あぁるぴぃJRPSちば会報122号


■ 投稿
★ロービジョン川柳
担当 中野 早苗
 今回の投稿はおなじみのご夫婦です。ダブルレインボー音楽会、また地域のイベントなどでご活躍の夫婦デュオ(プリン・ハート)さんです。お二人ともRPということで、だからこその楽しい作品がうまれたのです。と言いたいところですが、いや違うそれだけじゃない。RP同志だから、ご夫婦だからだけじゃない。これはお二人の仲睦まじさからうまれたものでしょう。
 さあ、独り身の皆さま、声をそろえて言いましょう!
「いよっ!おふたりさん。熱いよ!やけるねぇ」

(プリン・ハート)
・ 夫 大物と 喜びたぐる 釣りの糸
・ 妻 だれだれと 襟引く糸は 主人から
【解説】
 利根川に友達と釣りに行きました。久しぶりに「リール」という釣り竿を使いました。なるべく、遠くにおもりのついた釣り針を投げるのです。何度目かの時に、かなり重い大物がかかったと手ごたえがありました。「やったー。やったー」と、喜びその釣り糸をたぐってみると、前じゃなくて後ろに続いていました。
 「あらー、あららららー。まいったなー」僕はびっくりしました。その釣り針が妻の洋服の襟にささってしまったのです。それを大物だと勘ちがいをして、喜んで引っ張り続けていたのです。妻には、本当に悪いことをしてしまいました。あー、でもまさか洋服の襟にささるとわさー、思いませんでした。まいりましたです。

・ 夫 扇風機 止める指先 足だった   
・ 妻 扇風機 リモコンきかぬ でかいしり
【解説】
 この暑さのために、クーラーや扇風機は欠かせません。妻が扇風機を止めようとしてリモコンを操作しているのですが、なかなかうまくいかないみたいでした。それもそのはず、扇風機の前に僕が立っていまして、扇風機のスイッチを足の指でけそうとしていました。お恥ずかしいです。ごめんなさい。皆さんもそんな経験はございませんか。そのようなわけで、妻がいくらリモコンを操作しても操作しても、ダメなわけでした。

・ 夫 妻のしり あおいだつもりが 母だった
・ 妻 ばかじゃない なによと叫ぶ 平手打ち
【解説】
 妻が「暑いねー、暑いねー。もうまいっちゃうねー」と言いまくっているものですから、僕は親切にうちわであおってあげようとして、「あー、いたいたー。ここにいたぞ」と思いまして、近くにあったうちわであおぎ始めました。スカートでいるみたいなので、ちょっとばかり遊び心を出しまして、スカートの下からあおぎ始めました。「どうだーい。涼しいだろー」と、声をかけたらまいったー。まいったー。まいりました。そこにいたのは妻じゃなくて母親でした。妻は、少し離れた右側にいたのです。「あー、やばいー。まいったー。こんなことって悪夢だー」と、叫びました。そうしたら妻から、冷たく低い声で言われてしまいました。「ばかじゃないー。どうしようもないねー。ばかだねー」って。あー、まいりました。皆さん、遊び心には十分に気を付けてください。
※投稿先 中野 早苗 Eメール:sanae403@y3.dion.ne.jp

