あぁるぴぃJRPSちば会報124号


■ 投稿
★ロービジョン川柳
担当 中野 早苗
 2020年初のロービジョン川柳です。お一人は昨年の災害時の句を詠まれています。災害弱者といわれている私たちですが、なんとこういうこともあるのですね。白杖や点字が大勢の方の役に立つときがあるとすれば、なんか誇らしい気持ちになります。もうお一人は日常を詠まれているのですが、解説がすごい。日常から発想をとばし、イメージがふくらむのでしょう。お楽しみください。

ペンネーム(さつき姫)
・ 洪水で 杖が役立ち ガイド役
・ 暗闇で 動いてるのは ねこと私
・ 停電で 点字のニュース 読み聞かせ
・ 停電で お茶を勧めて 喜ばれ

ペンネーム(新千葉2丁目の風)
・ タクシーの 扉がなくて パントマイム
【解説】
「はーい、どうぞ!」と、いつものタクシーの運転手の声。
僕は後部座席へ向かって歩く…。
乗り込む前に、左側の開いているドアを左手で確認して乗車するのが、僕のいつものパターンだ。「あれ? や?」と、左手がドアを探すが…、ない。
それもそうなのだ。このタクシーは、スライド式のドアを左後部の座席ドアに採用している新型車だ。トヨタのジャパンタクシーと言って、ハイブリッドのLPGだから燃費も良く、今後はどんどんこちらのタクシーに入れ替わるそうだ。内部は広く、天井も高い。大きな荷物をもっていてもなんのその。さすが、価格は300万円ほどするようだが、国や自治体からの補助金がいくらか出ているらしい。
僕は広々とした後部座席にちょこんと乗って、まだぎこちない座り具合に、さっきのドアを探す自分の姿がパントマイムに見られていないかと…、1人にんまりしたのであった。

・ 動かない 杖が車に ひかれてる
【解説】
マンション前のせまい道路を歩いていると、前から車が来た。
静かな車だ。おそらくはハイブリッド車だろう。その車は、僕の左側をゆっくりと通過しようとしている。そのすれ違いざま、僕の左右に振る杖が左に移った瞬間、「あれ? 動かない!」僕の杖の先はパームチップ、つまり、キノコ型の石突のため、車のタイヤがそれを見事に踏んづけたのだ。
「うぉ! ひかれた…」痛くもないのに、何か自分の体の一部がひかれたような、この錯覚はいったいなんなのであろうか。
グンニャリと、まるで釣り竿のように曲がった白杖のえが、元に戻ると、まるで何事もなかったように、車は僕の左側を通り過ぎて行った。
ポツンと取り残された僕は「あっ、逃げられた…」と、まるで魚を取り逃がした釣り人のように「これ、やっぱりひき逃げって言うのかな?」と苦笑しながら、次は気をつけようと、再び白い釣り竿を道路に垂らしたのであった。

・ 「電柱で ござる」と腕を つかまれる
【解説】
僕の住む街は電柱だらけだ。とにかく電柱にぶつからず歩くことは、ほぼ不可能で数十歩歩けばまた次の電柱に出会うことになる。
ただ結果として、それら電柱の存在を杖で確認して歩くこととなるから、そういう意味では目印となるので、良いこととも言えなくはない。
僕はいつも杖で電柱をツンツンと突いて、その電柱がいつも曲がる場所の電柱であるか否かを確認する。
だから、電柱がある場所に、壁に沿いつつまっすぐに歩いていくわけだが、通りがかりの人にはどうもそれが、電柱にぶつかっていくように見えるらしく、「危ない、電柱、電柱ですよ!」と、後ろから腕をつかまれることがある。
それはまるで、電柱に振りかざした白い刀をもつ僕が、松の廊下で刃傷に及ぼうとしている、あの忠臣蔵の浅野内匠頭のように映る。
「殿中でござる!」と、後ろからとがめられるたび、思わず、「今、ひとたちを! 今、ひとたちを!」と、心で叫ぶ。
でも「あっ、すいません。ありがとうございます!」と、実際には苦笑しながらお礼を言う。
一息おいて「うん」と頷いた僕は、この街にすでに人々の人情が、たっぷりと及んでいたことに気づかされ、恥ずかしくもとても心がほっこりしたのである。
あなたの街にも「松の廊下」はありませんか?

