あぁるぴぃJRPSちば会報134号


■ 投稿
★リレーエッセイ(4)
【RPと私】
柏市 H.O
 私は昨年70歳になりました。目が悪いことを除けば血圧の薬を服用していますが、70歳にしては若いとよく言われます。最近、10年ぶりの脳ドックでMRIを受診しましたが、特に問題はありませんでした。MRIの画像でちょっと脳が萎縮しているそうですが、医師は『70歳になれば誰でも多少は萎縮するので正常の範囲です』とのことでした。
 私がRPと診断されたのはもう20年以上も前のことです。光がまぶしく感じて見えにくいという自覚症状でした。最初は白内障と言われたりもしました。同じ症状の弟がRPと診断された大学病院で、私もRPと診断されました。そのころはRPのことをよく知らなかったので『やっぱり、私は目が悪いのだな』と認識した程度で、あまり深刻には考えませんでした。
 思い返してみれば、子供のころから近視と乱視があったのですが、少し動体視力が悪い程度に思っていました。事実、学生時代には車の運転免許も取りましたし、若いころはスポーツタイプの車を乗り回していました。自分の目がちょっとおかしいと感じ始めたのは、就職して30歳を過ぎたころからだと思います。
 勤務先は商事会社で、私の仕事は海外の取引先とのビジネスでした。結婚して間もなく海外勤務になりました。最初に赴任した国は自分で車を運転しての通勤でした。まだ20代だったので車の運転もできました。そのときの勤務先は日本車の輸入代理店だったので、スポーツカーの新車を3ヶ月ごとに乗り換えていました。それはRPと診断されるずいぶん前のことでした。
 当時はゴルフにもよく行きましたが、ボールがよく見えません。一緒にラウンドしていた上司からは『ちゃんとボールを見ていろ』とよく注意されました。自分としてはしっかりボールを見ているつもりなのに見失ってしまいます。このころから自分の目はおかしいと思うようになりました。幸い、その後に赴任した国は自分で運転しなくてもよかったので助かりました。学生時代はマージャンが好きで徹夜マージャンもよくやっていました。会社に入ってからも若いころはよくやっていたのですが、40歳を過ぎるころからマージャン牌を見間違えて、チョンボが多くなったのでやらなくなりました。
 20年以上も前ですが、RPと診断されたときに病院の先生に勧められてJRPSの会員になりました。しばらくはJRPSの会員であることも忘れていましたし、会報もほとんど読んでいませんでした。その後の海外勤務は子供も大きくなったので単身赴任でしたが、私の留守中も家族が会費を払い続けてくれていました。
 私のRPの症状は一般的な症状の進行とは少し違うようです。中心に近いところの視野が欠けていますが、周囲の視野は残っているので夜盲の症状はあまりありません。幸い、症状の進行はほかの人と比べれば遅いのですが、それでも50歳を過ぎてからは挨拶されても誰だかわからない、社員食堂のメニューが読めないなど、いろいろ不便を感じるようになりました。
 なんとか60歳の定年までは頑張ろうと思っていたのですが、会社から海外でもうひと頑張りして欲しいと言われたときは断るかどうか迷いました。それまでは会社に自分の目が悪いことを報告していなかったのですが、『目が悪いので自分で車の運転をしなくてもよい、ゴルフもしなくてもよい場所ならば』と条件をつけました。結果、運転手付きでゴルフ場のない中東の国への赴任となりました。会社には60歳で退職すると言ってあったので、60歳で帰国すると同時に仕事は辞めました。
 退職後、それまではあまり時間が取れなかった趣味と実益の資産運用(株式、投資信託など)に精を出し、好きな旅行に頻繁に出かけるようになりました。旅行はコロナウイルス感染症の拡大で、2年間の我慢をさせられていますが再開できるのを楽しみにしています。とにかく、まだ見えるうちにできるだけ旅行をしたいと思っています。地域のコミュニティーにも参加し、太極拳も始めてから8年くらいになります。子供は2男1女の3人。私は小学校や中学校のころは野球が好きでした。公園で親子がキャッチボールをしているのを時々見かけますが、私は自分の子供とキャッチボールをしたことがありません。目が悪くなってキャッチボールが苦手になってしまったからですがちょっと残念です。今は、子供たちも結婚して孫も次々に生まれて5人になりました。次男は昨年の10月に結婚したので孫はまだ増えるかもしれません。
 退職後はそれまで目を通したこともなかったJRPSの会報も読むようになり、JRPSちばの交流サロンにも参加するようになりました。交流サロンへの参加は、別の世界に足を踏み入れるような驚きがありました。同じ悩みをもつ人たちと話をすることで、自分もRPの患者であることをはっきり自覚するようになったと思います。
 交流サロンで知り合った人たちは、それぞれ歩んできた人生はさまざまです。考え方もいろいろで価値観も違います。そこはボランティアさんやヘルパーさんに支えられた、これまで知らなかった世界でした。多くの人との交流はいろいろな考えや価値観に触れ合うことができるので、自分自身の勉強になっています。JRPSを通じてせっかく知り合った人たちですので、これからの人生を楽しく豊かに過ごす仲間として末永くお付き合いをさせていただきたいと思っています。


