あぁるぴぃJRPSちば会報100号


■ 特集
★千葉県網膜色素変性症協会 会報100号に寄せて
千葉市長 熊谷 俊人

 この度、千葉県網膜色素変性症協会会報100号の記念号が発行されましたこと、心からお祝い申し上げます。
 貴会には、1997年の発足以来、患者交流会、アイフェスタ、講演会、音楽会等の開催のほか、会報やメールでの情報発信・提供等の活動を通じ、千葉市の難病施策にご協力をいただいておりますことに、お礼申し上げます。多くのボランティアや支援者の支えのもと、現在では会員数が200名を超えるまで発展されたことは、会長をはじめ、会員の皆様のご尽力と熱意によるものであり、心から敬意を表します。
 治療法の確立していない難病の一つである網膜色素変性症は、視野狭窄、視力低下等があらわれ、その進行に個人差があること、また、遺伝による発症や合併症を伴うなど、その病状は様々です。患者やその家族の方々は、それぞれの不安や悩みを抱えながら、日々生活されていることと思います。このような中、貴会の活動は、患者とその家族の方々が思いを表出できる場であると同時に、患者同士の情報交換ができる貴重な場であり、患者と家族の方々は大変心強く感じていることと思います。
 私も先日、会報の発送作業を拝見させていただいた際には、会員の方々が協力し合い作業をされており、会員の結束力や会報への思いを強く感じることができました。
 千葉市といたしましても、患者の皆様の安定した療養生活と、その家族の生活の質の向上に向けて、治療や療養生活に関する相談の実施と、支援者や関係機関との連携に取り組んでまいります。
 結びに、千葉県網膜色素変性症協会の今後のさらなるご発展と、会員の皆様のますますのご健勝とご多幸をお祈り申し上げまして、私の挨拶といたします。

★JRPSちば会報100号発行によせて  
JRPS理事長 金井 國利

 このたびは、JRPSちば会報100号の発行、おめでとうございます。
 JRPSの中でも、これまで会報で100号を発行に至ったところはまだないかと思います。永年に渡って編集作業に関わってこられた諸先輩方のご努力と、読者の暖かいご支援から継続できていることは、本当に素晴らしく、JRPSの歴史の中、輝かしいことと存じます。
 毎年、新春のニュースとして報道されますが、千葉県は、元旦の日の出が日本で一番早い所であり、犬吠崎灯台からの眺めが素晴らしく、また、千倉のお花畑、美味しい魚等も多く、自然に恵まれた豊かな県であること、うらやましい限りです。そんな千葉が、JRPS発祥の地であることを常に念頭に置き、21年間におよぶ歴史の中で、JRPSの先頭に立っていただいていること、ご尽力に対して敬意を表します。
 本部「あぁるぴぃ」誌もそうですが、会報は、会員一人一人をつなぐ手段としての大きなツールです。日ごろ定例会等に出席できない会員さんにとって、会報から得るさまざまな情報、会との繋がりはとても大事なものであり、その役割は大変大きいものと考えます。
 日々、編集等に関わる役員さんは本当に大変なことと思いますが、また、読む側の皆さまも投稿等積極的に行い、更なる内容の充実、発展につなげてほしいと切望します。
 さて、新年を迎え、16年度JRPSの活動にも目を向けて参りたいと思います。昨年度は次の30年に向けて新中長期計画を提案し、ご理解を賜ってきましたが、これをベースにして各方面に活動を推進する段階に入りました。ここで、皆さまにお願いしたいことは、初代会長の小野塚 有可さんのことばである「JRPSは何かをしてくれる団体ではなく、自分が、何ができるかを考える団体です」という理念に立ち戻っていただきたいということです。網膜色素変性症と診断され、先生からのお話を聞いた際に、人それぞれ受け止め方は異なったにせよ、その記憶は忘れることはないかと思いますが、ややもすると薄れてくることも仕方がないことですが、もう一度その時の思いを呼び起こし、では、自分としてどうしたらよいのか、何ができるのかということを考えていただきたいと思っています。そしてJRPSの会員であることが治療法の確立とQOLにつながるということを思いだしていただきたいのです。
 眼科医学の世界でも、ここ数年で、その進歩は大いに加速しています。これは、日本だけではなく、世界、しいて言えば医学界全体におよぶ所かと思います。こうした状況下におきましては、患者団体の役割は大変重要な段階に入ってまいりました。臨床研究、治験等を実施するには、患者の参画無くしては前には進みません。そうした流れの中にありますこと今後ご理解の上、更なるご協力をお願い申し上げます。
 また、こうしたことに加えまして、JRPSも大きく変わってまいります、その第一歩が公益法人化です。この取得が必ずや明日のJRPSを作っていくものと固く信じております。
 治療法の確立にも明るい光が差し込んでまいりました。会員の皆さまにおかれましても、本年度はもう一度自分自身の事として諸活動に対するご協力を節にお願い申し上げます。
 JRPSちばが、これからも諸活動の中心的な存在として活躍してくださること、そしてJRPSちばの会報が、会員との大きなパイプ役としての役割をますます大きく果たされることを願っております。
 今年もどうぞよろしくお願い申し上げます。 

