あぁるぴぃ千葉県支部だより29号


■投稿■

★ガイドヘルパー養成研修会に参加して

千葉市 HS
 JRPSのお仲間の佐々木貞子さんが代表をされている「市民福祉活動センターB it」が企画し、千葉県NPO活動事業の厳しい審査の中で認められ、千葉県の委託事 業として実施された、視覚障害当事者を交えてのガイドヘルパー養成研修の実習でした。
 2月5日に参加させていただくことにしました。家の中にばかりいて外に出ること が苦手な私は主人に送ってもらい集合場所に来たのですが、何がなんだか状況を把握 することができずにちょっと不安になっていました。報道関係の人もいらっしゃると 聞いていましたし、たいへんなところに来てしまったのではないかと心配になってい ましたが、私のところに二人の女性の受講者が来てくれました。
 受講者と三人のグループになってバスに乗って花の美術館に行き、たくさんの熱帯 植物やランの花などを受講者は丁寧に説明してくれて、花の香りをたっぷりと楽しみ ました。私たち三人は以前から知っていた人のようにすぐに打ち解けて、さっきの緊 張は何だったのだろうかと思いました。他のグループの方々もみんな楽しそうにして いるようでした。
 美術館の外の公園には大きな花時計や池があり、よい天気で池に花の美術館が映っ ている様子を説明していただきました。残念ながら光っているように見えるだけでし たが、美しい景色を見たような気分になりました。
 たくさん楽しんでの帰り際にNHKの方に「インタビューをさせてください」と声 をかけられ、私は緊張して頭の中が真っ白になってしまい、何を言ったのかもわから なくなってしまいました。生まれて初めてのいい経験でした。
 昼食は他のグループの人たちと7人でテーブルを囲んで、今日はじめてお会いした とは思えないような気持ちで楽しく雑談をしながら、受講者の方々にはやさしく気を 配っていただき、おいしく食べることができました。
 午後は駅での切符の買い方、改札口の通り方、階段の歩き方、エスカレータや電車の 乗り降りの実習でした。受講者はエスカレータが一番緊張したと聞きました。駅から の歩行の実習では横断歩道の小さな段差とか周りの様子などを丁寧に説明してくれま した。
 最後に全員で今日の感想を話し合いました。ほとんどの方が研修実習であることを 忘れるほど楽しかったようでした。そのあとにまた生まれて初めての経験をしまし た。それは当事者が自分についてくれた受講者に県知事さんからのガイドヘルパーの 資格証明書を手渡ししたことです。
 こんなに楽しく一日を過ごすことができたのは、佐々木貞子さんをはじめスタッフ のお陰ですし、素晴らしい企画と思いました。ありがとうございました。


★2度目の当事者スタッフとして参加して

千葉市 HS
 最初のときは不安でしたが、今日はちょっと自信がついてきたのか緊張も軽くなっ ていました。JR稲毛駅まで妹に送ってもらって行くと、JRPSのお仲間の男性の 方が先に来て私たちを待っていてくれました。聞いてみると柏市から一人できたのだ そうで、私は弱虫なのかな、ひとりでは何処にも行けないと思いました。
 社会福祉協議会の車で集合場所の中央市役所分室に案内していただき、、そこには 今日講習を受ける受講者が二人決まっていて待ってくれていました。今回受講される 方々はボランティアでガイドしてくださるために実習を受ける皆さんでした。初回の ときと同じように三人1グループで10グループ以上いらっしゃったように思いま す。
 「Bit」のスタッフの案内で、階段から始まり外に出て徒歩でモノレール県庁駅 に行き、切符を買い改札口を通ってモノレールに乗りました。初めて乗ったことを受 講者に話したら、丁寧に外の風景を説明していただき、街の中を突き抜けて行くよう に想像しながら千葉駅に着きました。千葉そごうデパートで地下の食品売り場を案内 していただいたとき、ちょうどお彼岸でおはぎの匂いでお腹がすいたのですが、エス カレータの実習でどんどん上に上がって行ったので、ちょっとしか見る時間がなくて 残念でした。4階の本館と別館をつなぐ通路では動く歩道を体験しました。
 そごうから京成千葉駅、ここで肩を貸してくれる受講者が交代し、いろいろと辺り のことを説明していただきながら、切符を買って改札口を出、エスカレータに乗り、電 車に乗り、千葉寺駅まで行きました。
 昼食は小出佳子さんのグループと一緒でしたが、食べながら日ごろ困っていること について聞いていただきました。聞いていただくだけで私の気も晴れて不満が少なく なってきたことに気づきました。
 休憩も済んでハーモニープラザに向かいながら、昨日とはまるで違うよい天気に なって風がちょっと冷たくさわやかで、受講者の説明に心がなごんで、よかったと思 いながら歩いていたらハーモニープラザの前に来ていました。ちょうど車椅子の人が 大きな介助犬にしっかりと守られて入っていく様子を説明してもらい、犬好きの私は 胸が熱くなりました。
 3階の会場では皆さんの顔が見えるように大きな輪になって今日の研修実習の感想 を話しました。皆さんも受講者と当事者がすっかり打ち解けて楽しい実習だったよう です。もちろん私もとても素敵で優秀な受講者に感謝し、家の中に閉じこもっている 視覚障害者を外に連れ出してほしいと思いました。受講者とこのまま別れたくないよ うな気がして、またどこかでお会いしたいと思い、電話をしていただきたいとお願い をして別れました。
 そのあとで当事者とBitスタッフの方々との反省会があり、たくさんの視覚障害 当事者に参加してもらうための送迎の仕方などスタッフの苦労が伺えました。当事者 がこんなに楽しく外に出て過ごせる素晴らしい企画に感謝いたします。