★お役立ち情報(bP4)
千葉市 川野 義一
【視覚障害者の飛行機利用について】
 みなさま、最近飛行機に乗る機会はありましたでしょうか。少し前の話になりますが、大分県にほとんど見えていない私が、多くの人に手助けをしていただき、5月の大型連休に一人で飛行機を利用して帰郷してきました。さて、何人の人に助けていただくことになるのでしょうか? 私は格安航空を使わず、2大航空会社を利用しています。格安航空は何かあった時に案内や誘導など、少し不安を覚えてしまうと家族が反対するのです。
 まずは航空券の予約です。一般の売り出し前に、航空会社のマイレージ会員専用の早期割引を1月末にパソコンから予約しました。これで正規料金の約4割で乗ることができました。帰郷する前日に空港行きバスの会社に電話をし、視覚障害者であることを伝え、ドライバーさんに乗車時のサポートをお願いしておくと、バスの一番前の席を優先席として確保しておいてくださいます。稲毛海岸から羽田空港までは50分くらいで着きます。
 羽田空港に着いたら、まずターミナルの2番入口正面にある航空会社のサポートセンターを目指します。ここからセンターまでは唯一航空会社のサポートを受けられません。バスの着く場所が毎回ちがうので、自分のいるところがわかりません。居場所を確認するため、ターミナルに入って左方向へ点ブロに添って歩き、点ブロが切れたところが南ウィングの端の1番入口になります。ちなみに、ターミナルの南ウィングは九州方面、北ウィングは北海道東北方面の出発ゲートがあります。自分の居場所が確認できたら、2番入口まで点ブロに沿って戻ります。こんな面倒なことをしなくても、ターミナルに入った時に周りの人に入口番号を聞けば済むのですが、渋滞でバスが遅れることを考えて、早めに空港に入るので時間つぶしをしているようなものです。
 サポートセンターに入ると、センターの人が声をかけてくださいます。障害者登録をしているマイレージカードを渡してチケットを発行していただき、買い物と出発ゲートまでの案内をお願いします。地上係員さんと手荷物検査を通り抜けて、お土産は何が美味しいかなど話をしながら、お土産と昼食の空弁を買っていただき出発ゲート近くの白いカバーの優先席までいきます。夏休みのように長い休みが続く時には、一人で祖父母の家にいくと言う小学生と一緒に案内をしていただくこともあります。障害者、妊婦さん、お年寄りなどは、一般の搭乗時間前に優先して機内へ案内してくださいます。
 次は、出発ゲートの係員さんとゲートを通り飛行機の入口までいきます。そこには客室乗務員さんが待っていて、機内に入り座席まで案内をしてくださいます。機内に入ると客室乗務員のみなさまが、私の名前を呼んで迎えてくださるのでとても心が温かくなります。これは障害者登録をしている特権でしょうね。案内をしていただいた乗務員さんが乗っている間、私の担当として手助けをしてくださいます。飛行時間は約90分です。その間、機内サービスのコーヒーをいただき、備え付けのイヤホンで音楽を聴いて楽しんでいます。
 大分空港に着くと、一般の人が降りるのを待って乗務員さんと飛行機の出口までいきます、そこには空港職員さんが待っています。私は年に2回くらい帰郷するのですが、空港職員さんの中には私を覚えてくださっている人もいらっしゃいます、私も何人かは声を覚えました。空港職員さんと別府行のバス停までいき、バスのチケットを買っていただき空いている席を探して座らせてくださいます。別府までは50分くらいで着きます。そこからタクシーで実家まで5分です。
 手助けリレーをスムーズに、かつ安全におこなってくださることに、毎回「人ってスゴイナァ〜」と思っています。直接私に接して手助けをしてくださった人は6人くらいですが、その後ろに多くの人のサポートがあることを感じます。また、どなたも笑顔で接してくださいます。私には顔は見えませんが声で笑顔が見えます。私も自然と笑顔になります。
 実家にいる間は朝夕温泉に入り、毎夜中学の時の同級生と酒を酌み交わしていました。千葉県へ戻る時にも同じように、多くの人が手助けをしてくださいます。大分空港は小さな空港なので、航空会社のカウンターの方向に歩いていると、向こうから私の名前を呼んで近づいて来てカウンターまで案内をしてくださいます。チケットを発行していただき、朝食を食べることとお土産を買いたいとお願いをして、喫茶室まで連れていっていただきます。食べ終わるころに迎えに来てくださいます。それからお土産を買っていただき、手荷物検査を済ませます。そして、手助けリレーにより羽田空港まで戻ります。多くの人に手助けをしていただくと、いろんな人と話ができることがまた楽しみでもあります。自宅に帰り着き、今回も多くの人に手助けをしていただき無事に帰郷できたことに感謝しました。

★こころの豆知識
船橋市 垣田 悦子
 ずいぶん涼しくなってきましたが、皆さまお元気ですか? 季節の変わり目は体調を壊しやすいので、健康管理はしっかり行って下さいね。最近、私のまわりに糖尿病で大変な思いをしている人がいます。ということで、今回は目にも良く、糖尿病対策にもなる一品を紹介します。

    <切り干し納豆> 4人分
(材料)
切り干し大根・・・・・・・1/2袋
刻み昆布・・・・・・・・・1g
人参・・・・・・・・・・・20g
すし酢・・・・・・・・・・大さじ3
納豆・・・・・・・・・・・1パック
ごま・・・・・・・・・・・適量

