あぁるぴぃ千葉県支部だより18号


■千葉盲学校の教育相談■

平松 喜久子
 6月8日、真夏のような日差しの中、千葉盲学校の体育祭が行われました。3歳の幼稚園児から、そろそろ還暦を迎えようとする理療科の生徒まで、綱引きにダンスに大いに楽しみました。
 盲学校の理療科には、現在47名の生徒たちが、あんま・鍼灸師をめざして学んでいます。そのうちRP患者は17名です。全員が社会に出た経験を持っていて、今までの仕事を辞めて新しい目標に向かって勉強を始めた人たちです。まだ、だいぶ視力が残っていて、運転免許を持っている人もいれば、ほとんど全盲で、点字で学習している人もいます。とっても元気に学校生活をエンジョイしている人もいれば、まだ見えた頃をなつかしがり、運命のいたずらを少し嘆いている人もいます。生徒たちに共通しているのは「このままじゃいけない。何とかしなくては」「何とかしてもう一度社会で働きたい」という思いです。
 初めてRPと診断されたとき、ほとんどの人は大変なショックを受けたのではないでしょうか。以前聞いたことですが、眼科医にとって失明宣告は、癌患者に対する死の宣告と同じ重さだそうです。てすから初めてRPであることを告げられたときは、呆然とし、怒り、悲観したのではないでしょうか。しばらくすると、「何とかしなくては」「このまま仕事を続けていけるかしら」といった現実的な問題がやってきます。
 盲学校では、入学希望者を対象に教育相談を行っています。様々な疾患や経歴の方が相談に訪れます。最初は皆さんとても暗い顔をして見えますが、何度か来校するうちに、だんだん元気になってきます。「盲学校にきてつらいのは自分だけじゃないってわかったのです」「学校のみんなが明るいし、学校がとても楽しいのです。もちろん勉強は大変だけど」。生徒たちからはこんな声を聞きます。
 盲学校の教育相談は、毎週水曜日の午前中に行っています。現在の仕事を続けていけるか不安に思っている方、資格を取得して働きたいと思っている方、一度相談にいらしてはいかがですか。
    千葉県立千葉盲学校
    電話043−422−0231(要予約)


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