★ヴェルディ・レクイエム演奏会

市原市 広瀬 富美子
 2月29日、午後2時より千葉県文化会館大ホールで開かれたヴェルディ・レクイ エムの演奏会に、JRPSの会員・家族の方7人で、行ってまいりました。
 開場は1時半からとなっていましたが、私たちは開場時間前に着いたのですが、す でに長蛇の列になっていました。開場時間を少し早めて中に入れていただくほどの盛 況でした。演奏会の方も、400人に近い合唱団員の歌の迫力に、圧倒されながら聞 き入ってきました。皆さん、原語で歌われていて、教養のない私は、歌詞を覚えて歌 われていることにも感銘を受けました。1時間半ほどの演奏会でしたが、言葉は理解 できませんでしたが、すばらしい感動を与えていただきました。
 県民合唱団の一員として参加された、宇佐美様、山本様、ご苦労様でした。これか らも、すばらしい歌声を聞かせてください。ありがとうございました。


★白杖の入手方法
 アイフェスタで白杖を展示するにあたって、JRPSちばのメーリングリストに寄 せられた入手方法を掲載します。アイフェスタ会場でも配布します。
ケース1(女性)
 私は現在白杖は3本持っています。最初に買った1本は使っていません。これは余 り知識がないまま人のまねをして買ったもので、実用と言うよりサインにしかなりま せん.
 2本目は日本点字図書館の用具事業部へ行き、きちんとアドバイスを受け買いまし た。一人での外出に使用しています。
 3本目はメールにある細めの軽いもの。これはJRPSの機器展で買いました。確 かこちらも日本点字図書館の用具事業部だったと思います。
 参考のために、私の身長は157センチ。
1本目の白杖の長さ・・・105センチ・・・4段折り  使わない
2本目の白杖の長さ・・・115センチ・・・5段折り  よく使う
3本目の白杖の長さ・・・114センチ・・・7段折り  よく使う
 3本目はサポートをしてくださる人がいるとき、雨降りで傘を持つとき、旅行の時 などに便利です。軽く、折りたたんだときの太さも、約10センチです。
 細いタイプの白杖を当日持参します。展示してください。
 金額はすべて忘れました。 自費で買いました。
ケース2(女性)
 私が白杖を購入するきっかけは、昨年の3月の歩行訓練に参加しようと思ったから です。
 平成14年12月に、市原市役所障害福祉課の窓口に、「補装具交付」の申請をし ました。障害福祉課で備えてある、白杖を提示されましたが、小出支部長や、千葉県 視覚障害者団体の会員さんから「市役所に備えてある白杖は、よくない」と、アドバ イスをうけていましたので、日本点字図書館用具事業部に電話で注文しました。それ と同時に、市役所の窓口で、「市原市補装具等自己負担金助成申請書」の用紙に記入 し、それを日本点字図書館宛に送っていただきました。
 白杖を注文するに当たっても、小出支部から、長さなどのアドバイスをいただき大 変助かりました。
 白杖は、市役所の書類が届いたら、すぐに送られてきました。領収書は、市役所の ほうに行き、市役所のほうからは、「補装具交付負担額について」という書類が送ら れてきました。助成金の範囲内で、私の支払いは、0円でした。
 私の注文した白杖は、バッグに入るように、7段折の軽量なものにし、出かけると きは、必ずバッグに入れて持って出かけます。
 私が、アイフェスタに白杖の展示を提案した理由のひとつに、市原市役所の窓口に 申請したときに、勧められるままに備え付けの白杖を購入し、歩行訓練士さんに「そ の白杖は、歩行には適しません。ただのシンボルけんです」と指摘され、購入しなお した方を、何人か知っているからです。
 また、最近いろいろ改良された白杖を使っている人を見ているからです。たとえ ば、白杖の先に直径3〜4センチのキャスターを付けたもの、肢体障害者でもある方 が使える、杖のようにもち手がしっかりした白杖などです。
 視覚障害者の多くの方は、申請書類を記入したりするのが大変で助成金を利用して いないのが実態です。
 また、耐用年数や1年間で購入できる本数など細かい規定がありますが、それを 知っておられる方も、皆無に等しいです。
ケース3(男性)
●私の白杖
 私が、白杖を手にしたのは、4年前、平成12年です。それまでは、長い間のため らいがあり、それに触れる勇気が出ませんでした。
 そのきっかけは、社会福祉法人、愛光から歩行訓練士が、自宅に出向いてくれる制 度を知ったからです。期間は6ヶ月以内で、費用は公費負担です。最初は、愛光から お借りしました。白杖になれた頃、訓練士のアドヴァイスを受けて、日本点字図書館 から見積もりを取り、役場に申請、大阪のジオム社の、四段折の製品を使用。これも 公費負担です。価格は3600円位? 使用期間が満4年過ぎると、更新され新たに 請求できるそうです。
●白杖に対する私の感慨。
 視力がまだ歩くのに不自由しない間は、白杖を持つと言うことは、考えたくありま せんでした。しかし歩行が困難になり、いよいよ、となったときは、なかなかふんぎ りがつきませんでした。恥ずかしさ、見栄もありました。けれどいざ手にして、訓練 を受ければ、何と便利だろうか。毎日、田園を、一時間ぐらいの散歩を楽しんでいま す。ただし、駅から遠隔の為訓練が出来ず、一人で遠出が出来ないのが私の欠点です。
※白杖に関しては費用は私の場合全く掛かりません。(障害手帳1級)
ケース4(男性)
 私の場合の白杖の種類と選定についての経験をお話しします。初めての白杖は越谷 市の障害福祉課にあったスチール製折りたたみ式を購入(大変使いにくかった)。
 国リハで10回のべ20時間の白杖の歩行訓練を受けた際、自分にあった白杖の選定 は白杖の長さであることが分った(一般的基準はミゾオチ+げんこつ一個位の高さで の長さ)。種類は行動(歩行)内容によって折りたたみ式と直杖を持つ事が良いと 分った(出先で杖が損傷した時の非常用としてスペアーが必要)。
 さらに杖の先端部分の構造にいろいろ工夫された白杖があります。例えば、軽く転 がるローラー型などです。これは点づき歩行では多少難点がありますが、スライド歩 行ではたいへん効果的で便利に使えます。
 最後に白杖の購入先を以下に記載します。
  有限会社 ジオム社 〒553-0007 大阪市福島区大開1-7-23
  TEL 06-6463-2104  FAX 06-6468-3949
  E-mail  sales@gandom-aids.co.jp
  URL  http://www.gandom-aids.co.jp
ケース5
1.美浜区役所1階の福祉事務所福祉サービス課障害福祉係で白杖を入手したい
  旨を申し出る。所定用紙に見積書を沿えて提出することを求められる。
2.日本点字図書館用具事業部に白杖の仕様を告げて見積書を請求する。
  電話  03−3209−0751(用具直通)
  FAX 03−3200−4133
  E-mail  yougu@nittento.or.jp
  URL  http://www.nittento.or.jp/YOUGU/
  友人からから日本点字図書館で購入したこととグラスファイバー製の折り
  たたみ式で132cmであることを聞き、同じものをと注文したところ、
  130cmと135cmがあるとのことで、135cmのものを注文した。
3.区役所に書類と見積書を提出してから1週間ほどで日本点字図書館用具事業
  部から5段折り(5本接ぎ)の白杖が届いた。Revolutionと書いてあります。
4.満足
5.事情があって3月14日に入手した白杖を手放したので、16日に同じもの
  を同じところに注文したところ、私に先日販売したものは132cmのもの
  であることが判明した。