★朗読ボランティアとして
朗読ボランティア「かがりび」 飯田 明子

 JRPS会員の皆さまにお会いして、いつも思うことがあります。とにかく、皆さまが明るく前向きでいらっしゃること、見習わねばならないといつも思います。単に「明るい」ではないと思います。
 iPS細胞による網膜への研究が進んでいるようで、期待できる治療法の確立に向けた、皆さま一体となった希望達成への熱意!
 もう一つは、会員皆さまの仲の良いこと。互いの思いやりと信頼関係が、自然にされていて、羨ましい限りです。行事の際には、役割分担がきちんとされていて、水も漏らさぬ運営をなさいます。信頼関係のなせるわざでしょう。 
 そんな会員皆さまから、いつも励ましと力をいただきながらボランティアをしています。
 会報100号おめでとうございます。 

★会報100号に寄せて
会長 渡辺 友資枝

 「100号なんてすごいですね!」
 会報100号発刊というと、ほとんどの方がこうおっしゃいます。本部を除き、JRPSで100号を出すのは千葉がはじめてです。点字版、デイジー版、メール版を出しているところもほとんどないのではないでしょうか。
 この会報が100号を迎えることができたのは、編集委員の皆さんの並々ならぬご苦労のおかげです。記事集めのご苦労は言うにおよばず、誤字脱字の訂正、文字のフォント揃え・・・。発行まで、何回も何回も原稿を見直し、パソコンの音声読み上げについても確認します。
 皆さんはご存じでしたか?
 たとえば、「皆様」(漢字2文字)や「みなさま」(ひらがな4文字)は「皆さま(「皆」は漢字、「さま」はひらがな)」に統一し、「ー」(長音)と「−」(全マイナス)「‐」(ハイフン)はちゃんと区別しなければなりません。そのほかに環境依存文字というのもあって、注意が必要だそうです。編集委員の方は毎回、新聞の表記や「NHK 新用字用語辞典」を参考に編集しているとのことです。これを視力がまだ残っているとはいえ、視覚障害者が行うのですから、頭が下がります。
 では、私は何をするか?
 印刷されたA3の用紙を重ねてホチキスで止め、封筒に入れるという発送作業のお手伝いです。これは、苦労などとはほど遠い楽しい作業です。手よりも口を動かして、皆さんとおしゃべりをしながら作業を進めます。このおしゃべりを通して皆さんから多くのことを学びました。生活の知恵、福祉機器やサービスの使い方、そして視覚に障害があっても活き活きと生活すること、できること。そして、私たちの作業を助けてくださるボランティアさんがいつもいらっしゃいました。この時間に励まされながら、私は視覚障害者として生きてこられたような気がします。
 そして、完成した会報には、さまざまな情報や報告、感想、会員からの寄稿など、JRPSちばのすべてが詰まっています。編集委員の苦労や点訳、音訳、印刷、発送作業のお手伝いをしてくださるボランティアさんのご厚意もたっぷりと。
 これからも皆さんのご苦労やご厚意をのせて、JRPSちばと共に歩んで行く「JRPSちば会報」をよろしくお願いします。

