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●アラジル症候群

匿名希望


アラジル症候群(Alagille's syndrome)は、比較的歴史が浅いにもかかわらず、疾患名として定着または初めて報告された時期が文献によってマチマチで特定されていない。1969年、1987年に報告されたという文献もあるが、Alagilleらが1975年に報告したことからこの名前が由来したとするのが有力である。
アラジル症候群は、肝内胆管の形成不全による新生児黄疸に加えて慢性の胆汁うっ滞、末梢性肺動脈狭窄、ちょう形脊椎(butterfly vertebrae)の骨格異常、後部胎生環、特徴的な顔貌(広い額、くぼんだ眼、尖った顎)を特徴とし、そのほか、腎臓と膵臓、神経の形成異常も付加される常染色体優性遺伝の形式をとる稀な遺伝性疾患である。
眼の異常は後部胎生環(角膜周辺の濁り)以外に網脈絡膜萎縮の網膜変化または色素性網膜症(pigmentary retinopathy)、網膜色素変化(retinal pigmentary changes)などの報告がある。
現在、アラジル症候群はJAG1、NOTCH2の変異した遺伝子によって、ALGS1、ALGS2のふたつのタイプに分けられているがわが国でも患者が報告されており、アラジル症候群についての遺伝子診断を行っている大学もある。

■参考:
※Alagille's syndromeはアラジール症候群とも訳す。
※変異した遺伝子がマッピングする遺伝子座
ALGS1:20p12
ALGS2:1p13-p11
※発症頻度:1/100000
※Daniel Alagille (1925- ) フランスの小児科医
※サーチ件数(サーチ日2007/11/10)
"Alagille syndrome" 約136,000件
■参考文献:
#118450 ALAGILLE SYNDROME 1; ALGS1

(作成日:2007/11/10)


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