あぁるぴぃ千葉県支部だより24号


■活動報告■

★定期総会
●開会の辞

支部長 小出 佳子
 みなさん、こんにちは。今日はお忙しいところ、お集まりいただきましてありがとうございます。
 JRPSは、昨年、幕張での世界会議を大成功に修め、新たな第一歩を踏み出しております。
 千葉支部といたしましても、このような本部の動きにふさわしい企画をと考え、今回、視覚障害者福祉機器展示会、定期総会、および医療講演会の三つを同時開催するということで準備を進めてまいりました。
 本日、ご来場いただいた皆様には、生活の質を高めるために一つでも有益な情報を得てお帰りいただきたいと存じます。
 本日の開催にあたりまして、多くの方々の御支援をいただきましたことをこの場をお借りして厚く御礼申し上げます。ありがとうございました。
 たいへん簡単ではございますが、開会の言葉とさせていただきます。

●挨拶

本部患者理事 小林 正志
 小出支部長さんから千葉県支部に一度も来たことのない理事に来てほしいという要望があり、私、小林正志が本日お伺いしました。JRPSの中では、皆さんのお手元に届く「あぁるぴぃ」、会報誌のあとがきのところでよく小林正志の名前が出ています。私が編集長をしております。また財務も担当しておりまして、大学は工学部だったのですが、なんで50歳過ぎてから編集長だ、お金の計算だ、と思ってもいなかったことをしているのだろうと不思議です。
 今日は第6回の千葉県支部の定期総会にお招きいただきましてありがとうございます。先週でしたか、鋸山に登る旅番組がありまして、氷川きよしが終わりの頃に出てくるテレビの旅番組です。これを見ていまして、10年前に「もとな荘」でJRPSの第1回の合宿があって、そこで前小野塚会長とか、ライオンズの岡野さんとか、そういう人たちと一緒に第1回の合宿を経験したこと、そのあと鋸山に登ったことを思い出して懐かしく思いました。私がJRPSに入ってもう10年も経ったのだと感慨深いものがあります。
 その10年前には網膜色素変性症に対する情報は本当に少なかったのです。病気がこんな原因で起こるらしいとか、病気の説明、そういうことに医療講演会も終始していました。ここ2、3年、再生医療という話と人工眼・人口視覚、網膜にチップを埋め込んで見えるようになるという実験がどんどん進んでおります。この5月20日にも、人工眼の中間審査会に、そうそうたる会社に混じって、私たちJRPSの患者理事が傍聴を許可されて、講演を聴いてきました。その模様は今度の「あぁるぴぃ」45号に掲載されます。また再生医療に関しても、5月28日に京都大学でES細胞という人間の卵子から取れる核なのですけれど、それが日本で初めて作られるようになりました。今までは外国からその卵を買っていたわけですけれど、すでにその核から網膜とか網膜色素上皮とかが作られることがもうわかっています。
 見えなくなった人たちのためにそういう究極の医療がどんどん進んでいることは事実です。ところが私たちまだ見える人たちにとっては、病気の進行をもう少しゆっくりにできないか、あるいは今の状態でとまらないかというのが大きな願いです。われわれの病気が遺伝子の異常が原因であることはわかっていますが、どうして網膜の細胞死というものを招くのかというような本当の基本のところを研究することがまだ進展していません。もしその原因がわかれば、治療薬の開発にもつながってくるものと思っております。
 昨年の世界会議で私たちは、3000万円近いお金をいま持っております。これは本部の総会の決算書を見ていただければわかるのですが、そのお金を持っているだけではいけません。何とか治療法の確立に向けた新たな助成金の枠組みができないかと、私たちは今いろいろ考えております。例えば、いま研究助成金は1年で終わってしまいますけれども、これを3年に延長して継続して研究してもらえるようにできないかというようなことを考えています。これは学術理事との相談の上になりますが、来年度以降そのような研究助成のあり方をできないかと考えております。
 力強い情報があります。千葉大学の安達先生が退官されたあと、山本修一先生が新たに教授になられましたが、山本先生に新たにJRPSの学術理事になっていただけました。もし千葉大学の医学部眼科が学術理事の事務局でありつづけていただければ、とても良いことだと願っております。千葉県支部の方たちも千葉大学がわれわれの事務局でありつづけていただけるようにぜひ応援していただきたいと思います。
 JRPSは発足して10年になりました。これから大きく変っていくことは、いままで本部が主催する行事は東京に集中しておりましたけれど、これを地方に展開していきます。例えば、9月の第4土曜日が「世界網膜の日」といって、世界中でわれわれの病気のことを外にPRしようという日なのですが、これを今年の秋には大阪で行います。来年からこれまでの総会が代議員大会に代わります。支部から会員100人に一人の割合で代議員を出すという代議員制度が発足しました。この第1回の代議員大会が広島県の福山市で行われます。そのあとの世界網膜の日は新潟でできないかということでいま検討してもらっています。2年も先の話になりますが、その次の代議員大会をぜひこの建物でやっていただけないかと思っております。今日この千葉市民会館の立地条件と建物の構造を見て、非常に良いのではないかと思っております。小出支部長をはじめ役員の方々にぜひ検討していただきたいと思います。いつも関東から離れたところでやっているのは関東としても情けないことかと思いますので、よろしくお願いします。皆さんがこういう行事をやっていくことによって、地域の活性化、行政とのつながり、あるいは地元の大学との結びつき、そういうものがますます深まって、JRPSの活動が全国に浸透していくと思います。というのは、例えばこの間といっても去年のことですが、大分で1日医療相談会をやりました。今日みなさんはいろんな便利グッズや福祉機器を手に取ったりしていらっしゃいますけれど、大分の会員には拡大読書器をはじめて見たという方もいらっしゃいました。われわれの持っている情報を全国に広げていくという活動もこれから大いに力を入れていきたいと思います。
 本日は本部から代表として小林が参りました。千葉県支部のみなさんのますますのご健勝と支部の発展を祈りましてご挨拶とさせていただきます。ありがとうございました。

