あぁるぴぃ広島 12号


■情報コーナー■

「拡大読書器をご存知ですか?」その2

      (小さいことはいいこと?)
           京都府 森田茂樹

 私,森田の独断と偏見で申し上げると「ちいさいことは良くないこと」なのです。  拡大読書器は私の個人的分類と命名で以下の五つのタイプに分類できます。

(1)据え置き型 =上にテレビを載せて使うタイプで可動(X、Y)テーブルを装 備している。
(2)ポータブル型 =上にテレビは載せられないが通常は据え置き型と同様の使い 方をし、可動(X、Y)テーブルを装備している。
 タイプ名の由来はバラバラに分解して持ち運びが可能であるため。
(3)スキャナ型 =パソコンのマウスを大きくしたかなり小型のアイロンのような 形で、マウス・アイロンのようにカメラ自体を手で持って読む対象物の上を滑らせ て、なぞって使う。可動(X、Y)テーブルは装備していない。
(4)携帯型 =上のポータブル型・下の完全携帯型とまぎらわしいがこちらは基本 的にはカメラとカメラを支えるアームとふんばる脚部のみの構成で電源はAC(交 流)。可動(X、Y)テーブルはオプション。携帯時小さくおりたため、婦人用の折 りたたみ傘くらいの大きさになる。当然より安価。
(5)完全携帯型 =上の携帯型との違いはバッテリー駆動が可能で何らかの形で液 晶モニターを装備又はセット。最近は上面に液晶モニターを装備した横長の四角い箱 型のものがいくつか発売され話題を集めている。オリンピア、AV300など。

 この五つのタイプで可動(X、Y)テーブルを装備しているのは(1)据え置き型 (2)ポータブル型の二つのタイプだけであとの三つのタイプは装備していません。 拡大読書器を使って読み書きを、読書だけではなく読み書きを楽に、眼の疲労を最小 限にして、眼が悪くなる前と殆ど変わらない速さで楽しむ為にはこの可動(X、Y) テーブルが絶対に必要なのです。逆に言えばこの可動(X、Y)テーブルを持たない タイプでは読み書きを、読書だけではなく読み書きを楽に、眼の疲労を最小限にし て、眼が悪くなる前と殆ど変わらない速さで楽しむ事は不可能だと思います。『特に 「書く」ことは、「文章を書くことは」機種によって異なりますが、かなり、大変難 しいか殆ど、全く不可能なのです。』そのかたがせっかく読み書きなどが出来る、又 は楽に出来る能力を持っておられても、ですよ。
 私は先ず一台目にはこの可動(X、Y)テーブルを持つタイプから選ぶべきだと 思っています。家の自分の机の上や会社の自分のデスクの上など多くのかたが一番多 くの量の読み書きなどをそういう決まった場所でしておられます。その上でそれらの 決まった場所を離れて全く別の場所、つまり外出先などでもルーペでは能力が足りず 拡大読書器を必要とするかたが二台目に上の(3),(4),(5)のタイプを考え られるものだと思います。ただもう一つ最初に(3),(4),(5)のタイプから 選ばれる事が理解出来るかたは意欲、年齢、機械に対する強い苦手意識などから拡大 読書器を最小必要限度にしか使わない、使えない(?)かたです。但しご自分の眼の 能力を間違って過少に評価してしまい「どっちみち自分の状態ではたいした事は出来 ない」と思いこんでしまっているかたは別ですが。
 順序が逆になってしまいましたが拡大読書器を選ぶ時タイプで5タイプ、約40機 種もあることに皆さんとまどわれ「一番いい機種はどれだ?」と探されるのですがど れが貴方にとって一番いい機種かは実は貴方にしかわからないのです。一番いい機種 はお一人お一人違うのです。貴方の見え方、貴方のしたいこと、貴方のお部屋の設置 場所・スペースのこと、読書器毎の決して、全く一緒ではない画面の見え方、鮮明 さ、コントラストの明瞭さ、操作のしやすさ、ボタンの触り心地、可動(X、Y) テーブルの軽さ、滑らかさ、読みやすさ書きやすさ等々貴方以外の人には貴方がどう 感じているかどう感じるかわからないのです。括弧つきの専門家や売っている人間に 「どれが一番いい機種ですか」と聞くことがいかに危険なことかおわかりいただける と思います。ご自身がなにをどこまでしたいのかを先ず考えそれを最も使いやすく高 いレベルで答えてくれる機種を探せばいいのです。
 今回のテーマ(拡大読書器選びで)「ちいさいことはいいこと?」はごく一部のか たを除いて「小さいことは良くないこと」なのです。小さく作る為に随分多くのこと を犠牲にしています。先ず「書くこと」をかなり、随分、殆ど、全く困難に又は不可 能にしています。「読むこと」についても近いことが言えます。液晶モニターの画面 も随分小さく見にくくなります。つまり端的にいえば性能、使いやすさを犠牲にして 「小さく」しているのです。本当に外出先などでルーペでは役に立たず拡大読書器が 必要ですか。実は「持って歩きたい」と希望されるかたの目的の多くは銀行、郵便 局、役所の窓口での使用の必要性を口にされます。しかしその多くは預金の引き出し 伝票の記入なのです。これは暗い見えにくい窓口で記入しなければならないものでは なく、いった時ガバッと余分に持って帰って家でゆっくり書けばいいのです。又、名 前だけは代筆できないといわれ、自分で書かなければならないから、ということもよ くいわれますが名前だけなら「サインガイド」(一枚60円?)を使えば事足りま す。つまり「持って歩きたい」というニーズの大半は他の手段であんな「装置」を 持って歩かなくても対応出来てしまうのです。もっともっと柔軟に考えてもっともっ と柔軟に対応出来るのではないでしょうか。
 貴方の今の眼の状態・能力は貴方が考えておられるよりももっともっと高いかも知 れません。くどいようですが貴方にとって「ちいさいことは」さあ、どっち? <その2完>

次回は「私が選ぶベストスリー」をお送りします。



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