ライトハウスライブラリー「ホームの安全勉強会」2012年12月16日

【しまねボイスネットの書き込みより】

ライトハウスライブラリー 庄司です。みなさん、こんにちは。

昨日開催した「ホームの安全勉強会」、視覚障害当事者のかた7名、JRや一畑電車のかたが10名、その他、ボランティアでの手引きや、見学のかたなど含めて約20名の参加を頂きました。選挙等でお忙しい中、本当にありがとうございました。

全体は2部構成としました。前半は、もう使われなくなった 旧JR大社駅を使って、実際のホームの高さを体験したり、主要駅の線路脇にある退避スペースがどんなものか、線路上で逃げるときにはどんな場所や方向に行けばよいのかなどについて、JRや一畑電車の担当者さんから説明頂きました。

後半は場所を吉兆館の会議室に移し、ライブラリーからホームの安全設備や視覚障害者の歩行に関する現状をお話しした後、経験者のお話、JRや一畑電車さんから の現状の説明、そしてそのあと意見交換という形で進めさせて頂きました。

今回は、利用者側から単に鉄道会社さんへ意見をするというのではなく、鉄道会社さんには利用者の現状やできることの限界を、また利用する側にも、鉄道会社の取り組みや、現状できることできないことを知った上で、私たちのような訓練やサポートする立場の人も交えて、コミュニケーションをとりながら、ホームがより安全になるようなアイデアを出し、お願いしないといけないことはお願いする、利用者側にできることも考える、というような会になればと思っていました。

実際のところ、形式ばった会議では出て来ない、普段利用されていたり体験されているからこそのコメントや意見が多数あり、それが、鉄道会社さんからのコメントを引き出していたように思いました。

と同時に、利用する視覚障害者も、自分のできる範囲で自分の身を守ろうとすることも大切だなと思いました。

具体的には、白杖の使いかたを含めて、ホームを歩く技術を上げることもありますが、それだけでなく、経験されたかたの意見にもありましたが、自分ひとりでがんばるだけでなく、まわりの人や駅の職員さんを上手に使うことも、また自分の身を守る事になりますね。

とはいっても、例えば誰もいない無人駅などでは、誰かに手伝ってもらうわけにもいかず、ましてや何かのときに助けてくれる人がいない場合もあるので、大きな問題だなと思っています。

実際、無人駅がもより駅というかたもおられますもんね。

もちろん無人駅に人が配置されればいちばんですし、そうなればと思いますが、現実としてそれは難しいと昨日もおっしゃっておられます。

Mさんも書いておられましたが、この点に関しては、100パーセントの解決にならなくても、色々アイデアを出し合うと、ちょっとでも改善できるものが出てきそうだなと昨日のやりとりを見ていて思いました。実際昨日も、実現できるできないはさておき、色々アイデアが出てましたもんね。

長くなりましたが、好評であれば、またこのようなイベントをしたいと思っています。

ご参加頂いたみなさん、ありがとうございました。

大変お世話になりました。おかげさまで、いい会となりました。

「ホームの安全勉強会」に参加して

宇都宮大学名誉教授 鎌田 一雄

昨年12月16日(日)に、ライトハウスライブラリー、島根県視覚障害者福祉協会、JR西日本松江駅、出雲市駅、および一畑電車の皆さんによって実施された「ホームの安全勉強会」に参加しました。

これまでに、視覚に障害がある人たちへの支援に関連した検討を行ったこともありますが、実際にホームから線路におりて視覚に障害がある方々と一緒に話をする機会はありませんでした。

今回の勉強会に参加して、いろいろ考えさせられることもたくさんありました。勉強会に参加して感じたこと、考えたことなどをいくつか述べさせて頂きます。

勉強会では、最初に旧JR大社駅で、ホームから線路におりてホームの高さ、緊急時の退避スペースなどの話をJR西日本、一畑電車の方々から聞きながら、ホームと線路の状況を体験しました。

旧JR大社駅のホームの高さは、いまのホームよりも低いということでした。

線路からホームへ一人で上ることは、通常の人にとっても非常に難しいことが良くわかりました。線路での退避方法についても説明がありました。確実な方法は、ホーム下にある退避スペースの利用だということでした。ホーム反対側のスペースへの退避についても説明がありました。

線路に身体を伏せる方法も話題になりましたが、これは列車の底の高さが十分にない場合もあるので、危険性が高いということでした。

ホームから転落したとき、 視覚に障害がある人は、周りの状況を把握することは非常に困難です。たぶん不可能でしょう。

このような状況で、ホーム下の退避スペースへ移動する、ホーム反対側の軌道間のスペースへ避難するなど、晴眼者にとっては想像できる避難方法であっても、視覚に障害がある人たちにとっては、実行が難しいと思いました。

やはり、ホームから転落しない方策を十分に考えなければならないと認識しました。

旧JR大社駅での体験のあと、吉兆館へ移動しました。

吉兆館では、当事者の体験談、鉄道会社の取り組み、駅歩行のワンポイント紹介がありました。

また、現在、設置が進められているホームドア等の説明もありました。

ホーム転落の経験をお持ちの方々の話を、今回、初めて聞きました。

転落防止は個人だけの問題ではないことが良くわかりました。

視覚に障害がある人たちのホームからの転落等の体験比率は、通常の人たちと比べて非常に高いことが知られています。

ホームドア等の整備が大都市では進められていますが、全国すべての駅ホームの整備には経費も時間もかかります。

ホーム安全の検討では、物理的な対応策と並行して人的サポート、ソフト面の対応の重要さが指摘されています。勉強会では、会社の方々から取り組みについての説明がありました。それぞれの立場で、努力されていることが良くわかりました。

今後、情報通信サービスと人的なサポートとを組み合わせた総合的な支援体制で、より細やかなサポートと安全対策がとれるように改善できる可能性があると考えます。

しかし、画一的な対応策ではなく、当事者や地域の状況に応じた柔軟な安全体制づくりのための検討が、安全で安心できる環境整備には必須であると感じました。

なお、無人駅の安全、安心対策は、地域的な要請の一つであると思います。

ところで、ホームの安全対策は、単に駅を利用する人の安全を保障するだけではないと考えます。

利用者にとって安全な駅は、新たな鉄道利用者(外出者)を誘発する効果もあります。

視覚に障害がある人たち、あるいはいろいろな障害がある人たちだけではなく、高齢な人たちなどの外出も増加するでしょう。

外出は健康の維持にも重要でしょうから、みんなの健康にも役立つと考えます。

今回の勉強会では、当事者から多くの意見、要望が出ました。

JR西日本松江駅、出雲市駅、および一畑電車の方々の姿勢は、非常に前向きであったと感じました。意見交換は、十分に満足できるものであったと考えています。会社の方々の姿勢に、敬意を表します。

是非、ライトハウスライブラリーさんには、今回のような勉強会を継続的に企画して頂きたいと思います。関係者がみんなで一緒に考える場が、より良いものを作り上げるには絶対に必要です。

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