●「JRPS発祥の地、千葉」
 第6回千葉県支部定期総会に、設立時からJRPS支援理事をなさってくださっている、千葉ライオンズクラブの椎名益男先生が次の力強いメッセージを送ってくださいました。また、先生がライオンズクラブの会報に寄せられた世界大会の報告を転載するご許可を頂きました。

本部支援理事、千葉ライオンズクラブ 椎名 益男
 この難病、網膜色素変性症の治療法の確立までJRPSは頑張らなくてはならないのですが、JRPSは千葉が発祥の地でありますので、
1 安達惠美子千葉大学名誉教授と山本修一千葉大学眼科教授を中心に、
  JRPSの本部を置かして頂き、学術の中心となって頂く。
2 JRPS千葉県支部の皆さんに、JRPSの発祥の地という意識で
  今一層活躍して頂く。
3 千葉県ライオンズクラブ(333ーC地区)を中心に、特に千葉
  ライオンズクラブがJRPSをサポートする。
 このように考えますので、皆様今後共どうかよろしくお願い申し上げます。

第12回国際網膜世界会議
 2002年8月3日、4日、千葉市の幕張プリンスホテルにて日本で初めての"The 12th World Congress of Retina International"(第12回国際網膜世界会議)が世界中から網膜色素変性症の患者さん、学術研究者、並びに支援のライオンズクラブのメンバー、総勢1500人が集い、盛大に開催されました。
 網膜の桿細胞という明暗を識別する細胞が、遺伝子異常により選択的に障害され、夜盲及び視野障害が出現し、進行の早い場合は青年期に失明に至る不治の病が網膜色素変性症です。
 世界的にその疾患の一般への認知度向上や、治療法の確立に向けて活動している組織がスイスのチューリッヒに本部を置く国際網膜色素変性症協会(International Retinitis Pigmentosa Association : IRPA)で、1993年(平成5年)当時32カ国が加盟して居りましたが、主要国で日本のみは未加盟でございました。そこで、千葉LC創立30周年記念アクティビティとして1993年10月16日、300万円の基金を贈呈し千葉大学医学部眼科、安達惠美子教授を中心に、日本におきましても遅ればせながら1994年(平成6年)5月に日本網膜色素変性症協会(Japanese Retinitis Pigmentosa Society : JRPS)が設立され、小さな灯火を掲げました。その活動が評価され、1996年(平成8年)1月には厚生省の難病指定を受けました。これにより政府としても研究、治療体制の一層の拡充を図るものと期待されております。2002年8月現在、JRPSの会員は3187名、支部は27となりアクティブに活動して居ります。
 世界会議では諸外国の著名教授16名、日本の第一線の研究者345名から、遺伝子治療、人口網膜、幹細胞移植、網膜移植、視神経移植、更には網膜投影型ディスプレイの開発と臨床応用、歩行ガイドロボット実用化のための研究等々、難病の網膜色素変性症の治療に関する最先端の研究発表があり、この難病の治療法の確立の糸口が見えてきました。
 閉会式の総括で、米国国立眼研究所所長(Director of National Eye Institute)のPaul A. Sieving教授の"We must encourage each other so that none of us give up. Be hopeful !"(研究者、医師、患者さんはお互いに励ましあって、誰もあきらめないで、希望を持ちましょう。)という言葉が非常に印象的でした。
 最後に、本会を運営するにあたって、本当に多くの皆様のご協力を得られましたことを、ここに改めて感謝申し上げます。また海外からのご出席の皆様からも、日本のライオンズクラブのサポートに対し、非常に高い評価のお言葉を多数頂戴しておりますこと、申し伝えさせていただきます。

