第23回「ロービジョン研修会」 開催報告

主催:島根ビジョンネットワーク

当事者団体 山陰網膜色素変性症協会 矢野美和子

7月9日(日)10時~12時30分に島根ライトハウス ライトハウスライブラリー2階交流室で、第23回ロービジョン研修会が開催されました。参加者は患者・家族、医療、福祉、関係者等で38名、スタッフを入れて合計45名でした。今回は「メンタルヘルスケアを考える」という開催テーマで、心の健康について考える研修会で、司会進行は矢野健会長でした。

講演1では、北海道在住の福場将太先生に「見えない・見えにくい当事者の心理的課題~現状をどう受け入れて、未来をどこに見つけるか~」という演題でリモートにて講演をしていただきました。福場先生は精神科医であり網膜色素変性症の当事者です。ご自分の目の状態や進行状況の体験、また、精神科医の立場として心理的な状態や変化等のお話を分かりやすく解説していただきました。中でも、誰かに迷惑をかけているかもしれないが、誰かの役に立ちたいというお互い様の気持ちを大事にして欲しいということが心に残りました。最後にまとめとして、やさしい想像力についてお話していただき、相手に対して思いやりの気持ちが大事だというお話でした。

講演2では、日本音楽療法学会認定音楽療法士のの小林恵子先生に「音楽」の力について」という演題でトークとバイオリン演奏をしていただき、稲毛麻紀先生にはピアノ伴奏をしていただきました。バイオリンの音が耳から入り脳を刺激して、音の波が肌を通して全身の細胞にまで到達して、リラックスできる癒しの時間を過ごすことができました。会場全体が感動の渦に巻き込まれているように感じました。

後半では、参加者から福場先生への質問もあり丁寧にお答えいただきました。また、講演の感想も多くの方からありました。

ここから講師プロフィールです。

・福場将太氏
網膜色素変性症当事者、医療法人風のすずらん会 精神科医、視覚障害をもつ医療従事者の会 ゆいまーる 幹事、公益社団法人NEXT VISION 理事

・小林圭子氏
日本音楽療法学会認定音楽療法士(鳥取県内4名)。神経難病の在宅療養児者や終末期の患者に対して質の高い音楽を自宅に届ける「音楽」の宅配便♪を事業とするミュージック・オフィス♪DoReMi代表。

※音楽療法とは
音や音楽を通して乳幼児から高齢者・障がい児者などの心身のサポート・機能回復や維持・生活の質の向上や痛みの緩和などを促す。

「ロービジョン研修会」及び「島根ビジョンネットワーク」について
「ロービジョン研修会」は、見えにくさ(ロービジョン)に関する理解啓発や関係者の連携促進、及び情報提供を目的に、2013(平成25年)より年3回開催しています。

<「島根ビジョンネットワーク」について>
「島根ビジョンネットワーク」は、見ることに不自由を持つ方の支援と関係機関や団体の連携を目指し設立しました。現在の構成団体は次の通りです(順不同)。

医療:島根県眼科医会・島根県視能訓練士会・島根大学医学部附属病院眼科ロービジョン外来
教育:島根県立盲学校
当事者団体:島根県視覚障害者福祉協会・山陰網膜色素変性症協会
福祉:ライトハウスライブラリー・島根県西部視聴覚障害者情報センター・日本盲導犬協会島根あさひ訓練センター
その他:有志等

ここから写真が4枚あります。


  • 司会進行をしている矢野健さん

  • バイオリン演奏をしている小林さんとピアノ伴奏をしている稲毛さん

  • 閉会のあいさつをしている野田先生

  • 研修会が行われている会場の様子

(写真説明はここまで)

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