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☆ムーミンママの山登り☆

〜〜孫と上高地に行ってきました〜〜

R5年6月

2023年6月、6年ぶりに上高地に行ってきました。

東京の娘の子供、4才になった「穂高」を上高地に連れて行こう、と6月4日(日)、5日(月)に旅の計画を立てました。


神戸から上高地まで新幹線と電車、バスを乗り継いで7時間かかります。

東京からは朝6時の電車に乗って、新宿で特急「あずさ」に乗れば松本9時半、そこから松本電鉄・バスで上高地バスターミナル到着がお昼の12時です。

それならば、神戸からはジージとバーバは前日から松本に行って、朝9時半に松本駅で娘たちと合流しようか、ということになりました。

2か月前から穂高は山用の雨具、靴、そしてドクターイエローのリュックを買ってもらって、準備万端!!
「ぼくの名前のお山に会いに行く!!」とルンルンです。

ところが、6月3日は大きな台風2号であちこち線状降水帯で大雨の後、交通網がめちゃめちゃでした。

朝から新大阪から名古屋まではこだまが一時間に一本、名古屋から東京までの新幹線は運休です。
私たちは新神戸を10時40分のひかりで名古屋に行き、12時発の「しなの」に乗って松本到着。の予定でした。

ニュースを聞いて、早く言ったほうがいい、と朝8時に家を出て、8時50分ののぞみに乗って、立ったまま新大阪に到着、ホームを変えて、こだまに向かったのですが、どのドアも人でいっぱい、「12号車に少し余裕があります。」との放送に走ります。
ようやくデッキに乗れたけど、身動きできないくらいギューギューです。
それでもまだホームには乗れない人がいます。
次のこだまは1時間後です。。。

ドアが閉まり京都・米原・岐阜羽島、とどこの駅にもこだまに乗れない人がいっぱいです。
それなら、1時間に2本でも出したらいいのに・・・・

京都あたりで主人がもぞもぞとザックを下ろして「太ももとわき腹が痙攣始めた」と苦しそうです。
芍薬甘草湯を飲んで、耐えています。
私もザックを下ろして足元に置きます。

立ったまま10時40分にようやく名古屋駅に到着。
名古屋駅はものすごい人、人、人です。

これでは、大阪駅からのこだまを一時間に2本出したら名古屋駅がパンクしそうです。

取り合えず、名古屋に着いたので、一安心。
しなの号は11時からは動いているようなので、私たちの乗車する12時発は大丈夫でしょう。
トイレに行こうかと思ったけどどこも行列です。

乗り換えのホームについて、うなぎ弁当を買って、ベンチでほっと一息です。
娘に電話したら・・・・
ナント、穂高が熱っぽい・・・!
ありゃりゃ、せっかくここまで来たのに・・・・
とにかくおとなしくして、水分しっかり取って、と電話を切りました。

12時発の「しなの」がホームに入ってきたので、予約座席に座り、荷物を網棚に置いて、トイレを済ませてからお弁当を広げました。
うなぎ弁当、わさびも入れて、最後はお茶漬けにして、とっても美味しかったです。
電車は遅れる事も無く無事に松本に到着。

午後3時すぎ、駅前のビジネスホテルに着いて、娘に電話したけど、穂高の熱は38度くらいとのこと。
「バーバ!お山に行きたいよう!!」と電話の向こうで鳴き声です。

取り合えず、今夜の様子で明日の朝また電話する。と娘。

晩御飯は松本駅のスーパーで買ったお寿司とおつまみ、ビールです。

穂高の熱が下がりますように・・・と願いながら早めに就寝。

朝5時半に娘から電話です。
「あかん、まだ38度あるわ。」

「バーバ バーバ お山に行きたい!!」と泣いてます。。。。

娘と相談して、もし今日中に熱が下がったら明日一日遅れで上高地に行く。という事で穂高もしぶしぶ納得したようです。
「今日はどこにも行かずにお家でおとなしくしてるんだよ。」と娘に言われて「わかった。」と穂高。

7時にホテルの朝ご飯を食べて、8時前に今日宿泊予定の徳沢園に事情を話して宿泊人数の変更を伝えました。
予定通り松本駅に行き松本電鉄に乗って新島々へ、そこからバスに乗って上高地バスターミナルに向かいます。