※投稿先 中野 早苗 Eメール:sanae403@y3.dion.ne.jp


★お役立ち情報(bP6)
千葉市 川野 義一
【ガラケー携帯のサービス停止について】
 皆さまご存じだと思いますが、携帯電話各社はガラケーのサービスを2022年に停止すると発表しています。先日、NTTドコモだけが2026年までサービス停止を延期すると報道されましたが、いずれにしても近い将来ガラケーは利用できなくなってしまいます。

参考:各社の3G停波(終了)
 ・ドコモ 2026年3月末
 ・au 2022年3月末
 ・ソフトバンク ワイモバイル 2024年1月下旬

 動画(映像)などの配信を提供するためスマホのサービスをおこなっており、多くの人がスマホに変更をしてしまったので、ガラケーの利用者減少にともないサービスを停止するようです。どうしてもスマホを使いこなすことができないと思っている人、視覚障害者であるわれわれの仲間には多くいるのでしょうね。ガラケーが無くなると携帯を持つことができなくなってしまうと思われますよね。
 ご安心ください。スマホでもガラケーと同じように、ボタンがついたガラホと呼ばれているものがあります。ガラホは、ガラケーとスマホを合わせた名前でスマホです。ガラケーの機能はすべて持っています。たまたま友人がガラホを持っていたのでさわらせてもらいましたが、大きさ・形・ボタンの配置や操作性はまったく同じでガラホだと言われなければわからないで使ってしまうほどでした。
 メールより便利なLINE(ライン)の機能が付いていますが、あいにく視覚障害者用の音声モードには対応していませんので、文字が見える人にしか使えません。ほかに視覚障害者にとって便利なアプリもスマホとはいえ、操作性を重視したためほとんど利用できないようです。視覚障害者用音声モード対応のガラホは、携帯3社のうちNTTドコモとauが提供していますので、購入時には音声モード対応の機種と言ってください。
 今後「ガラケーが故障したらどうすればいいの?」と思う人もいますよね。auを利用している人は、ガラホへ契約変更をすることになります。NTTドコモはまだ在庫が若干あるようなので、ガラケーを購入して継続利用できるようです。最近故障して買い替えた人は、すでにガラホになっているかも知れませんね、故障した時が変更のチャンスだと思います。
 ガラホに契約変更する時には手数料が3,000円、携帯本体が30,000円〜40,000円くらいです。同じ携帯会社であれば違約金はかかりませんのでご安心ください。基本料(ガラホデータプラン)は1,000円くらいなので、ガラケーとほとんど変わりません。電話とメールしか利用しない人は、スマホよりガラホの方がお安いです。通話料金は30秒で20円、5分以内の通話なら何回でもOKで700円くらい、かけ放題は1,700円くらいです。
 ちなみにスマホ(iPhone)の携帯本体料金は、一番安いiPhone7で40,000円〜50,000円くらいで、データプランはパケット量によって料金が異なり2,780円〜6,780円くらいで、通話料金はガラホと同じです。いずれも金額はNTTドコモを参考にしています。
 コマーシャルでも流れていますが、キャンペーン期間中であれば手数料・携帯本体や通信料の割引もあります。データプラン・料金やキャンペーン詳細は各ショップにお問い合わせください。携帯本体の割引はショップによって異なっているようです。
 今回の会報に掲載していますが、このお役立ち情報をもう少し詳しくした説明会と、スマホをガラケーと同じように簡単に使える無線式装置の講習会を、2月29日に開催しますので、ぜひ参加をお待ちしています。サービス停止までまだ時間がありますが、スマホ(iPhone)をさわってみたい方がいらっしゃればご相談ください。私のiPhoneを使ってでもよろしければご説明させていただきます。また、操作方法の一覧をメールで送付できます。操作方法と言っても何本の指でどの方向に動かすかだけの一覧ですが、ご家族や友人など身近にiPhoneを使っている人がいれば、お借りしてあなたの練習はできると思います。

連絡先 川野 義一 携帯:090−8640−8389
        Eメール:y-kawano@violin.ocn.ne.jp

★編集後記
 皆さま「令和」初めてのお正月いかがお過ごしでしたか? 私の住んでいるところは千葉市花見川区柏井町です。昔からお正月の三日間は朝起きたら町内にある神社のお参りがあります。一日目はお供え餅、二日目と三日目はお米(おさご)をもってお供えをして、一年間のお願い事と健康を祈ってきます。それから家の中の神棚や仏壇に雑煮をお供えしてから、お屠蘇で挨拶を交わしお雑煮を食べます。お昼にはご飯を炊いて神棚、仏壇そして外の門松、荒神様にお供えをしてから食べることが風習になっています。この一連の習わしが、家族にとって元気で過ごせる源になっているように思います。月参りは1日と15日なので、私は時間に余裕のある時はお参りをしています。
 つい先日、神社参りのお賽銭についての話が地域新聞に掲載してありました。私は気にせずに50円が多く時々100円を入れていましたが、掲載内容を見ると「なるほど!」と思いました。5円はご縁・15円十分にご縁・25円二重にご縁・45円始終ご縁がありますようにとの意味があるようです。10円は遠縁との事でした。入れないようにしたいですね。穴の開いた5円と50円は先を見通せるのでよいとの事です。ご存じの方も多いですね。ご参考にしていただけましたら嬉しいです。
 今年は災害のない年でありたいと願っていますが、地球が温暖化になっているために何が起こるかわかりません。昨年の怖さを教訓に、備えを万全にして連携ルートを確立していこうと思います。
 また、皆さま方と力を合わせて元気に明るく、前を向いて歩んでいきます。
 どうぞよろしくお願いいたします。
斉藤 松子(支援会員)


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