あぁるぴぃ千葉県支部だより49号


■特集■

★コンサートへのお誘い

トケ・トスカーナ代表 立川 國紀
 「一病息災」という日本の言葉とVolentieri(ヴォレンティエリ;喜んで、喜びを持っ て)というイタリア語の言葉が、私は好きです。それぞれ全く別の言葉ですが、両者に共 通するのは、どんなことに対しても、喜びを持って前向きに接するということです。
 少々お説教めいて申し訳ありませんが、私達の子供のころ、特に小学校の高学年になる と、広い世界に目が向くようになってきます。
 「世界の4大聖人は誰ですか?」「イエス・キリスト、モハメット、釈迦、孔子!」 (それぞれ信奉する方々にとっては、単なる聖人ではなく、唯一絶対の神でありますが) というようなやりとりをした記憶があります。4者に共通するのもまた、「どんな艱難辛 苦にあっても、前向きに喜びを持って生きなさい」であると思います。現に、艱難辛苦に あっている人にとっては、何をのんきなことを言っているんだい! と言われるかもしれ ませんが。
 話が少々飛びますが、もう40年ぐらい前になりますか、私と家内が出逢って何回目か のデートをしたとき、東京の神宮外苑を散歩しました。午後2時頃だったと思いますが、 信濃町の駅で待ち合わせて、色々な話をしているうちに、日が落ちて暗くなって来ました。 時期は日脚の短くなる初秋のころだったとおもいます。東京の夜空はあまりきれいではあ りませんでした。陳腐な言い回しだなと思いつつ“星がきれいに見えるね!”と話しかけ ました。彼女は“私、星が良く見えないの。小さいときはもう少し良く見えたんだけど。 でも虫の声は前よりずっときれいに聞こえるわ!”
 初めてのデートのとき、彼女は私に“自分はRPである”と言ってくれました。私自身 どういうことなのか良く呑み込めませんでしたが、この“星が良く見えないの”という言 葉で少しずつわかってきました。40年経て今日このRPのおかげで、見えないところが 良く見え、わからないところがよくわかるようになったと思っています。
 コンサートのお誘いの文章を書くはずなのが、少し横道にそれました。“星が見えなく とも、虫の声がよく聞こえる”という言葉に励まされ、「そうだ、耳を研ぎ澄まそう」と 考え歌を始めました。歌はたくさんたくさんあります。私達は、地中海の青い海と、輝く 太陽、それにオレンジ、レモン、オリーブがたわわに実る大地に育まれ、きれいな母音に 満ちた“イタリアの歌”と“情緒溢れる日本歌曲”を勉強と研鑽の対象に選びました。
 私達の歌唱はまだまだ未熟ではありますが、当日は愛と喜びと情熱をもって歌いますの で、どうぞよろしくご参集下さいますようお願い致します。


★トケ・トスカーナ第8回チャリティコンサートへのお誘い

市原市 小出 佳子
 5年以上前になるでしょうか。現視覚障害者総合支援センターちばで訓練を受けていた 私はある歩行訓練士に「JRPSの会員ではないけれど、歌が大好きな女性を是非、紹介 したい」と言われました。同じ音楽を趣味とするそして、同じRPの主婦ならば、きっと 悩みも同じ。一度是非会ってみたいという思いは募り、数年後、念願かなってお会いした 方のお名前は立川純子さん。初対面のことなど忘れて、話ははずみしゃべり続けること数 時間、一気に打ち解けてしまいました。
 その後、ご主人の主催するトケ・トスカーナのコンサートを知り、聴きに行きました。 見える人、見えにくい人、見えない人、還暦を記念して歌を始められた二人合わせて16 0歳以上というご夫婦、それはそれは、個性のはじけるすてきなコンサートでした。一緒 に聴きに行かれた会員さんも心をうたれたことでしょう。
 そして、そのチャリティ「コンサートへのご寄付が盲伝(盲人キリスト教伝導協議会) の海外での活動を支援する為と、ミャンマー保育園の建設維持支援にあてられていること を知り、更に感銘を受けました。
 この度トケ・トスカーナ(代表:立川國紀様)よりご寄付先にJRPSちばも加えてい ただけるとのお申し出をいただき、感謝に耐えません。
 トケ・トスカーナの活動、そしてJRPS設立より13年、同じくお互いに知らずに活 動を続け、一人の歩行訓練士と音楽が取り持つ縁、視覚障害者団体の枠を超え、宗派を超 え、共に手を携え生まれた新たな支援を、私は大切にしていきたいと思います。
 どうぞ、9月22日、皆さまのご参加を心よりお待ちしております。


