あぁるぴぃ千葉県支部だより18号


■あるある私の失敗談−3■

濱田 廣行
 私は時々日常の買い物をする時に、一人でスーパーマーケットに行くことがあります。いつも行き慣れたスーパーは、自分の買いたいものがどこにあるか分かっていて、店の様子も分かっているので問題ありません。しかし、たまにしか行かないスーパーでは何がどこにあるか分からず、戸惑ってしまうことがあります。
 その日はあまり行き慣れていないスーパーでしたが、何とか欲しいものを探し出して、無事にレジも済ませました。買ったものをリュックに詰めて、帰ろうとした時ふと前を見ると、白杖を持った人がいるのに気付きました。白杖を持った人に会うことはめったにないので、いつも私はどんな人だろうと興味を持ってしまいます。どのくらい見えるのだろうか、歩行訓練はちゃんと受けているのだろうか、一人で大丈夫だろうか、どこに行くのだろうか、などと考えながらその人を見ていました。そしてその人の顔をよく見ていたら、どこかで会ったような顔だなと思い、はて、だれだろう?と思った次の瞬間、あっ!これは自分だ。えっ、どうして?そう、それは自分が写った鏡だったのです。視線を変えて見ると、柱の正面に人の高さくらいまである、大きな鏡が取り付けてあったのです。
 当然のことですが、私はそれまで自分自身を他人だと思って見たことはありませんでした。しかし、今回初めて第三者の目で自分自身を全くの他人だと思って見ていました。実は自分ではまだ半分健常者だとばかり思っていましたが、実際は誰が見ても視覚障害者だとすぐに分かってしまうのだ、ということに軽いショックを受けました。
 鏡に惑わされてしまったことは、これまでにも何回かありました。以前JRPS本部の総会会場でも感違いしたことがあります。受付がとても狭くて歩きにくいのに、後ろには広い空間があるのです。どうして受付をこんな前に持ち出して、通りにくくしているのだろうかと不思議に思っていました。休憩時間に何回かその前を通りながらも全く気付かず、帰る頃になって受付が撤去された時、ようやくそれが広い空間ではなくて、鏡に写った空間であることがわかりました。
 読者のみなさんも、同じような経験はありませんか。建物の中に広い空間があったら、もしかしたら大きな鏡があるかもしれません。


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