(作り方)
@ 切り干し大根をよく水洗いし、15分程度水で戻す
A 刻み昆布を水で15分程度戻し水洗いする
B 人参を千切りにする
C 手で絞った切り干し大根、刻み昆布と人参をすし酢で和え、冷蔵庫で1時間程度なじませる
D 納豆に付いているダシ醤油とからしをかき混ぜCに入れ、さらにかき混ぜ器に盛りごまをふりかける
 納豆が好きな人は、もう1パック追加してもいいですし、梅肉やごま油を少し入れても美味しいですよ!

(効能)
 今回は、切り干し大根に注目してみました。切り干し大根は、大根を細く切って乾燥させたもので、乾燥することにより鉄は約37倍、カルシウム約15倍、ビタミンB1とB2は約10倍に増加します。食物繊維も豊富なので便秘の予防、改善、余分なコレステロールの排出、動脈硬化予防や消化に時間がかかるため、血糖値の急激な上昇を抑えてくれる効果もあります。またカリウムも豊富なので、余分な塩分を排出し血圧を安定してくれます。
ビタミンB1には
・視神経の働きを維持する
・疲れ目の軽減
ビタミンB2には
・目の充血改善
・視神経の働きを維持する
などがあります。

(まとめ)
 糖尿病にはインスリンを作る細胞が壊れ、インスリンが分泌されなくなる1型と、9割以上といわれる肥満などが原因となり、インスリンの作用が低下して発症する2型とがあります。日本人は遺伝的にインスリン分泌が少ない人が多く、糖尿病になりやすい体質を持っているといわれます。改善のポイントは、食事療法と運動療法です。
 特に禁止すべき食材はないので、摂取カロリーを抑えながら低脂肪、高タンパクの納豆や豆腐などの大豆製品、血糖値の上昇を抑える酢酸を含んだ酢、食物繊維が豊富で低カロリーのこんにゃくやきのこ類、ひじきや切り干し大根などの乾物なども活用し、栄養バランスよく食べましょう。また、ウォーキングなどの有酸素運動を毎日30分以上行うと効果的です。
 進行すると神経障害、腎症、網膜症の三大合併症や動脈硬化を起こしやすくなります。網膜色素変性症のように治療法もない病気と違い、糖尿病網膜症は、根本の糖尿病を治療すれば回復の見込みがあります。糖尿病を甘く見すぎて、取り返しのつかない事になった人もいます。せっかく治るチャンスがあるのに、それを見逃すほど残念な話はありません。残りの人生、これ以上病気を増やさないように、心掛けて生活しましょう。
 では、次回もお楽しみに!!

★編集後記
 この数年、私は夜中に目を覚ますことが多くなって、その度にラジオを耳もとに引き寄せ時間を確かめるのが癖になっています。そんな時、偶然ずっと昔10代の頃大好きだった曲が聴こえてきました。「懐かしい! あの頃は気になる曲を耳にするとメモして、それを持って町のレコード屋さんに飛んでいったものだわ」と、その時に乗って行った市電から眺めた風景まで思いだしました。
 でもこの半世紀の間に、私は網膜色素変性症と診断されて症状も進んでしまって、今はメモを取るのも、一人で街に出かけるのもかなわなくなりました。そんなことから現在、私の一番のアイテムは携帯電話になりました。気になる本や曲に巡り合うと、携帯電話を持ち出してきて、忘れぬうちにメモを取るのです。そして早々に、サピエ図書館で本を探したり、曲のほうは友人に頼んでネット注文をしてもらうのです。
 こうやって手にした本やCDを聴くのは、なんともワクワク!。楽しいものです。ただ、こうして夜目覚めては昔を回顧したり、携帯でごそごそやっているものですから、昼間眠くてたまらないのです。こんな姿をずっと昔の10代の私が見たら、「まだそんなことをやっているの。もう少し、しっかりしてよ」と嘆くことでしょう。でも『三つ子の魂、百までも』といわれているように、青春時代に見つけてしまった一人遊びはやめられないのです。困ったものです。
 この会報誌が発行される10月は、秋の夜長、楽しみな季節のはずなのに、私には悩ましい季節になりそうです。
会員O


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