいと思う。また、一生点字訓練生だと思った選挙であった。


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