★コンサートのチラシ Concerto di Lirica Italiana e Giapponese
イタリアの歌・日本の歌 ―コンサート−
入場無料・募金歓迎
2007年9月22日(土曜日)
千葉市生涯学習センター(ホール) 開場 14:00 開演 14:30
(〒260−0045 千葉市中央区弁天3−7−7 電話043−207−5811)
(JR千葉駅から徒歩8分、千葉都市モノレール千葉公園駅から徒歩5分)
出演者:橋本 文子  鳥海 枠  清水 義祐  清水 品子  橋本 真理子
    今井 悦子  寺岡 哲子  立川 國紀  立川 純子  原 真理子
ピアノ:山下 元   進 行:山根 勢津子
演 目
●イタリアの歌:アマリツリ、マンマ、カタリーカタリー、遥かなるサンタルチア、海に 来たれ、樹木の陰で、最後の歌、彼女に告げて、サルベ・マリア、舞踏への誘い、恋する 蝶のように、夕べに、いとしい面影、陽はすでにガンジス川から、歌に生き愛に生き(オ ペラ『トスカ』より)、この柔らかなレースの中で(オペラ『マノンレスコー』より)、 この心の光(オペラ『シャモニーのリンダ』より)、ある晴れた日に(オペラ『蝶々夫人』 より)、自分で自分がわからない(オペラ『フィガロの結婚』より)、私の優しいお父さま (オペラ『ジャンニ・ステッキ』より) (順不同)
●日本の歌:白月、ふるさとの、昼の夢、初恋、この道、曼珠沙華(まんじゅしゃげ) 霧と話した、夜のさくら、ひぐらし、星とタンポポ
挨拶                     トケ・トスカーナ代表 立川 國紀
 お蔭様で、私達トケ・トスカーナ(イタリアの歌曲を歌うグループ)の活動は13年目 になりますが、これまで7回のチャリティコンサートを行いました。今年で8回目になり ます。ちなみに昨年は盲伝(盲人キリスト教伝導協議会)の海外での活動を支援する為と、 ミャンマー保育園の建設維持支援の為、コンサート御来場者から頂きました募金(¥10 5,000)を全額寄付させて頂きました。
 今年は下記のJRPS(日本網膜色素変性症協会)の活動の一助となれればとの願いを こめて希望と喜びを持ってコンサートを行いたいと思っています。
 私達が、歌唱を皆様に発表出来る事は大きな喜びでありますが、それだけにとどまらず この社会で助けを必要としている人々の為に、極めて微力ではありますが、今後ともコン サートを通して努力していきたいと考えています。
 コンサートには、出演者のために心温まる花束や贈り物が寄せられる事があります。そ のことは大変有り難いのですが、どうかその分を募金にまわしてくださると大変有り難い です。
アール・ピー レティニティス ピグメントーザ
RP(Retinitis Pigmentosa の略称。日本語で網膜色素変性症) という言葉は多分、一般の方々には耳慣れない、見慣れない事ではないかと思います。
 この網膜色素変性症(RP)とは、一般に網膜周辺の視細胞が少しずつ死んでいき、そ の結果視力低下・視野狭窄がもたらされる病気です。現在治療法はなく、国の特定疾患 (難病)の一つに指定されています。しかしこの病は日本国だけのものではなく、世界各 国で、その全体数は明らかではありませんが、かなり多くの人々がこの病を患っています。 日本では、日本網膜色素変性症協会(JRPS−Japanese Retinitis  Pigmentosa Society)が、会員である患者、眼科医をはじめとする医 療従事者、支援者が一体となってRP治療法の確立と患者の生活の質の向上の為、各種の 活動を行っています。
 又、世界各国の同病の友がRP根絶に向かって希望を持って活動しています。その各国 の連合体である国際網膜協会(Retina International)に正加盟協 会として1994年7月のパリ大会から参加し、約40ヶ国の網膜色素変性症協会と共に 活動しています。
主催:トケ・トスカーナ
(代表:立川國紀 連絡問い合わせ先 043−294−3967)
後援:イタリア文化会館


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