★ロービジョン川柳
担当 中野 早苗
 2022年、初の川柳です。
 今年こそコロナと縁が切れるかと思っていましたが、結果は投稿された句の通り。まだまだ、ウィズコロナは続きそうです。そこで、一句。
 また増えた コロナとともに 体脂肪
体脂肪率まで教えてくれる優秀な体重計にのっています。おうち時間が長いと不思議と増えるんですよ。コロナだけじゃないのという言い訳の句です。おそまつ様でございました。
 それでは2022 初川柳をお楽しみください。

ペンネーム(グリンピース)
・感染を 気にして孫子 顔見せず
【解説】
 今年のお正月も家族そろって会えません。孫の成長と私の老化と、日進月歩の日々は続きます。薄らぐ視力にストップを。
・見えぬのに テレビ見てると 気遣う子
【解説】
 箱根駅伝、マラソン好きな息子と電話口での会話です。画面見えないけどテレビ見てよと、見えない視力低下を心配させまいと、笑って話す息子に、同じだね、と言って励ます私です。 

・脳トレと 耳で覚えて 口ずさむ
【解説】
 歌詞が目から入りません。空想で耳を頼りに歌うのも脳トレになるでしょう。

ペンネーム(ザワザワ)   
・いいかげん コロナコロナも いい頃な
【解説】
 ロービジョン川柳ではありませんが、コロナ禍での2回目の新年を迎え、もうコロナは勘弁してほしいとの思いからの作品です。

・降雪で 点ブロ埋まり いやでスノー
【解説】
 先日の雪で通勤の際、降雪により点字ブロックが埋まってしまい、苦労して職場までなんとか歩いたことからの一句です。本当に雪はいやでスノー。(笑)

・眼は見えぬ しかし私は 正顔者(せいがんしゃ)
【解説】
 私は視覚障害者であるが、顔はいい顔しているよと言うことです。(笑)

・コロナ禍で 深まる絆 オンライン
【解説】
 コロナ禍で、自由な外出、飲食などができないご時世であるが、逆にオンラインでの交流で、絆が深まっているように思う。

※投稿先 中野 早苗 Eメール:sanae403@y3.dion.ne.jp

★お役立ち情報(bQ5)
【iPhoneでZoomに接続する方法】
JRPSちば役員 川野 義一
 下記の手順は、ボイスオーバーとSiri(シリ)の機能が「on」の場合です。

●Zoomアプリをインストールする手順(初めてZoomに参加する場合のみ)
@「App Store(アップストア)」をダブルタップして開きます。
・Siriを使って検索する場合は、Siriに「アップストアでズームクラウドミーティングを検索」と話しかけます。「Zoom Cloud Meetings」のアプリが開いたら、右スワイプして「入手」と読み上げるところでダブルタップします。その後はDからの手順となります。
A右スワイプして「検索フィールド」と読み上げたらダブルタップします。
B検索画面になるので「Zoom」と入力します。
・候補が複数表示されますが、「Zoom Cloud Meetings」というアプリが該当のアプリです。
C検索結果が表示されるので、右スワイプして「ズームクラウドミーティング」と読み上げたら、さらに1回右スワイプして「入手」と読み上げるところでダブルタップします。
Dインストール画面になり認証を求められるので、右スワイプしてご自分の認証方法を読み上げるところでダブルタップして認証を行ってください。
E3分から4分でインストールが終了しますので、事前作業は終了です。
※ホーム画面にZoomのアイコンが追加されていることを確認してください。
※上記手順はiOSのバージョンにより一部異なります。


