あぁるぴぃJRPSちば会報161号


■ 投稿コーナー
★ロービジョン川柳&俳句
担当 中野
 今号の川柳は、見えなくなってきて困ったことを福祉機器や福祉サービス、人々の善意や温かさに守られているという、なんかほっこりするような作品が続きました。俳句はここのところの猛暑に、一息つけるような、涼し気な季語が並びました。様々な季語を教えていただくのも、お勉強になりますよ!
 さて、次は12月号。季語は「秋」、「冬」でお願いいたします。お楽しみに!!

☆ロービジョン川柳
ペンネーム:こもん・かもん
・デイジーは 本好きにとって 救世主
【解説】
 私は本好きだったので、目が見えなくなって本が読めないことがとても残念でした。デイジーを使って音によって本を読むことができ、今とても嬉しく思っています。

・デイジーは ページめくらず 子守唄
【解説】
 デイジーは本と違って、手でページをめくることがないので、聞いているうちについ眠くなってしまい、どこまで行ったか分からなくなります。同じような調子で読んでくれるので、つい居眠りが出てしまいます。

ペンネーム:青色吐息
・誰似なの? 自称「松嶋」 ガイドさん
【解説】
 お世話になっているガイドヘルパーさんは、全く見えなくなってからの出会いである。きっと素敵な方だろうと想像はしていたが、もう少し具体的に知りたくて「芸能人だったら誰に似ているの?」と聞いたところ、迷うことなく「松嶋菜々子」と答えたのである。返す言葉もなく、絶句した。恐るべし同世代!

・同世代 立場越え咲く 世間話
【解説】
 今まで、何人のガイドヘルパーさんにお世話になってきただろう。大抵が同世代で、話が合う。家族や趣味、好きな食べ物、芸能人のゴシップまで。女性同士で同世代となると障害者とガイドさんという立場を簡単に超えて、話に花が咲く。

ペンネーム:千葉のピーナッツ
・声かけで 断る前に ありがとう
【解説】
 ガイドヘルパーさん同行で外出することも多くなりましたが、感が鈍らないように、駅前まではなるべく一人で外出するようにしていますので、時々親切な方に声をかけられます。せっかくの親切なので、甘えるようにしていますがたまには断ることもあります。その際、必ず最初に「ありがとう」の一言を言うように心がけています。

・ゴミ出しで 道に迷って 携帯で
【解説】
 早朝ゴミ出しで50メートルほどの近い距離なので、白杖も持たずに出てしまいました。道に迷い、家にたどり着けなくなってしまい、結局携帯で友人に電話して迎えに来てもらったことがありました。最近では、近所付き合いが希薄になっていると聞いていますが、持つべきものは友人と近所付き合いだと痛感させられました。

☆俳句
ペンネーム:秀坊
・燕の子 風につかまり 初飛行
(つばめのこ かぜにつかまり はつひこう)
【夏の季語】 燕の子
 巣立ちを迎え飛び立とうとする燕の子。ふらふらと翼をばたつかせながら落ちそうになった時、風をつかまえて弧を描くように舞い上がっていく。まるで風をつかまえているようだ。

・自転車押し 語る人生 夕蛍
(じてんしゃおし かたるじんせい ゆうほたる)
【夏の季語】 夕蛍
 車のゴールド免許も返上、田舎暮らしの唯一の交通手段は自転車。自転車もこの目では少し危ない。自転車をゆっくり押しながら歩む人生。

ペンネーム:卯の花
・髪洗う 真空パックの 波の音
【夏の季語】 髪洗う
 海水浴の後、髪を洗っている様子を詠みました。「髪洗う」は、夏の季語です。その昔、涼を求めて人は髪を洗ったので、夏の季語になりました。今では毎日洗うのが当たり前で、夏の季語と言われてもピンときませんね。

・全否定しない 頬杖 ソーダ水
【夏の季語】 ソーダ水
 頬杖をついて話を聞いている。向かい合わせに座って、一対一で話しているのでしょう。頬杖をついて話を聞いている時、だいたいはつまらない時か、話に納得のいかない時。でも、そうではなくて楽しい二人の会話を想像させるのは、最後に季語「ソーダ水」があるから。

問い合わせ先 中野

★リレーエッセイ
◆「ハイジだよ」 ある盲導犬のつぶやき
 出会い

 JRPSちばの皆さんこんにちは、ハイジだよ。皆さんの中にはもうハイジと顔見知りの人もいるよね。皆さんハイジのお話聞いてくれる?