●総会議事
 役員会提出の議案はすべて賛成多数で承認され、総会は滞りなく終了しました。承認された議案については、支部だより23号を参照してください。


★アイフェスタ
●第3回視覚障害者福祉機器展 アイフェスタ in ちば(JRPS)に
 参加させていただいて

社会福祉法人愛光 S.Y
 私は今年の4月から社会福祉法人愛光で働かせていただいているS.Yと申します。以前からJRPSという会の存在については知っておりましたが、その活動内容、形態など詳しいことは知りませんでした。今回は、さまざまな方のご好意から、視覚障害者総合支援センターちばの一員として、生活相談のお手伝いをさせていただきました。
 まず最初に、この会に参加することで、会員の方たちが、同じ障害とはいいながらも障害の程度、経験、また社会的立場が皆さんそれぞれに異なっていて、同じような方は一人としていないということを実感しました。また、それゆえに本人の周囲の環境(家族や社会資源など)における必要な援助、資源もひとりひとり異なっており、だからこそお互いを知り、協力をしあおうとしている、といった印象を強く受けました。
 さらに、障害をもったご本人だけでなく、ご家族のかた達が大変熱心に、必要な協力をしようと考えており、この気持ちをご家族の中で、そしてご家族の間で、とても大切にされている様子が伝わってまいりました。
 会の皆様のこういったお互いの存在が、前向きに、積極的であろうとする気持ちにつながっており、そして会全体を構成し、まとめる力になっているように思いました。
 私も皆様においていかれませんように、日々努力を重ねてまいりたいと思っておりますのでこれからもどうぞよろしくお願い致します。

●アイフェスタの参加者

事務局 太田 浩二
 名簿に記入した人の合計は171名(男85名、女86名)、うちJRPS会員は32名、県内からの参加者は158名、県外からの参加者は13名でした。名簿に記入しなかった人やボランティアを入れると、250名を越えていたと推定されます。
 NHK千葉放送局が取材に来て、それがお昼のニュースで放映されました。それ以後、市民会館に問合せの電話がひっきりなしにかかり、一部の出展企業の方に電話の応対でたいへんご迷惑をおかけしました。
 7月20日の役員会で、アイフェスタを支部の年中行事として定着させて、第4回のアイフェスタを来年5月に千葉市内で規模を大きくして開くことを決定しました。今回の反省から、受付や会場内の案内係りを大幅に強化します。準備も早くから進めます。ご期待ください。