とってもいいお天気です。
そして、観光客もいっぱいです。

河童橋を渡って、岩魚蕎麦を食べ、靴紐を結びなおして明神館の方に向かいます。
気持ちのいい風と小鳥のさえずり、・・・
あーー穂高とこの道を歩きたかったなぁ。

約1時間で、明神館の前に到着。
そこから穂高神社で「明日穂高が来れますように!」と手を合わせます。

いつもはこの近くの嘉門次小屋の岩魚の塩焼きを食べるのですが、今日は我慢して、「明日穂高と食べられますように」と願掛けです。

明神館の前でソフトクリームを食べてちょっと休憩。
この明神館の前の公衆トイレ、以前はメチャ汚くて臭いぼっとん便所でした。
ところが6年ぶりに来たら、ナントきれいな水洗トイレになっています。
しかも一つだけですが、洋式もあります。
これは外国の登山者が増えて山のトイレにクレームを付けたおかげのようです。

「すごい!」と感激していたら、隣にいたおばさんは「もっと洋式を作ったらいいのに。」とぼやいています。。。


そして、今夜のお宿、徳沢園に向かいます。

約2時間ゆっくい歩いていきました。

徳沢園の前のキャンプ場のトイレもぼっとん便所から水洗の様式に変わっています。

徳沢園に到着して、チェックインをすませます。
大人4人と子供1人で個室を予約していたのが、大人2人使用に変更ですが、キャンセルフィーは取らず一人2千円のUpだけで良いとの事。
ここは山小屋なので、部屋にお風呂もトイレも洗面台もありません。

私が、娘がいないので、一人でお風呂場まで行けないが、もし、できればお手すきの時にお風呂の脱衣所までの送迎を頼めないか、と聞いたところ、快く、「いつでも大丈夫ですよ。」とのうれしいお返事です。

では、部屋に荷物を置いたらお願いします。と部屋に案内してもらいました。
女性のスタッフの方がお迎えに来てくれて、お風呂場まで連れて行ってくれました。
脱衣所に入り、浴室に一番近いところの棚の籠に鈴の付いた杖の先を出しておいて目印にしました。
ソックスを脱いで浴室の中も案内してもらいます。
脱衣棚のすぐ前の壁に沿って少し歩くとすぐに浴室の扉があり、中に入るととてもコンパクトな作り、正面が湯船、左に洗い場がありました。
洗い場の一番端っこでシャンプー、リンスを教えてもらってシャンプーに輪ゴムをかけておきます。
一人おばさんが入っていて、「私が手伝ってあげるよ。」と言ってくれます。
「ありがとうございます。」と脱衣所に戻って服を脱いで、細い杖を持って浴室に入りました。先に入っていたおばさんが私が目印を付けたシャンプーのところまで誘導してくれました。
髪を洗い、身体も洗って湯船に浸かります。
先に入っていたおばさんがこっちこっちと声をかけてくれます。
「あーーいい気持ち」手も足も延ばしていっぱい歩いたからだがほぐれていくのを感じます。

しばらくすると4,5人入ってきました。
先に入っていたおばさんが、「この人、目が見えないから教えてあげてね。」と言って浴室から出ていきました。
4,5人のおばさんたちは関西弁です。

「関西の方ですか?」と聞くと大阪からで昨日から2泊目との事。
昨日って、大阪からこだまが一時間に1本の・・・と言うと、どうやら同じ頃のこだまで来たようです。11時発の「しなの」に乗ってきた、と言ってます。
私たちは松本で一泊したけど、おばさんたちはそのまま松本電鉄、バスと乗り継いで上高地に入ったとの事。
「大変だったよねぇ〜〜」と話がはずみます。

お風呂から出て、服を着て居たらスタッフのお姉さんが迎えに来てくれました。

2階の部屋まで誘導してもらいながら、トイレの場所も教えてもらいました。
ここは継ぎ足し継ぎ足しの山小屋なので、段差がいっぱいです。

部屋に戻ってしばらくするとフロントのお兄さんがやってきました。
「今、1階の洋室が一部屋空いています。
トイレもすぐ近くなので、良かったらそちらに変わられませんか?料金はそのままで結構です。」との事。

それはありがたい、と荷物をまとめて1階に移動しました。

部屋にはベッド、テーブルと椅子、洗面台も付いています。ラッキー!

