巻頭言

「本当に楽しいです。」 広島市  藤原 栄二






私は、職場を退職して2年くらいになります。
最初は出勤前のあわただしさもなく、のんびりコーヒーを飲みながらこんなゆったりかんもいいなあと満足した日々を送ってました。
しかし、時が過ぎていくにつれ、職場の人との人間関係もだんだんと薄くなり、気が付くと一日が終わると、誰とも会話をしていない日が何日もありました。
このような状態が続くと精神的にもよくないと思いました。
そこで、新たな人間関係を作ろうと考えました。
しかし、それは簡単ではありませんでした。
眼が見えないので人の集まるお店やカルチャークラブなどに通うような事が気軽にできません。
それで、以前から思っていたJRPSのMLに参加をさせてもらい小さな一歩から始めることにしました。
最初のML参加の挨拶メールを送ったら何人かの人からの歓迎メールをもらい、覚えてもらっていたんだと思い大変嬉しかったです。
MLに再参加したつながりの中で、楽しみが出来ました。
それは、月2・3回あるオンライン飲み会です。
私も、世間ではそのような飲み会が頻繁に行われている事は知ってました。
私も視角障碍者の集まりのなかでもそんなのがあればいいのになあと思ってました。
ある日、三次の会員さんからライン飲み会のお誘いがありました。
その時私はラインの事がよく分からなかったので、ラインはしていませんでした。
私はどうしてもやってみたかったので、ヘルパーさんにラインのアプリをインストールしてもらう事から始めました。
そこから、いろんな人の手助けで、やっとグループ通話のところまで辿り着きました。
ライン飲み会は、やってみると大変楽しいです。
眼が見えないので想像力がよく働き、ほんとうに4人で目の前のテーブルを囲んで飲んでいるような感じがします。
視覚障碍者にピッタリの飲み会だと思いました。
そのほかに良いと思った事は、お店に行かないので交通費がかからない。外に出ないので怪我の心配がない。家にあるもので飲み食いするので安くすむ。誰の手助けもしてもらわなくてもトイレに行ける。行き帰りの時間がないので、その時間を他の事に使える。 デメリットは、座っていても御馳走は出てきてくれません。
自分で冷蔵庫に行って何か探さなければいけません。
それでも、視覚障碍者にとっては、メリットのほうが大きい気がします。
MLに再参加して本当に良かったと思ってます。

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