★JRPSちば会報(支部だより)100号発行を祝して  
副会長(第5代支部長) 江澤 正広

 JRPSちば会報の発行を重ねること、今号でめでたく100号となりました。昨年、本部の公益法人取得のため「支部だより」を「会報」と変更し、新たにまた一歩前進した感があります。
 ここに至るには、支部設立にご尽力いただいた諸先輩方の熱意と、歴代役員の思いである会員との「情報共有」の願いからではないでしょうか。その思いを、編集委員の方々は何日も費やして編集作業に努めていただいています。また、発送作業をお手伝いいただいているボランティアの皆さんや、点字あゆみの会さま、千葉中央朗読奉仕会かがりびさまのご協力とご支援により、墨字版、点字版、デイジー版、メール版の発行が二か月ごとに継続されています。発行部数は、メール版を除いて約360部です。
 網膜色素変性症の研究は確実に前進し、各分野で臨床試験も始まっていますが、治療法の確立までにはまだ時間が必要です。医学の進歩に期待しつつも、生活の質を維持するために、どんなに小さい情報でも、会員の役に立つことであれば共有し、お互い助け合えば悩みも解決することでしょう。また、行事に参加し仲間との交流を深めることで、気持ちが通じ合い、どこからか活力が湧いてきます。
 そのための、情報誌としての「会報」は、会員を繋ぐ役目を担っています。また、ホームページ同様にJRPSちばの「顔」でもあります。引き続き多くの方々からのご支援を得て、200号をめざし前進あるのみです。

★「あぁるぴぃ」100号発行に当たり
元編集長 中込 孝一

 私が「あぁるぴぃ」の編集に関わったのは、58号(2009年1月発行)からで、60号(同年5月発行)広瀬 富美子編集長の後任として編集長を引き受けることとなりました。
 永年地方の文芸誌の編集に携わっていたこともあり、軽い気持ちで受けてしまい、後々後悔する破目となりました。それというのも、文芸誌などは晴眼者を読者対象にしているので、主に誤字脱字、改行、句読点に注意を払っていれば、ことは済んだのでした。
 ところが「あぁるぴぃ」の読者の大半は、視覚障害者のため、音声読み上げ装置や音声パソコンなどで、作成した文章を読んでいます。
 そこで、通常なら漢字表記をする「皆様」も「皆さま、みなさま」などと、漢字ひらがな交じりや、ひらがなで表記するとか、名前の敬称の「様」なども「さま」とひらがな表記にします。このことは、故人となられた伊藤 勲さんから、笑いを交えて教えられました。「伊藤勲様」を、パソコンは「いとうくんよう」と読むと。
 その他、まだ視力のあった私には、音声読み上げの実態が分からず、伊藤 勲さんや広瀬 富美子さんから多くの薫陶を受け、何とか90号まで編集長を務めることができました。
 編集に当たり私が心がけたことは、「あぁるぴぃ」をお知らせや報告だけにせず、会員の投稿を増やし、多くの人に読んでもらい、かつ、書いてもらう会報誌を目指しました。
 たまたま会員の中に、短歌を作られる方がいることを知り、無理に頼んで掲載いたしました。おかげで評判も上々で、潤いのある誌面になったのではと自負しています。
 これからも一編集委員として、皆さんの声を反映した誌面作りを心がけたいと思いますので、ご協力のほどよろしくお願いします。
 終わりに、16年を経て創刊100号を迎えましたが、願うことなら、治療法が確立され、200号を迎えることなく「あぁるぴぃ」が廃刊となることを望みます。