しばらくするとスタッフのお姉さんが「トイレに案内しますね。」と来てくれました。
トイレは斜め右の方向にあるそうです。
ドアを出て右に壁に沿って進み二つ目のドアのところで、廊下を直角に横切ると足元にマット、顔にノレンが当たります。そのまま前に5,6歩ほど進むとまたマットがあり、トイレの入り口、スノコがあって、スリッパを履き替えて左手を壁に当てるとトイレの個室のドアです。
洋式のトイレが二つ並んでいて、ナント!水が自動で流れます!
6年前に来た時は確かレバーだったような・・・・
個室を出ると正面が手洗いです。手を洗って右斜め後方に戻るとスノコに当たり、トイレの出口がわかりました。
「すごい!これなら一人でトイレに行けます。」と私が言ったら、「1回で大丈夫ですか?」とお姉さん。「はい、覚えました。」と私。「すごい。」と褒めてもらいました。(笑)

おかげで主人の手を煩わせることなく一人でトイレも行けました。
部屋に戻ると、主人が「部屋に冷蔵庫があって、ジュース、ビール、ワインも冷えてて、ご自由に、と書いてある。そこに部屋の料金表があって、ナント!この部屋は和室の個室の1,7倍の料金でした!
徳沢園さんの神対応に感謝です。

申し訳なくて、冷蔵庫のドリンクは飲めません。(^^;

そして、夕食の時間です。
席は横並びにしてくれています。

これまで、大部屋はステーキ、個室は山菜の天ぷらでした。
いつもステーキがいいなぁ。と思っていたのですが、ナント!メニューにステーキもあるとの事!
サラダ、スープの次に20センチくらいの岩魚の塩焼きが出ました。
頭からしっぽまで食べられます。メチャ美味しい!!
次にステーキ!これも柔らかくてとってもジューシーです。
そして、カラッと揚がった山菜の天ぷら、手作り豆腐、デザートはブルーベリーのケーキです。

お腹いっぱい大満足でした。

部屋に戻って娘に電話したら「いいなぁ〜〜食べたぁい!!」
穂高の熱も下がって、たぶん明日合流できそう。との事。

今夜も早めに就寝です。

翌朝朝食を食べて、7時頃に電話したら、「今からあずさに乗るところ、バーバ、お山に行くからね!!」ヤッタァ!!

ゆっくり、と言っても山小屋なので、8時すぎにはチェックアウトです。
思いがけず豪華なお部屋に泊めていただいたこと、岩魚の塩焼き、ステーキもとっても美味しかったことなどをフロントのお兄さんに話して、お礼を言うと「是非娘さんと一緒にまた来てください。」と言ってくれました。
今夜のお宿はバスターミナルの近くの西糸屋山荘です。
取り合えず、明神館まで戻ろうか、とゆっくりあちこち散策しながら戻ります。
でも、11時前には明神館に着いていました。
バスが着くのは12時です。
迎えに行く?でも穂高神社と嘉門次小屋で岩魚の塩焼きを食べるんなら、ここで待ってようか、と明神館の前のテラスで日向ぼっこです。

月曜の上高地、中国語、韓国語、英語、ドイツ語・・・・日本語はほとんど聞こえてきません。
ポカポカいいお天気です。

マスクをして山道を歩くのはしんどいので、マスクを外して歩いたんだけど、うっかり口紅を持って来るのを忘れてた。(^^;
おかげで唇がガサガサ、ヒリヒリです。


12時過ぎに娘から電話が入り、「着いたけど、先に西糸屋に荷物を置いてから行くわ。」って。
お腹空いたから先に食べとこ。と主人は明神館に入ります。
二人で天ぷらそばを食べて・・・・
またまた日向ぼっこです。。。

ようやく 2時前に穂高到着です。
「バーバ!」と抱き着いてきます。
「ジージ!」とジージにも抱き着いています。

良かった、良かった。
つり橋を渡って、穂高神社にお参りして、穂高が無事に来られたことにお礼を言って、嘉門次小屋で岩魚の塩焼きです。
ここの塩焼きは15cmくらいで頭から尻尾まで食べられます。
生ビールも頼んで乾杯!

