あぁるぴぃ千葉県支部だより74号


■投稿■

★山武保健所恒例の患者交流会&講演会の報告

東金市 斉藤 寿美子
 7月28日に行われた、交流会&講演会の参加人数は、32名(東金市10名・山武市 7名・大網白里町7名・九十九里町4名・横芝光町1名・その他3名)でした。
 まずは、山武保健所副センター長 酒井さまから暖かいご挨拶をいただき、保健師の中 島さんの司会で、午前中は、高梨憲司先生(愛光の常務理事)から「震災時の対応、日ご ろの備えについて」のお話を聞きました。
「家の中の災害対策として」
 ・家具の固定や落下防止 ・ガラスなどの飛散防止(フィルムを張る等)
「災害用備え」
 ・すぐに持ち出せるように1箇所にまとめておきましょう。
 飲料水、食料、携帯ラジオ、懐中電灯、予備電池、衣類、保険証および受給者票のコピ ー、軍手、タオル、マスク、スニーカー、ビニール袋、ティッシュペーパー、現金、内服 薬等、治療薬等の一覧表やお薬手帳、簡易トイレ(避難所ではトイレへの移動が困難)、 生理用品など。
 視覚障害者は、白杖の予備や補修できるもの、特に枕元には、白杖、スリッパなど足を 守れるもの、ヘルメット等、頭を守れるもの、水などを入れたペットボトルや水筒、携帯 電話、ラジオを置いておくといいようです。
 日ごろの対策として、地域の避難訓練などへの参加や、ご近所付き合いや、白杖歩行を することで周囲への認知度が違い、助けや理解度が変わる。通学や通勤ルートを、3ルー トくらい避難できる施設など考慮しながら、歩行練習しておく。
 まずは、自分の身は自分で守り、次に「助けて」と声を出して助けを求めることが大切 で、行政に頼るのはその後の支援になる。
 被災地の現状では、だいじなお知らせなどは、張り紙などのため情報不足になっていて、 自宅避難でもやはり情報不足になる。患者団体や障害者団体に加入している場合、代表に 安否連絡すると、支援や情報がもらえるので連絡先を控え連絡を取るなど、自分からも行 動する、とのお話がありました。
 稲垣直子先生からは、「最近の福祉用具と使い方・歩行訓練・白杖訓練の実際」などの お話をしていただき、まだ見える方でも暗い場所でも適用できるのでお勧めしたりしまし た。白杖については、どんどん軽さや強度のよいものが出てくるなと感心し、意見を出す 大切さも感じました。
 昼食と交流会にも、両先生方が参加して、東金市でのパソコン教室などの開催の要望や、 地域ごとのサービスなどの情報交換を楽しみ、皆さん、今年も有意義な時間になったよう です。


★館山城

船橋市 中込 孝一
 今年の一泊交流会&忘年会は、昨年に引き続き館山の海紅豆(かいこうず)に決まりま した。館山には、まだまだ知られざる魅力がいっぱいです。今回は昨年断念した鷹之島公 園と沖ノ島公園を巡り、なんとフェリーで東京湾を横切り久里浜へ渡り、鎌倉散策としゃ れるのです。初冬の海も静かで素敵です。ぜひ、潮の香りをかいで、古都鎌倉を旅しまし ょう。皆さんの参加をお待ちしています。
 以下に、昔旅した館山城について書いてみました。

 師走の夕刻、まどろみから覚めると、車窓に太平洋の落日が飛び込む。海面から岸に向 かいオレンジの道筋が続く。海は漣が立ち、黄金色にきらめきながら、海岸線の老松や廃 屋を赤く染め、『ビューわかしお』のメタリックな車体に反射する。陽が没したころ安房 鴨川に到着。ホテルの同期会に出席し一泊す。
 翌日、九時十六分発の館山行き鈍行に乗車。館山駅前から「伊豆行」バスに乗り、「城 山公園前」で下車。山上に建つ白亜四層の里見義康の居城「館山城」に登る。館内は、里 見氏をモデルとした曲亭馬琴作『南総里見八犬伝』の資料館となっている。
 四階は展望台で、四囲が望め、特に西側の景観は素晴らしく、手前には青緑の絵の具を 流したような静かな水面の「鏡ヶ浦」、遠くには長く横たわる伊豆半島。この島影からひ と際高く突き出した雪一色の富士。しばし欄干にもたれかかり、明鏡止水の境地で、借景 を堪能した。


★愛と哀しみの詩

ペンネーム 梓川 涼
 B・Fの 病重しと 便りあり 昔のページ めくる想いか
 ロケットの 亡夫一緒に 見舞いする 退院できる日 祈りつ辞する
 耳元で 逢いに来たよと ささやけば かすかな反応 笑みを感じつ
 国の罪 体内被曝 六十五年 無言の闘い 悪魔の魔手と
 身を捨てて 走り出しそな 人がいて 心ざわめき 新茶の苦味
 うとうとと まどろみ午後に 香を焚き 初夏の陽射し 斜めに光り
 母の日に 母になれない 我がために 花と新茶 求め抱えて
 カッコウの 声聴き咲きし 水芭蕉 八十八夜 遠き日思い
 今のまま 流れに沿って 生きようと 風の江戸川 四月末日
 せりだした 若葉水面の 色を変え 風と小波 模様を描き
 爪草の 褥を借りし 膝枕 童(わらべ)ならずも 母を想いて
 唐松の 新芽プチプチ出そろいて いつもの細道 緑の木陰
 噴水の 音聞きつつ 薔薇愛でる 香りのアーチ 行ったり来たり
 頂上に 灯り求めて 突き進む 倒れそうでも 人の荷を持ち
 シクラメン 最後の蕾 開花させ 人に人生 散り際教え
 コブシ咲く 緩い坂道 登り詰め 彼岸過ぎての 懺悔の墓参
 眼を伏せて 導きよせし 舟宿へ 不義の海原 遠く波打つ
 春の野火 荒野を燃やし 走り去り 焦げた臭いは 恋の残骸
 悲しみを シャワーで流した 日のことも 今宵静かに 香りを落とし


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