会報誌ビッグスワン第58号より <巻頭言> 年頭のあいさつ

山陰網膜色素変性症協会(JRPS山陰) 会長 矢野健

皆様、謹んで 初春のお喜びを申し上げます。

昨年より、猛威を振るった新型コロナウイルス感染症が5類相当に位置づけられ、当協会の活動も対面でのイベント開催も多くなりました。本年は、より一層の活動をして行きたいと思っておりますので、皆様には、どうぞご支援ご協力頂きますようお願い申し上げます。

さて、今年は、十二支の5番目の辰年です。辰年は陽の気が動いて万物が振動するので、活力旺盛になって大きく成長し、形が整う年だと言われています。

また、たつ(竜、龍)は十二支の中で唯一空想上の生き物で、権力や隆盛の象徴であることから、出世や権力に大きく関わる年と言われています。

がんばっているのに満たされない。「努力は必ず報われる」という言葉があります。学校の授業か何かで聞いた気がするという人もいれば、日本の大リーグ野球選手大谷翔平さんをはじめ、何かを成し遂げた人たちのインタビューで聞いたことがあるという人もいるかもしれませんね。成功者がこの言葉を語ることが多いせいか、「必ず報われる=必ず結果が出る」と捉えてしまいがちですが、「報われる=結果」とは限りません。さらには何をもって報われたと感じるかは、人それぞれ違います。

たとえば、報われるという意味が努力によって知識や経験が得られることだとするなら、努力すれば必ず報われると言ってもいいでしょう。努力したということは、努力する前と比べて得たものがあるはずだからです。でも、報われるという意味が何かしらの良い結果を得ることだとすれば、必ず報われるとは限りません。受験や試験のように、努力しても思ったような結果が出ないことはあります。がんばっても認めてもらえなかったり、がんばっても受け入れてもらえなかったり、がんばったのに結果が出ないことに落ち込むこともあるかもしれません。自分1人の問題ではなく、複数の人が関係するような場合は特にそうです。たとえば、オリンピックには努力を重ねた選手が各国から参加していますが、すべての人がメダルを取れるわけではありません。

「努力すれば必ず報われる」という言葉にあなたが勇気をもらえるならば、努力を重ねるのもいいでしょう。勇気をもらえるということは、あなたががんばるために背中を後押ししてくれる言葉だということ。「これをがんばりたい!」というあなたの本音に沿った言葉だということだからです。自分の気持ちを後押ししてくれるような言葉は、どんどん取り入れるべきです。

目が見えにくくなると私たちは、さまざまな補助器具を初体験し、リハビリケーションに努力します。この時に、器具の操作方法が分からないと言って努力する人としない人では、これからの生活の質(QOL)の向上に大きな差がでてきます。年頭に当たり、目標を決めて自分の殻を破っていただきたいと思います。すべては、自分の為です。

最後に辰年にちなんだ四文字熟語で、辰心功成をお伝えします。

辰のように勢いだった心はきっと成功を収めるという意味です。

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