あぁるぴぃ千葉県支部だより30号


■投稿■

☆風の音 花の香 陽の光(かぜのおと はなのか ひのひかり)H
 千葉在住の会員KHさんの俳句集『谺』(こだま:H14.3月上梓)の中から、 毎回季節に合わせて3句位づつご紹介しています。
 今号もKHさんの十七文字の世界を皆様とご一緒に旅して行くのは、SI(千葉市 在住、夫MIがRP)です。どうぞよろしく!

*八方に田水の騒ぐ夏はじめ(はっぽうに たみずのさわぐ なつはじめ)
 注;田水(タミズ;田んぼの水)
*短夜や厨に浸けし哺乳瓶(みじかよや くりやにつけし ほにゅうびん)
 注;短夜(ミジカヨ;夏の短い夜) 厨(クリヤ;台所)
*郭公や出れば帰りの遅き妻(かっこうや でればかえりの おそきつま)

 第1句:ある総合誌の募集俳句コンテストの99年度年間大賞を受けた作だそうですが、 大納得。とても勢いのある素晴らしい句ですね。
 第2句:コクコクと呑み終わって空っぽになった哺乳瓶が、洗い桶に浸けられているの でしょうか。それともこれから飲ませるのにちょうど良い温度に冷ましてあげようと一寸 水に浸してあるのでしょうか。哺乳瓶のある風景って、何とも言えず頬が緩んできますね。 優しい眼差しが感じられる一句。
 第3句:この句は我が家のことのようだ・・・とは夫の弁。何時でも何処でも一緒とい うお神酒徳利(オミキドックリ)夫婦もいいものですが、たまには別々に出かけて帰宅し てからそれぞれ楽しかったことを分かち合うと言うのもなかなか捨てがたいものがありま す。無理なく両方出来ると最高ですね。

 先日「アイフェスタinちば」の会場で思いがけずこの欄についての嬉しいお言葉を いただきました。“毎回楽しみにしているわ。ずっと続けてね”“あなたがSIさんで したか。いつも読んでいますよ。会えてよかった”と。連載2年目に入った所で何より のご褒美でした。皆さま今後ともどうぞよろしくお願い致します。(SI)


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