穂高は大好きなざるそばも食べてゴキゲンです。

つり橋を揺らしながら渡り、山道を河童橋まで戻ります。
穂高は「疲れた」ととうちゃんに抱っこをせがんでいます。
「バーバと手をつないで歩けば?」と娘に言われて、「バーバ、一緒に歩こう」と私の杖を持って歩こうとします。
「ちょっと待って」と杖を短く持って、穂高に私の指先を握らせて、「これで歩こう。」と歩き始めました。
ジージとバーバと穂高の3人で並んで歩きます。
デコボコしてたり、木の根っこがあったり・・・穂高はピョンピョン跳ねながら歩きます。
ちょっと歩きにくいけど・・・・まぁ、しゃあないか。(^^;

ようやく河童橋に到着です。

ここで娘たちはおみやげを見て回ります。
月曜日なのに人がいっぱい。やっぱり外人さんが多いみたいです。

そして、今夜のお宿、西糸屋山荘に到着です。
ここはホテルと山小屋が隣同士です。
ホテルのほうはちょっと高いけど、部屋にトイレのある部屋もあるし、料理も豪華なんだけど、今回はいっぱいだったので、山小屋です。
山小屋の方はガラガラでした。
階段を上がって二階の部屋に入ると左右に二段ベッド、奥に畳の部屋があります。

先にお風呂に入ろう。
みんなで渡り廊下を通って本館のお風呂に向かいます。
ジージととーちゃんと穂高は男湯に。私と娘は女湯に。
ここのお風呂は窓から穂高連峰が見えてるそうです。
あーーいい気持ち。

お風呂から上がって部屋に戻ると、畳の部屋のテーブルにおやつやおつまみを広げてジージはもう宴会モードです。

あまり食べるとご飯が食べられなくなるよ。と言いながらおつまみをちょいちょいつまんでいます。

晩御飯は食堂に行って、またまた生ビールで乾杯!

食後に本館の1階の喫茶室に行きました。
ここはコーヒー、紅茶がセルフで入れてフリーです。
窓に向かってぐるりとテーブルがあり、梓川を眺めながらコーヒーが飲めます。

部屋に戻って左右の二段ベッドはジージととーちゃん。
和室に布団を敷いて、バーバとかーちゃんの間に穂高が寝る事になりました。


明日の朝は早く起きてお散歩しよう。と寝ようとするのですが、穂高はいっぱいおしゃべりしたくって、なかなか眠れません。

ジージととーちゃんのいびきが聞こえてきました。

穂高もようやく寝たようです。

翌朝6時に起きて朝の散歩、朝の上高地はメチャ冷えています。
セーターの上にシャツも重ねて外に出ます。

大正池のほうに歩いていきます。小鳥の声、梓川の川の流れの音・・・ひんやり空気が気持ちいい。

1時間ほどお散歩して戻り、朝ご飯を食べて、また本館の喫茶コーナーでコーヒータイム。
新緑と梓川がキラキラ光ってとってもきれい!と娘が言ってます。

チェックアウトして、またおみやげを見て、バスターミナルに向かいます。

バスに乗って、松本電鉄「新島々駅から電車に乗って松本駅に到着。
ここで穂高たちは「あずさ」で東京に、ジージとバーバは「しなの」に乗って名古屋にと、ここでバイバイです。
ところが、「しなの」が朝長野駅でトラブルがあったようで、運休?遅れ?とか・・・
駅員さんに状況を聞きに行くと、私たちの乗る電車は予定通り運航との事。
あー良かった。と駅を出てみんなでお昼ご飯を食べて、また駅に戻ってバイバイです。

「しなの」が時間通り駅に入ってきました。
あれ?先に出ていたはずの「あずさ」はまだホームにいるそうです。
遅れているのかな?と娘に電話したら「遅れてる。」って。
私たちも「しなの」に乗って、荷物を置いて、向かいの「あずさ」を見たら、丁度前に穂高が座ってるって。
電話をかけて手を振りました。
どっちが先に出るかな?と待っていたら「あずさ」が先に出発です。「バイバーイ!」と手を振ります。
ところが「しなの」は予定時間になってもまだ動きません。2分遅れて発射です。
途中で盛り返してくれるかな・・・と思っていたら、前の電車が詰まっているとの事でどんどん遅れていきます。
名古屋で新幹線に乗り換え時間は9分です。。。
名古屋駅に到着した時は乗り換え時間は2分になっていました。

取り合えずホームに向かいます。
ホームに着いたら丁度新幹線のドアが閉まるとこ・・・・・(TT)
仕方が無いので、次ののぞみに乗りました。
今回はとことん新幹線と相性が悪いみたいです。
自由席もいっぱいのようだったので、デッキにいると、私の白杖を見て、「席ありますよ。」と男性が声をかけてくれました。
その方が別の席に移られて、私と主人に席を譲ってくれました。
ありがとうございます。とお礼を言って座らせてもらいました。

今回の旅はトラブルもいっぱいだったけど、優しい人にもいっぱい出会えた旅でした。

おしまい。