あぁるぴぃ広島 Vol.6


■情報コーナー■

2 大阪の日本ライトハウスで訓練を受けた方から

@ライトハウスで歩行訓練を受けるまでの思い
 ・視覚障害の原因である病名がRPであり、それにより夜盲症であった事から、秋か ら冬にかけて朝と夜の通勤時において暗い中を歩いて駅から自宅まで行く事につい て、非常な恐怖を持っていました。とにかく、危ないところを自分なりにチェックし てひやひやしながら通勤していました。けれど、いくら注意をしていても雨が降って いたときに見事に浅井どぶに3回ほど追っちゃいましたけどね。(苦笑)

 ・出勤後の会社内での移動については、その頃はスーパーでの食品売り場で販売を していまして、長年の経験とかんでどうにか移動をしていました。けれど、バック ルームなどでのちょっとうすくらい場所では手探りで注意をして行動しないと、ダン ボールにつまずいたり、荷物運搬用のカートにぶつかっちゃう事はたびたびでした。

Aライトハウスでの歩行訓練について

 ・最初は、館内の移動が安全にできるようにするため、指導員とそれぞれの部屋の 位置を一緒に歩きながら、注意しなければ行けないことを聞き、一人で移動しても安 全かを何度もチェックしてもらい、許可が出るまでは一人で館内を歩く事もできませ んでした。

 ・つぎに、歩いて3分くらいの距離にある銭湯までの歩行と銭湯内での移動のため の歩行訓練を受け、これもOKが出るまでは一人では銭湯に行く事は許されませんで した。

 ・つぎに、自宅へ一人で帰ることを想定して、ライトハウスから新幹線に乗るため に新大阪駅の新幹線乗り換え口までの歩行訓練を、時には合いマスクをしてみっちり 受けました。
  そこで重点をおいて教えてもらった事は、それぞれの人の見え方がどうなのか ?、この人はドウいうところで歩行に不安を感じているのかを指導員が確認をしてか ら、それを克服できるように歩行訓練の内容が決まっていきます。
  私の場合は、真下にある白癬や両側のガードレールなどはどうにか確認する事が できるのですが、ちょうど注意をしなければならない中心部の視野が極端に欠損して いるので、少し眺めの白杖で前方を左右にすらせるようにして歩行する事、交差点な どの曲がり角においては車や自転車などが来ていないかを気配や音などでチェックし て素早くわたる事、駅内では、階段の昇り降りでの白杖の使い方、ホームに出てから 電車に乗る時の注意点を徹底的に教えられ、安全に新幹線乗り換え口に行く事ができ るか、チェックされOKが出ないと、一人で帰省する事が許されませんでした。

 ・つぎに、自分が行きたいところを決めて、そこまでの交通機関や目印になる事を 事前に調べて、指導員が少し離れているところから見られながら、目的地に行く事が できるかということについての訓練を受けました。
  その時に大切なのは、事前の調査とその場その場でいかに周りの人に聞くことに よって必要な情報を得ながら、歩行をしていくということです。

 ・最後に、夜盲である私にとってもっとも大変な夜間での歩行が安全にできるか を、日がとっぷり暮れてから、今まで歩いた事のない道路を、指導員に「2番目の交 差点を右に曲がって、左側を歩いて次の信号がある交差点を右に曲がる。・・・。」 と、支持されながら要所、要所で注意しなければならない事を指導され、最後に夜間 に指導員が順路をその場で言って、安全に目的地に着くことができるかをチェックさ れ、歩行訓練は終了しました。

 ・この歩行訓練が終了するまでは、1週間に役8時間の訓練で、5ヶ月くらいかか りました。私の場合は弱視であったから、これくらいの期間で白杖での歩行をマス ターできたのですが、中途障害で全盲の人の場合はやはり倍の8か月位はかかるだろ うと思います。


Bおわりに
 しかし、いくら「訓練を受けて白杖を使うことにより、安全に歩行や移動すること ができるんですよ。」といっても、本心は、「大丈夫かのー。」と、思うのは当然出 し、絶対に安全であるという保障はなく、あとは、気をつけなければならない箇所で は最新の注意を払って、歩行していくしかないんですけどね。
 今の私の視力や視野が、悪くなる事はあっても、良くなる事はないのですから、少 しでも見えているうちにしっかりしろ杖を使って一人で歩けるよう、経験をするしか ないんですよね。



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