あぁるぴぃJRPSちば会報143号


■ 活動報告

★本部主催「ミニコンサート&医療講演会」合同視聴のご報告(渡辺)
 6月25日午前の、第26回千葉県網膜色素変性症協会定期総会に続き、午後からは同会場で、会員23名、ガイドヘルパーさん8名、ボランティアさん3名の34名の皆さんとともに、本部主催の「ミニコンサート&医療講演会」をZoomで視聴しました。Zoomは千葉のほか、大分・兵庫・岐阜・神奈川・東京・岩手・秋田のJRPS都道府県協会8会場をつなぎました。YouTubeでも同時配信されましたので、ご自宅で視聴された方も多かったのではないでしょうか。
 今回、会場ではマイクが使用できず、音量が小さく聞き取りにくかったなど、トラブルが多く、担当としてお詫び申し上げます。
 午後1時から始まった前川裕美さんのミニコンサートでも、歌声と伴奏がうまく送れないというトラブルがありましたが、最後には、前川さんの優しく伸びやかな歌声とおしゃべりを聴くことができました。
 午後2時からは、京都大学の中山健夫先生による「健康・医療情報のチェックポイント-科学的なエビデンスを考える-」と題した講演をお聴きしました。先生は中学生向けの質問を投げかけたりしながら、世の中にあふれる健康・医療情報を正しく受け取り、理解するためのポイントについてわかりやすく解説されました。いつも何気なく聞いている情報には、実に多くのだまされやすいワナが潜んでいることにあらためて気づかされました。特に、健康・医療情報については、まず公的なサイトで確認することが大切とのことです。中山先生の講演動画は、JRPSのホームページの会員ページにアップされていますので、お聴き逃しの方は、一度聴いてみてはいかがでしょうか?情報の聴き方、読み方が違ってくると思います。)

★ヨガ交流会のご報告
担当 横山 小出
 7月10日(月)、蘇我コミュニティセンターハーモニープラザ分館3階フィットネスルームにて、ヨガ交流会を開催しました。当事者6名、ガイドヘルパーさん5名の合計11名の女性が集いました。
 いつもの念入りな「足ほぐし」から、座ったままの姿勢で「ねじりのポーズ」、そしてお馴染みの「猫のポーズ」。立つ姿勢から「ヒンズースクワット」、そして「英雄のポーズ」などをゆっくりと行ないました。「休息のポーズ」の後の合掌で終了後、交流会となりました。
 今回は、片道2時間かけて二組の方がいらっしゃり、楽しそうにおしゃべりしながらヨガをされていました。お隣にいらした方が、それが心地よいBGMになったとか。参加された皆さん、やはり読書好きな方が多そうです。「サピエが命」という方もいらっしゃいます。和田秀樹さんの著書のお話も出ました。
 「認知症」にならないように、いつもと違ったことをちょっと取り入れてみる。それはスイーツなどの食品でも、ビールなどのお酒でも、いつもの道を通らないことでも。ということで、いつもと違った場所でのヨガを体験されたい方、お待ちしています。次回開催は10月を予定しています。

★ミニミニ交流サロンのご報告
◆「千葉サロン」6月のご報告
担当 大野 真知子
 6月9日(金)、少し強い雨が降っていたのもあって当事者女性3名、ヘルパーさん2名での会となりました。
 まず、お一人の方が、「身体障害者手帳の申請を5月の初めに済ませたけれど、なかなか受領の知らせがこないので、次の行動が立てられないんです」という言葉で始まりました。身体障害者手帳を取得した人に聞くと、手帳が手元に届くのは、申請から2〜3か月かかるようです。その方は、視力が低下しても、一人で歩きたいというのが希望だそうで、もちろん3人同じ思いです。
 一番に医学が進み治療法が見つかって、少しでも視力が回復して欲しいのですが、それと並行して、これからは福祉機器の進歩にも期待をしていいんじゃないかと、現在実際に開発されている歩行ナビのアプリや、文字を読み取るアプリなどの話題で盛り上がりました。
 その後は、同じ病気の者だからこそ通じる失敗談を順に披露しあいました。
「喫茶店で化粧室に行って席に戻ろうとして、全然違う席に座ってしまった」
「人込みでうっかり同行者の腕を離してしまい、あわててつかんだ腕がまったく知らない方の腕でびっくりされたこと」
「バーゲン会場で売り物だと思ってつかんだら、隣のお客さまのバックだった」
などなど、次から次と苦笑いの連続でした。
 でもこの時間が、私たちにはホッとするときなんですね。あっというまに時間が過ぎてしまいました。会場を出ますと、もう雨がやんでいました。