★会報100号に寄せて 〜表紙絵〜
編集委員 広瀬 富美子

 JRPSちばの会報が、今号で100号の発行となりました。太田さまから引き継いだのが40号からでした。支部だより50号の発行で「特集」を掲載させていただいたことが、つい先日のような・・・。
 私の手元には17号からしか保存されておらず、太田さまにお尋ねしたのですが、奥さまを亡くされてから、表紙絵を見るのがつらく、全部処分されたそうで、記録が保存されていませんでした。お手元に保存されている方がおられましたらご連絡ください。貴重な支部だよりの資料を、100号に際し、何とかデーターを保存したいと思っています。
 100号という記念号の発行に寄せて、編集委員として自慢の表紙絵について、私の知っていることを書かせていただきます。
 最初に表紙絵を描いていただいたのは、太田さま(2代、4代支部長)の奥さまでした。「あっこちゃん」シリーズでした。あるとき、「見えないので、表紙絵の説明がほしいわ」という声があがり、21号から【表紙のことば】も書いていただくようになりました。
 2009年12月、太田 敬子さまがご逝去され、64号は追悼の気持ちで白紙になりました。じつは、私、「あっこちゃん」の大ファンでした。「あっこちゃん」は何号から?
 65号から、江澤支部長の奥さまが「タンポポとつくし」のぬりえがしたくなるようなお花の絵を寄せてくださいました。以後94号の「菜の花」まで描いていただきました。
 95号からは、支部長が渡辺さんに代わったことをきっかけに、娘さんが描いてくださり、若々しい風を吹き込んでくれています。
 下記に、3人の方にお聞きして、代表作を掲載させていただきました。なお、太田さまからは、「家内の残していたものから判断すると、2009年の4月くらいから鬱症から脱し、10月くらいからがんの影響が強くなったようで、この半年間は創作意欲も強かったようです」とコメントをいただきましたが、あえて、【表紙のことば】で「あっこちゃん」を紹介された21号と、最後の作品63号を選ばせていただきました。
 会報(支部だより)に、華を添えていただいた皆さま、本当にありがとうございました。また、渡辺会長の娘さまには、これからもお世話になりますが、よろしくお願いいたします。

【表紙のことば】
 わたしはいつも表紙にいる、あっこちゃん。今年も登場しますので、よろしくお願いします。歳は四歳。いつも夢見ている女の子。ひつじは未来の「未」と書きます。未年が良い一年でありますように、ひつじをだっこしました。

2003年2月発行 太田 敬子作
【表紙のことば】
 あっこちゃんちのクリスマスベルよ。ドアの入口につけるの。サンタクロースのおじいさんが来るとき鳴らしてくれたら、わたしがプレゼントを受け取るわ。
 なお、来年もあっこちゃんは四つです。よろしく。

2009年11月28日発行 太田 敬子作
【表紙のことば】
今回、家内が表紙の挿絵に選んだのは「ゆず」です。
12月22日の冬至には、カボチャを食べゆず湯に入る習慣がありますが、ゆず湯に入ると肌がスベスベになる美肌効果があったり、冷え性やリュウマチにも効くし、体が温まってカゼをひかないとも言われています。他にも香りのいいゆず湯はアロマテラピーのリラックス効果も期待できます。
また、ゆずの風味は格別です。余ったゆずで作る簡単な料理を調べてみました。以下略。

2011年11月30日発行 江澤 礼子作
【表紙のことば】
♪ジングルベル、ジングルベル、鈴がなる・・・
今回の表紙の絵はクリスマスツリーです。
リボンやら、お星さまやら、靴下やら・・・なんだか、よくばりに、にぎやかに飾り付けられています。
もう、クリスマスツリーを飾り付けることも、プレゼントをもらうこともなくなりましたが、この季節、なんとなくウキウキワクワクした気分になりますね。
それでは、皆さま Merry クリスマス! そして、よいお正月を!

2015年12月5日発行 渡邉 葉子作



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