☆風の音 花の香 陽の光(かぜのおと はなのか ひのひかり)G
 千葉在住の会員KHさんの俳句集『谺』(こだま:H14.3月上梓)の中から、 毎回季節に合わせて3句位づつご紹介しています。
 今号もKHさんの十七文字の世界を皆様とご一緒に旅して行くのは、SI(千葉市 在住、夫MIがRP)です。どうぞよろしく!

*罐蹴りの罐に暮春の音のあり(かんけりの かんにぼしゅんの おとのあり)
 注;暮春(ボシュン;暮れゆく春)
*夕東風のかごめかごめの輪に蹲む(ゆうごちの かごめかごめの わにしゃがむ)
 注;夕東風(ユウゴチ;夕方に吹く東の風)
*春水に映して揺るる鋼橋(しゅんすいに うつしてゆるる はがねばし)
 注;春水(シュンスイ;春になって氷が解けて流れる水)
*花挙げて畦に遺りし鼓草(はなあげて あぜにのこりし つづみぐさ)
 注;鼓草(ツヅミグサ;たんぽぽ)

 第1・2句:暮れそうで暮れない春の夕まぐれの懐かしい情景が心に浮かびます。 黄昏時はどの季節も何か淋しいものですが、春の夕暮れには何処か甘い感じがあるように 思うのは私だけでしょうか。
 第3句:氷の解け出した山からの水の流れが河面(カワモ)を揺らし、それに応えて 河上の堅い鋼(ハガネ)の橋も水面でゆらゆら揺れています。長閑(ノドカ)な春の趣が 感じられる一句です。
 第4句:春は出逢いと別れの季節です。全ての子供達の巣立ちを見送って、畦に遺った タンポポ。務めを終えた潔さと共に別れの寂しさも滲んでいるようですね。子供達の新しい 出逢いに幸多かれと祈って、タンポポの花は出来るだけ子供達を遠くへ飛ばす為、高く長い 茎を持っているのだそうです。

 それでは皆さま次回までごきげんよう。この欄へのお便り、KHさん共々お待ちしています。(SI)


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