◆「千葉サロン」7月のご報告
投稿 T・K
 7月14日(金)の参加者は、当事者6名、ご家族1名、ガイドヘルパーさん3名でした。
 今年5月に入会された人が、娘さんと一緒に初めてミニミニ交流サロンに参加してくださいました。その方は4年前の会社の健康診断がきっかけで、網膜色素変性症だと疑われ、診断につながったそうです。そして大学病院で協会の存在を知り、入会にいたりました。診断された当時はお仕事をされていましたが、見えづらさから最寄り駅まで会社の方が付き添っていただいたこともあったのだとか。
 補装具の話になり、現在使用している遮光眼鏡を見せていただきました。それは、普段から使用している矯正眼鏡の上からかけられるオーバーグラスタイプのもので、グラスの色は茶色でした。ほかの参加者の遮光眼鏡はオレンジ系のグラスだったので、人によってやはり違いがありますね。
 それから、パソコンのスクリーンリーダー・iPhoneのボイスオーバー機能・文書や色などを音声で読み上げてくれるソフトの情報を交換しあいました。過去に、服の色についての音声読み上げ携帯専用デバイスがあったそうですが、現在は製造を中止しているらしく、「2個買っておけばよかった」という後悔の声がありました。調べましたところ、「カラートークプラス」という商品は現在製造中止していますが「カラリーノ」という商品は現在も販売していて、問合せた会社では5万円前後で購入できるそうです。(販売会社により違いがあると思いますので、ご購入を検討している場合は事前にお問合せください)
 最後に、その初参加の方と住所が近い参加者がいらっしゃいましたので連絡先を交換し、終了時間となりました。
 近くに同病の人がいると心強いですよね。皆さんもお気軽にミニミニ交流サロンにお越しください。思いがけずお近くの方を発見できるかもしれません。

◆「柏サロン」6月のご報告
柏サロン担当 小川
 6月18日(日)の参加者は当事者14名、ガイドヘルパーさん4名、ボランティアさん1名の合計19名(お隣の茨城県から参加の当事者4名、ガイドヘルパーさん1名を含みます)でした。茨城県協会は、以前は活動していたのですが、現在は地域協会がなく、再結成の動きもあるとのことで、本部からの紹介もあって柏サロンに参加したものです。
 まずは、参加者全員に自己紹介と目の状態と最近の出来事などについて、話をしてもらいました。
 25日に予定されている定期総会と、医療講演会への参加の呼びかけを行ないました。先般実施された会員アンケートの結果についても、概略を説明しました。また、茨城県から来られた方への説明も含めて、JRPSちばの活動について説明をしました。
 ダブルレインボー音楽会については、実際に出演した人からも話をしてもらいました。バス旅行や、チーム柏が主催しているバリアフリー上映会の話も出ました。ズームでのオンライン交流会の話も出ました。たまたま前日に行われた、オンライン交流会の参加者からの報告もありました。視覚障害者への福祉サービスが、自治体によって異なるなどの話も出ました。
 それぞれが楽しんでいるいろいろな趣味の話もあり、気が付くと予定時間をオーバーしていました。それぞれのグループに分かれてランチやカラオケなどに行ったようで、どうやらまっすぐ家に帰った人はいないようでした。

◆「柏サロン」7月のご報告
 7月16日(日)の参加者は、お盆の時期も近いためか8名の参加となりました。内訳は男性5名、女性2名、ヘルパーさん1名でした。
 今月は新しい人が来られなかったので、各自の目の状況説明はやめにして、先月の定期総会の報告と、今後の活動予定を話してもらい、その後各自の近況を話してもらいました。
 先月の柏サロンでも、話題になったアンケート結果についての報告もあったとのことでした。毎年、恒例になっている日帰りバス旅行については、木更津方面とのことでしたが、詳細はまだ未定とのことでした。参加費用については、「個人の負担分をもっと減らしてくれればいいかな」との声もありました。東葛地区(松戸、柏、野田などの北西部)の人は、千葉まで出るのがたいへんとの声もありました。
 また、9月の「世界網膜の日」のイベント主催が、今年は神奈川となり、近いので皆さんもぜひ参加してほしいとの呼びかけがありました。前夜祭もあり、近くには中華街もあるので「ホテルに宿泊するのもいいかな」との声も出ました。
 各自に話していただいた最近の出来事などについては、ラジオによく出ている有名人の講演会に行った話や、仙台まで行くので新幹線を利用したら、新型車両に変わっていて、中の設備が良かった話や、ディズニーシーの予約の話や、旅行に出かけたいのですが、なかなかヘルパーさんが見つからないので困っているとの話も出ました。
 秋には旅行を計画しているので、白杖の訓練指導を受けられている方もおられました。いま持っている白杖ではダメだと言われてしまったようですが、本人をやる気にさせるのが上手い指導員で良かったとのことでした。コロナが収まりつつあるなかで、皆さんが旅行したい気持ちをもたれているのが感じられる今日のサロンとなりました。
 そうこうしてるうちに11時半を過ぎてしまったので、8月の柏サロンはお盆の時期とも重なりますが、8月13日に開催しますのでよろしくお願いしますとお伝えして終了としました。
 以上、今月の柏サロンは若松から報告させていただきました。