●ミーティング開催時間になったら
@招待URLが、主催者から事前にメールで送られてきます。
A主催者からのお誘いメールをダブルタップします。
Bメールが開いたら、右スワイプして招待URLを読み上げるところでダブルタップします。
・招待URLの文頭は「HTTP」と読み始めます。全部を聞く必要はありませんので、読み上げ始めたらダブルタップしてかまいません。
CZoomアプリが立ち上がり「名前のテキストフィールド」になるので、ダブルタップしてミーティング参加者にわかりやすい自分の表示名を記入します。
(初めてZoomに参加する場合のみ)
D名前を入力し、右スワイプして「続行」と読み上げるところでダブルタップします。
Eカメラの利用設定画面が開きます。
・「Zoomがカメラへのアクセスを求めています」と読み上げたら、右スワイプして「OK」と読み上げるところでダブルタップします。
(初めてZoomに参加する場合のみ)
Fマイクの利用設定画面が開きます。
・「Zoomがマイクへのアクセスを求めています」と読み上げたら、右スワイプして「OK」と読み上げるところでダブルタップします。
(初めてZoomに参加する場合のみ)
G通知設定画面が開きます。
・「Zoomは通知を送信します。よろしいですか?」と読み上げたら、右スワイプして「いいえ」と読み上げるところでダブルタップします。
(初めてZoomに参加する場合のみ)
Hビデオ利用選択画面が開きます。
・右スワイプして「ビデオ付きで参加」または「ビデオ無しで参加」のどちらかを読み上げるところでダブルタップします。
(ご自分の顔を相手に映す場合は「ビデオ付きで参加」でダブルタップしてください)
※この画面はでてこないこともあります。
IZoomのミーティングルームに入ります。
・「警告、他のユーザーの音声を聞くにはオーディオに接続してください」と読み上げたら、右スワイプして「WiFiまたは携帯のデータ」と読み上げるところでダブルタップします。
Jこれでオンラインミーティングが開始します。


●ミーティングを退出する場合は、スワイプして「退出」と読み上げるところでダブルタップします。

注意
・ダブルタップは1本指でのダブルタップです。
・スワイプと表現していますがフリックと呼ぶこともあります。
・右スワイプしても何もしゃべらなかったり、目的の内容をしゃべらない場合は左スワイプをしてみてください。

※いきなり本番だと不安が大きすぎると思われる方は、川野までご連絡をいただければ個人練習をさせていただきます。
連絡先 携帯:090−8640−8389
  Eメール:y-kawano@violin.ocn.ne.jp


★みんなの広場
 市原市の広瀬富美子(ひろせ ふみこ)です。江澤さんが、JRPSちば会報誌の担当を引き受けてくださったことを機に「残された人生、もう少しがんばってみたい」と、JRPSちばの役員を辞して5年。渡辺会長、江澤副会長はじめ役員の皆さんに感謝しております。
 現在、障害者となり精神的に一番落ち込んでいたときに出会った「ちぎり絵教室」、「練功(れんこう)教室」に通っています。時間にゆとりができたこと、先生、仲間のサポートのおかげで、ちぎり絵が千葉県障害者作品展で3回、市原市美術展で2回入賞。視野狭窄が進み厳しい状態ですが、もう少しがんばってみます。
 同じころ始めた水泳も、今は地元のスイミングに通っています。チーフのコーチに、見えなくなったことを告げたところ「広瀬さんの場合は、健常者と一緒に泳いだほうが良いと思います。こちらでできることはサポートしますからがんばりましょう!」と言っていただき、全コーチ、スタッフ、仲間から温かいサポートを受けて練習しています。続けることが皆さんへの恩返しと近くの温水プールでも泳いでいます。
 一時期やめた社交ダンスも、ボランティアさんからのお誘いと新しい先生ご夫妻を紹介していただき、二つのサークルで主人と踊っています。「ご主人、奥さまをお忘れですよ!」と、主人に置いて行かれた私を、優しくガイドしてくれる先生です。その他「心のバリアをなくそう」と活動している市民ボランティア団体に所属し、社会福祉協議会のお手伝いで学校の福祉授業などにも参加しています。
 20年前、見えなくなるという不安と恐怖で泣いていた私。震えながら申し込んだ「視覚障害者のパソコン教室」。このとき出会った4人(JRPS役員、千視協会員、点字ボランティアさん、歩行訓練士さん)が、命を救ってくださり、今の私がいます。


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