★料理教室
●料理教室の報告

柏市 佐藤 一昌
 岩宮さんの提案で、支部活動としてピザ作り以来二度目の料理教室を、7月5日に千葉市生涯学習センターの食文化研修室で開催しました。日本盲人職能開発センターの松井純子先生とアシスタントの方1名、埼玉支部(2名)、千葉市視覚障害者協会(2名)、愛光(1名)、ガイドヘルパー(2名)、東京(1名)、千葉県支部(10名、うち男性4名)の20名が参加しました。
 松井純子先生の指導のもとに、2〜4名のグループでサラダずし、鶏肉のトマト煮、きのこスープの3種類の献立に挑戦しました。現役のお母さんメンバーにお父さんや独身男性も加わって、非常に楽しい一日でした。
 松井純子先生の親切で、厳しくもあった指導が非常に印象的でした。食後の交流会の席で、料理教室を定例的な行事にしてほしいという意見が目立ちました。
 最後に、出席できなかった人のためにレシピを紹介します。
○サラダずし
 レタス、きゅうり、アスパラ、セロリ、たまねぎ、ロースハムを適当な大きさに切る。ドレッシングの半量で具を和え、残りを2〜3回に分けてごはんに混ぜ、最後に具を加えて混ぜ合わせる。ドレッシングは酢、砂糖、塩、サラダ油適量。
○鶏肉のトマト煮
 鶏肉に塩、こしょうをふり、小麦粉をまぶしておく。ピーマンをサラダ油で軽く炒め、鍋から取り出しておく。鍋にバターを入れて鶏肉を炒め焼きにする。たまねぎを加えて炒め、白ワイン、トマト水煮、トマトピューレ、ロリエを加えて煮込む。ピーマン、マッシュルームを加えて一煮し、味を調える。
○きのこスープ
 しめじ、まいたけ、マッシュルーム、たまねぎをバターで炒め、チキンブイヨン、牛乳、生クリーム、塩、こしょう適量で仕上げる。

●お世話になりました

埼玉支部 T.H
 千葉支部では2回目の料理教室、今回もとても楽しい雰囲気でしたね。
 松井先生のご指導&教室の運営方法は、とてもわかりやすく実践的なもので勉強になりました。時間の関係で、計量等はすでに準備していただいていましたが、材料を切るところから最後の洗い物まで、すべての過程を参加者全員が体験できたことは、とても嬉しかったです。おそらく、当日参加された方は家庭においても同じメニューをご家族に自信をもって披露することができるのではないでしょうか。
 段取りや作業の手順を自分なりに工夫することで、手際よく事故もなく料理をすることができる。目分量ならぬ手ばかりを知ることで、より料理を気軽にすることができる等、とても参考になるお話をうかがうことができ、参加してよかったなと思いました。
 また、これからもちょこちょこと千葉支部の行事にも顔を出させていただきたいと思います。おとなしくしていますので、これからもどうぞよろしくお願いします♪(ほんまかいな?)
 最後になりましたが、準備から当日の最終チェックまで数々の気配りをしてくださいました役員の皆様に、心よりお礼申し上げます。

●料理教室に参加して

市原市 広瀬 富美子
 今日の講師の松井先生は、「あくまでも障害者自身が料理を作る」という考えで教えてくださり、参加者はとてもよい勉強をしたと思います。市主催の料理教室は「視覚障害者自立の為の料理教室」とうたっていながら、ボランティアの方が大勢いらっしゃって、障害者の人たちはほんのちょっとだけ作らせてもらうというのが現実です。
 今日の参加者の多くの方から「毎年、料理教室の企画をして欲しい」との要望がありました。

●食材の調達

市原市 小出 佳子
 今回のお料理教室の材料をどうやって調達したかをみなさんのお役にたてばと思いご連絡いたします。
 みなさんよくご存知のジャスコ系列のマックスバリュー辰巳台店で買い求めました。私の家から私の足で歩いて25分くらいのところにあります。
 松井先生からメールでいただいた食材24人分をあらかじめファックスでサービスカウンター宛てに送っておき、電話もして用意できるものを集めておいていただきました。その後、出かけて行きサービスカウンターで会計とチェックをし、当日配達の宅急便で自宅に送っていただきました。
 ジャスコはお買い物サポートもしてくれます。また、一般、老人、障害者向けに会計を済ませた荷物をヤマトの宅急便で宅配するサービスを行なっています。ジャスコ会員の老人と障害者は5千円以上購入すれば、宅配は無料です。詳しくは近くのジャスコへお問い合わせください。
 ちょっとたいへんだったのは、家庭の冷蔵庫での保存でした。クーラーボックスを急遽用意したりして。このサービスでは配達してきたボックスを回収していきます。これは計算外でした。自宅から会場までの食材の配達は夫の車でしました。
 料理教室後のごみは持ち帰りなので、そちらは広瀬さんのご主人にお願いいたしました。ごみと一緒に私も便乗して、自宅まで送っていただいたというわけで、感謝です。
 このお料理教室は、せめて1年に1回は行なっていきたいと思います。今回参加できなかったみなさん、次回をお楽しみに。


目次へ戻る次のページへ

All Rights Reserved Copyright (C) JRPS-Chiba-2003