あぁるぴぃ広島 54号


■文化コーナー



 【 みちくさ 】                    広島F・A 

待ち時間ってイライラすることもあるんです。
バスを待っている。いつ来るのかな?前のバスが行ってどのくらいになるのだろうか?などと、つい思ってしまいます。
バス停に時刻表はあるもののそれが読めないのです。 更に数十秒の信号待ちでも同じように長いと感じる時があります。
 こんな時の1分は2倍にも3倍にも感じてしまうものです。
 そこで頭を切り換えて、川柳を捻ってみたり、「しきそくぜくう くうそくぜくう(色則是空 空則是空)」などと、はんにゃしんぎょう(般若心経)を唱えてみたりするのです。
別に宗教心が深いというわけではないのですが・・・。
こうすることで雑念の湧く隙間もなくなるんです。
そうしてなんと気がつけば待ち時間が消えてしまっています。
 それにしても待ち時間が長く感じられるというのはなぜでしょうね。


  【サピエから、この一冊】

  書名 目が見えない人は世界をどう見ているのか
   伊藤 亜紗 著・光文社新書
 見えないってどういうことだろう。当事者ではないので判らないことが多いと思います。
そんな時、手に取った1冊の本がアドバイスをくれたようです。 当事者であるわたしたちが読んでも面白いと思います。
見えない・見えにくい人たちが、「視覚障害と付き合っているうちに身に着いたことやまだ使っていない感覚なども文中に出ていると思います。


  【川柳】 〜 白杖カルタ

今回も白杖歩行中のひとコマをお送りいたします。
・ちびっ子が  白杖 指さし  これ なあに
  解説 : 子供って素直なものです。思ったことをすぐに口に出す。中には訊いたらダメよ、と止めようとする母親もいる。お願いですから止めないで欲しい。

・杖は アンテナ バンパー シンボル です
  解説 : 白杖の大切なみっつの役割です。
見えにくくなり始めたらまずシンボルとして活躍してくれることでしょう。

・点ブロの  ない道 大海  ゆくが如し
  解説 : 何も目印のないところを歩くと不安が大きく膨らみます。
幅が1〜2m.ほどの歩道でさえそうなんです。まるで大海にいるようです。杖で何も目印になるものが拾えないと平常心が飛んでいってしまうんです。

・電停は  陸の 孤島か  どこに ある
  解説 : 広島市では路面電車が走っています。
線路は道の中央です。横断歩道を渡って電停へ辿り着くのは至難の技なんです。電車に乗ろうとして何度となくさまよったことか。


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