[11月の課題]
〜堺番傘川柳会の柳誌『ちぬ』へ投稿〜
私が毎月の句会に参加している堺番傘川柳会から依頼があり、柳誌『ちぬ』(20
26年6月号)の「散歩道」に次の一文を投稿しました。
これは「もやい傘」2024年6月号の「日本一短い手紙と世界一短い手紙」を大
幅に加筆・修正して800字程度にまとめたものです。皆さんもご賞味ください。
■忙しいから短い手紙は書けません
「もやい傘」代表 山本 進
簡にして要を得た日本一短い手紙として有名な、「一筆啓上 火の用心 お仙泣か
すな 馬肥やせ」は、短い手紙の手本とされる。これは、徳川家康の家来・本多作左
衛門重次が長篠の戦い(1575年)の陣中から妻に送ったものである。因みに、この文
中の「お仙」が越前丸岡藩四万石の初代藩主・本多成重であったことから、丸岡町(
現・坂井市)の町興しとして平成5年(1993年)から、「一筆啓上賞」(日本一短い
手紙)が公募されている。
世界一短い手紙としては、フランスのビクトル・ユゴー(Victor Marie Hugo 1802
〜1885 詩人・小説家・劇作家)が、『レ・ミゼラブル』(Les Miserables ああ無情
)を出版した時に編集者に送った手紙の「?」とされている。「反響は?」と尋ねた
のに対し、編集者もさる者で、返信はこれも「!」の一字。「すごい!」であった。
ところで、「パスカルの原理」を発見したフランスのBlaise Pascal(1623〜1662
数学者・物理学者・思想家)はこんな逆説を述べている。「私は今忙しいから短い手
紙は書けません」。「よく考えて簡潔な分かりやすい短い手紙を書こうとすればする
ほど長い時間がかかる」という意味である。けだし、言い得て妙である。
パスカルの逆説ではないが、金はないが暇ならたっぷりある老人には、簡にして要
を得た短い手紙は書けるかもしれない。
私たちは五七五の短詩形文芸の川柳を趣味としている。言葉を削りに削って、 磨
きに磨いて一句に思いを凝縮させる。たった一七音なのに時間がかかる。しかし、時
間はかかっても練りに練って一読明解な川柳を物にしたいものである。
それでは、例によって上記の中から出題します。
■2026年11月(No.184)
題:「尋ねる」 (進 選)
題:「散歩」 (美幸 一心 共選)
題:「長い」 (弘 選)
題:「送る」 (すゑ子 選)
題:自由吟 (航太郎 選)
(各題2句出し)
◎今月の締切:11月24日(火) 正午必着
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