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その3(最終回)−具体的な運動−

国立神戸視力障害センター
厚生労働教官 細川 健一郎 先生

 健康を維持・増進するために運動は欠くことのできないものであることは、もうお分かりですね。しかし、運動のやりすぎは逆に健康を損なう危険があります。それでは、1日どれくらい運動をすれば良いのでしょうか。

 1日300Kcalを運動で消費すると良いといわれています。これをできれば毎日、少なくとも2日に1回は行うことが健康を保持・増進するためには必要です。

 300Kcalを消費する運動とは、具体的にはどんなものでしょうか。よく「1日に1万歩を目標にあるきましょう!」といいます。この1万歩は300Kcalを消費する運動にあたります。その他に以下のものが300Kcalを消費する運動の目安です。

 歩行 90分(1万歩)

 速歩 60分

 ジョギング 40分

 自転車こぎ 60分

 ボウリング 9ゲーム

 1日に90分もまとまった時間をとって歩くのは大変と考えている方も多いのではないでしょうか。まとまった時間が取れない忙しい方へ・・・運動は細切れにして実施しても健康に与える影響はそれほど変わらないことがわかっています。

しかし、1回の運動時間が15分を下回らないことが必要です。例えば、歩行であれば、朝40分、昼休みに20分、夜30分のように分けて実施する場合と、1回に90分歩きつづけた場合とは健康に与える影響は変わらないんですね。

 短距離走のような激しい運動をすれば、それだけ早くエネルギーを消費するため、短時間の運動で済みそうですね。しかし、激しい運動は身体の負担を大きくし、「突然死」などの運動によるマイナス要素を引き起こす可能性が高いのです。運動をしている時に「楽だな」「これなら長い時間続けられそうだな」と感じるものが適度な強さといえます。「きつい」「しんどくてやめたい」と感じるような運動は強すぎるんですね。特に普段、運動をしていない人はゆっくりとした運動、自分で運動量の調整のしやすいもの(ボールを使った運動、複数の人と一緒にする運動は運動量の調整が難しいといえます)を選ぶ必要があります。

 授業や講演でよく言うことがあります。「運動は3日坊主で良い」です。運動で一番難しいのは「継続すること」だと思います。強い意志をもって運動をはじめても、途中で止めてしまった人を多く見ています。「続かなかった」から「失敗」と考えるより、もっと楽な気持ちで運動をはじめることが大切だと思います。天気の良い日、ちょっと散歩してみたい気分の日に思い切って運動をはじめてはいかがでしょうか。

  以上

1 肥満解消のための運動

☆兵庫県網膜色素変性症協会よりお知らせ
細川先生は、この文の内容、及び、視覚障害者の健康・スポーツなどについてご質問にお答えいただけるとの事です。
細川先生への質問メールは兵庫県網膜色素変性症協会までお願いします。

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