あぁるぴぃ千葉県支部だより58号


■投稿■

★「週刊SPニュース」について

千葉市 SS
 手軽に聞ける情報満載の「週刊SPニュース」のご紹介です。
「週刊SPニュース」を読むには、SPコードの読み取り装置(テルミーまたはスピーチ オ)が必要となります。この読み取り装置の値段をもっともっと下げなければSPコード の普及は望めないと思います。
@ 発行所 NPO法人 日本障がい情報普及支援協会(略称JAVIS)
  電話 03−3208−5023
  住所 東京都新宿区高田馬場1−9−23 東京都盲人福祉センタービル3F
A 記事の内容
 朝日新聞と読売新聞のコラム欄および週刊現代の特集記事で、はがき12枚に合計約7 万6千語が収録されています(1枚のはがきの裏表には6400語がSPコードで入力し てあります)
B 発行日
 毎週木曜日、ただし2009年の4月からは2週間に1度の割合で発行されます。
C 費用
 1ヶ月あたり1000円ですが、2009年の4月からは完全に無料となります。
D 申し込み方法
 @で述べた発行所に、直接電話で申し込んでください。郵便局での振り込み用紙に、金 額と申込者の名前なども記入したものを送ってくれます。
 申し込みの受け付け時間は、平日の10時から17時までです。
 なおご不明の点がございましたら発行所に直接電話してください。


★世界大会ツアーに参加して〜北欧旅行記B

千葉市 渡辺 友資枝
 私の視野は5〜10度。中心視力は矯正で0.4ほどありますが、最近、老眼が進んだ こともあって文字も読みにくくなってきました。
 そんな私が7月4日と5日にヘルシンキで行われた世界大会に行ってきました。という と聞こえはよいのですが・・・。実は、それを口実にフィンランドの首都ヘルシンキとロ シアの古都サンクトペテルブルグに観光旅行に行ってきたというのが本当のところです。
 それは、日本各地から集まった、個性豊かなJRPS会員の面々と過ごした楽しい8日 間でした。
 旅行3日目(7月4日)は、いよいよこのツアーの目的であるRI世界大会が開催され る日です。
 開会式は、開催国のフィンランドの会長挨拶、RIのファッサー会長の挨拶・・・と、 フィンランド語と英語で進められていきます。私はおとなしく座って聞いてはいるものの、 ほとんど理解できません。途中で添乗員の方が同時通訳機を持ってきてくださいましたが、 これはフィンランド語から英語への翻訳機。残念ながら役には立ちません。これこそがこ の旅のメインイベントのはずなのですが・・・なんとも情けない話です。
 このまま聞いていてもしかたがないので、開会式終了後、私とYKさんはホールに出て 福祉機器の展示を見たり、用意されているコーヒーを飲みながら、ツアーの皆さんとおし ゃべりをしていました。ホールには多くの人々が行き交っていました。やはり、距離的に 近いヨーロッパの人が多いようです。白杖を持っている人は2、3割というところでしょ うか。
 すると、私たちに大柄な男の人が、なまりのある英語で話しかけてきました。添乗員の 方に通訳をしていただいてお話をうかがってみると、その方はギリシャ人で、私たちに 「安達先生や森口綾さんはここに来ているのか?」と尋ねてきたようです。「今回は来て いない」と答えると、少し残念そうでしたが、「ギリシャでも是非、世界大会を開きたい と考えている。夏はギリシャはとても暑くなるので、10月ころの開催となるだろう。そ のときは是非来てくれ」と陽気に言って、去って行きました。
 この日の昼食は、予定外のものでした。
ファッサー会長が、日本から大訪問団が来ていると聞いて、ランチを共にしようと申し出 てくださったのです。堀口理事のアレンジにより、会場の一室にサンドイッチとジュース のランチが用意されました。
 サンドイッチをほぼ食べ終わったころ、ファッサー会長は席を立ち、私たち一人一人と 握手をし、言葉を交わすために私たちのところまで足を運んでこられました。
 ファッサー会長が私の席までこられたとき、私はちょっと恥ずかしかったのですが、 「I can speak English a little(私は英語があまり話せませ ん)」と言いました。ファッサー会長は少し身をかがめ、私の顔に口を近づけると、口に 手を当て少し声を落として「I can understand Japanese(私は 日本語がわからないわ)」と茶目っ気たっぷりにおっしゃいました。身近でファッサー会 長のお人柄にふれることができた貴重な経験でした。
 午後も会場では、医療講演会やパネルデスカッションなどが続きますが、後のことは 堀口理事に任せ、私たちは会場を後にしました。
 各自、自由行動ということになりましたが、眼もあてにならない、言葉もわからない私 は一人ではどこにも行けません。他の数人の方と共に、街に連れて行ってくださるという 添乗員さんのお言葉に甘えることにしました。
 明日もRI世界大会は続きますが、私は、ヘルシンキ郊外のボルヴォーに出かけます。 夜は世界大会の晩餐会に参加する予定です。