★オンライン交流サロンのご報告「6月」(渡辺)
 6月17日のオンライン交流サロンは、ゲストにアイラウンジを主宰する群馬の久保田さんをお招きしました。千葉からの参加者は12名でした。
 サロンの開始前、久保田さんに「いま、群馬も暑いでしょう?」と話しかけたところ、「実は、私はいま小豆島にいるんです」との答え。のっけから、ビックリ! でも、久保田さんらしい。今年4月に連絡したときは、神戸から群馬に帰る新幹線のなか。いつかのアイラウンジは長崎からということもありましたっけ。とにかく、活動的な久保田さんです。
 サロンの開始は、参加者の皆さんの短い自己紹介から。
 次に、久保田さんの自己紹介。RPと診断されたときのこと、3人の男の子の子育てをしながら、3年間盲学校に通い、鍼灸師の資格を取得後、治療院を開業。その後、視覚障害者に情報提供を行なうオンラインの「アイラウンジ」を主宰し、視覚障害者ライフデザイン協会を立ち上げました。
 苦労もありました。群馬での移動に車は必須。同行援護でもガイドヘルパーさんが車を運転して移動します。でも、子供たちの習いごとの送り迎えや部活動の遠征に同行援護は使えません。このままでは、子供たちにやりたいことをさせてあげられない。そこで、久保田さんは市役所にかけあいました。しぶる担当者に向かい、久保田さん、ニコッと笑って「それは、市の公式見解ですか?」。市会議員の力も借りました。とうとう市は、子供の付き添いに同行援護を使うことを認めました。
 久保田さんは、積極的にSNSを活用し、日本各地の視覚障害者や視覚障害に関わる人と友だちになります。毎月1回のアイラウンジでは、視覚障害者にホットな話題を提供しています。今では、参加者を募集するとすぐに定員になってしまう回も珍しくありません。今後は、視覚障害者ライフデザイン協会を法人化し、全国でワークショップなども開催したいと抱負も語ってくれました。
 久保田さんは、積極的にいろんなことにチャレンジします。神戸アイセンター病院と東京医療センターで、自分のRPの原因遺伝子検査もしました。国立リハビリテーションセンター病院に入院して、歩行訓練を中心に生活訓練を受けました。どちらも体験した人からしか聞けない話は、とても興味深いものでした。久保田さんは、歩行訓練を受けたことにより、同行援護を利用せずに、白杖による単独歩行ができるようになったそうです。もちろん、今話題のiPhoneのアプリや家電、「ナビレンズ」、「暗所視支援めがね」、「Ashirase(あしらせ)」の話もありました。
 皆さんの質問も交えながら、アッという間の2時間でした。私は、久保田さんのお話に「どんなときにもニコッと笑って困難を乗り越えていく」しなやかな強さを感じました。そして、「視覚障害をもつみんながしたいことができるように」ということをいつも心がけているそうです。これが、久保田さんのパワーの源かもしれませんね。参加された皆さんはいかがだったでしょうか? 久保田さんの明るい口調とお話にたくさんの元気と勇気をいただいたことと思います。
 最後に、久保田さんから「千葉のおすすめの場所は?」というおたずね。皆さんで九十九里や鴨川などの宿をご紹介しました。
 サロン終了後、久保田さんからメールが届きました。
「今日は楽しい時間をいただきありがとうございました。きちんと構成を練っていなかったもので、話があちこちに飛んでしまい申し訳ありません。だけど、千葉のみなさんと関われたこと楽しい時間でした。九十九里に行く楽しみができました。
 またいつか呼んでください。もっと上手にお話ができるよう精進いたします。久保田」




目次へ戻る次のページへ

All Rights Reserved Copyright (C) JRPS Chiba 2003-2023