 まず自己紹介するね。名前はハイジ、ラブラドールレトリバーのメス。人間でいうと女子。年齢と体重は秘密。女子だからね。ユーザーのおばちゃんと歩き始めて、もうすぐ6年になるよ。そうそう、お仕事はアイメイト、と言っても普通の人にはわかんないよね。いわゆる「盲導犬」のこと。ハイジが盲導犬になる訓練を受けたのは、アイメイト協会っていうところで、アイメイト協会では盲導犬のことを「アイメイト」っていうんだよ。どっちでもやっていることは同じだけどね。
 今日は、ユーザーであるおばちゃんとの出会いをお話しするね。

 おばちゃんは長い間千葉市に住んでいて、盲学校にお勤めしていたんだって。お家から学校までは全部点字ブロックが敷いてあって、おばちゃんは白杖を使ってバスと電車を乗り継いでお仕事に行っていたんだって。
 その後、お仕事を辞めて、おばちゃんはお父さんとお母さんが住んでいたお家に帰ってきたんだ。実家っていうらしいけど。そこは今まで住んでいたところと違い、道は狭くて曲がりくねっていて、歩道は整備されていないし、その上おばちゃんのお家は路地の奥にあって、一人で白杖を使って歩くのはとっても大変だったんだって。そこで、実家に引っ越すのを機に、ハイジと一緒に歩くようになったんだ。
視覚障害者が盲導犬と歩くためには訓練が必要なんだよ。アイメイト協会では、犬と人は28日間泊まり込みで共同訓練を受けるんだよ。そのときハイジは盲導犬としての訓練を終えているから、主におばちゃんの訓練だね。
 盲導犬と歩くためには、いろいろと学ばなきゃならないことがあるんだ。犬への指示の出し方、犬との歩き方、階段の上り下り、電車の乗り方などなど。犬はユーザーの指示に従って歩くだけなんだ。ちなみに盲導犬の仕事は
@道路の左側を歩く
A障害物をよける
B交差点、曲がり角、段差、階段で止まる
この三つだけなんだ。だからユーザーが自分の頭の中にメンタルマップを描いて、盲導犬に指示を出して歩くんだよ。盲導犬歩行はユーザーと盲導犬の共同作業なんだ。
 ところがさあ、おばちゃんときたら・・・。いわゆる「地図の読めない女」なんだよね。曲がり角まで来てハイジは止まって「さあ、曲がり角だよ、どっちに行くの?」って聞いているのに、
 「ええとー、どっちだっけ?ライト?いや、レフトだったかな・・・。」
こんな感じだから、ハイジは「まじ、このおばちゃん大丈夫?」って不安になったよ。でもユーザーも犬も相手を選ぶことはできないんだ。マッチングは協会がやっているからね。長年の経験からハイジとおばちゃんはいいペアになると思ったんだろうね。まあ、最初はこんな感じでお互いに「大丈夫か?こいつ・・・」って、探り合いをしている感じかな。
 4週間、一緒に歩くことはもちろん、フードから、排泄、ブラッシングやシャンプーまですべて教わるんだよ。なにしろ、アイメイトの世話はすべてユーザーがするんだからね。
 訓練を終えるころになると、最初はボケボケしていたおばちゃんも、指示の出し方が様になってきたよ。でも、盲導犬のユーザーとしてはいまいちかな。これから一緒に歩く中で、お互いの信頼関係を築いていくんだよ。だから、ハイジがおばちゃんをユーザーとして認めるまでにはもうしばらくかかるかな。おばちゃん頑張れ。









★みんなの広場
音に触れる(楽器に触る)                  小出 佳子
 皆さんは、どんな楽器を演奏したことがありますか?小学生の時にハーモニカやリコーダーを演奏された方は多いと思います。その後、部活動などで吹奏楽部に入り管楽器を担当されたり、学生の時にギターやドラム演奏を試みバンドを組まれた方もいらっしゃることでしょう。また今この時に、趣味として全く新しい楽器とおつきあいを始められている方もいらっしゃるかもしれません。
 私はピアノと長い長いおつきあいをしていますが、弦楽器にとても興味がありました。個人の大切なバイオリンをお借りして少し音を出させていただいたとてもありがたい思い出がありますが、オーケストラで低音を支えるチェロやコントラバスには触れたことがありませんでした。「どんな大きさかしら?」「一度鳴らしてみたいなあ。」
 そんな私の願いをかなえてくれたのが第17回企画展「にってんfeel(フィール)ハーモニー −楽器を触る、知る、感じる−」日本点字図書館附属池田輝子記念ふれる博物館の企画展でした。このご案内はちばMLに大野会長が流されているので、ご記憶にある方もいらっしゃるかと思います。触れるだけでなく、音を鳴らすこともできたので、私にとってとても感動的な体験でした。触れたり鳴らしたり、質問したりして、あっという間の1時間でした。中でも印象的だったのはオーケストラの団員を埴輪粘土で手作りしたものでした。
この企画展は毎回企画されている方の心のこもった手作りの品があり、視覚障害者の気持ちによりそったあたたかいものです。今は第18回企画展「琴線に触れる 和楽器の世界」(予約制)が始まっています。詳細は、大野さんが転送されたにってんニュースレター第56号7月1日ちばMLをご参照ください。皆さんも一度訪れてみてはいかがでしょうか。自分を取り巻く世界がちょっとかわるかもしれません。

発行人:特定非営利活動法人障害者団体定期刊行物協会
編集人:公益社団法人日本網膜色素変性症協会
    〒102−0072
    東京都千代田区飯田橋2−4−10 加島ビル3階 本部事務局内
問合せ:千葉県網膜色素変性症協会事務局(JRPSちば)
    会長 大野 真知子
    携帯:090−7014−2241
URL:http://www.jrps.org/chiba/local/index.html


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