★自分の障害に挑戦

船橋市 土井 良夫
 私には、視覚と聴覚と心臓機能障害があります。視覚と聴覚障害は訓練や用具などで何 とか克服できますが、心臓機能障害だけは自分の生命に直接つながる、大変難しく苦労す る障害です。
 私の心臓は1分間に45回しか動かず、それ以上の動きは胸の右下に埋め込まれている 普通より大きく特別なペースメーカーが生命を保ってくれますが、ペースメーカーにも制 限があり、電磁波や無理な動かし方をすれば、私の体の機能が乱れて苦しむことになり、 更に生命まで脅かすことになります。
 見えず、聞こえず、動けず、私は絶望し人生をあきらめ始めかけたとき、視覚障害の生 活支援訓練で来られた愛光のE先生が私に「障害は諦めたらそのまま残り、克服してこそ 障害は無くなる」と教えてくださり、その言葉が私に自分の障害に挑戦する勇気を与えて くれました。
 心臓の担当医師の先生に相談すると、先生は「水泳であなたが自己管理責任を行い、正 確に心臓とペースメーカーを1番上のレベルまで上げて動かせば、心臓が少しずつ良くな ることもあります。ただし限界があり40秒までで、それ以上は危険です。室内のプール は電磁波も無く、水の中が安全で1番良い方法です。がんばってください」と指導してく ださり、それからの私は障害を前向きに考え、水泳を始めることに決めました。
 生活訓練のE先生から視覚障害者の水泳クラブを紹介していただき練習を始めました。 はじめは不安で苦しく大変でしたが、だんだん自信が出来始めたときに目標を決め、健常 者と同じ水泳の体力まで挑戦し限界の半分、25メートル25秒を目標に、少しずつレベ ルを上げ、全力でただひたすら泳ぎ練習する中で、自分の泳ぎの形を作り、完成させたの です。そうして自分の障害に、挑戦の結果を出すときが来たのです。
 平成20年度の3つの水泳大会に挑戦の決意をして、3つの一つ目、5月25日、第9 回千葉県障害者スポーツ大会に、自分が自分の為に挑戦。25メートル自由形にトライ、 16秒33の大会新記録で優勝。自分の障害を克服した喜びで、頭からプールの水と涙が 流れ落ちたことは、誰にも気づかれませんでしたが、生涯忘れないと思いました。
 そして3つめの2つ目、7月13日、第23回関東障害者水泳王子大会に、ともに泳ぎ 練習した仲間と挑戦。大会最後を飾る100メートルリレー、25メートル×4人のアン カーでトライ、1分18秒56で優勝。同じ仲間のチームも準優勝、障害者同士、助け合 い、喜び合うことを学びました。
 そして最後の挑戦3つ目の3つ目、7月20日、第54回船橋市市民水泳大会に、障害 者でも健常者と共に水泳が出来ることに挑戦。50メートル直線コース、自由形にトライ、 9コース9人でスタート、36秒59で3位。障害者でも健常者と共に泳げることを確信 しました。
 これらの記録は自分だけが出したタイムではありません。視覚障害者だけのスイミング クラブで私達に大変苦労される先生方、安全に事故から守ってくださるボランティアさん、 ガイドヘルパーさん、お互いに助け合い元気で明るい仲間達が全員で出した記録です。そ して私の障害を一番理解して応援してくれた妻です。自分ひとりで出来る挑戦ではありま せんでした。皆さんから勇気と、励ましと、目標を与えてもらった結果です。それから私 に3つの大会出場のチャンスを作っていただいたD先生、M先生、婦人の泳ぎ仲間のYさ ん、本当に心から感謝しています。ありがとうございました。これからも自分の障害に負 けず、挑戦し、健康で明るく、前向きな障害者として、頑張ってまいります。


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