あぁるぴぃJRPSちば会報111号


■ 活動報告
★第13回関東甲信越ブロック・リーダー研修会のご報告
会長 渡辺 友資枝
 台風が近づきつつあった10月28日から29日にかけて開催されました「第13回関東甲信越ブロックリーダー研修会」に参加してきましたので、ご報告いたします。
 場所は、群馬県高崎市榛名山に近い川浦温泉にある「はまゆう山荘」。ヨーロッパのシャトーを思わせる重厚な石造りの建物は、建築協会賞も受賞したものだとか。山荘を囲む木々も紅葉が進んでいたようです。「見えていたら、どんなに素敵だろう」とため息一つ。
 この山荘に関東甲信越の8都道府県協会から50名が集まりました。千葉からの参加は4名です。
 山荘に到着後、カレーの昼食をいただき、早速一日目の研修です。テーマは「ピア・サポートを考える」。「ピア」とは「仲間」の意味。「ピア・サポート」は患者会の大きな役割であり、JRPSでも今後さらに力を入れて行きたい活動です。講師は群馬県難病相談支援センターの川尻先生。大変明るく気さくなおばさんという感じの方ですが、これまで数多くの難病患者の相談にあたられてきたエキスパート。その豊富な経験と大学院や厚労省の委員会等で積み重ねて来られた研究の成果をもとに、ユーモアたっぷりに話される内容には、説得力がありました。グループワークなども通じて、「ピア・サポートとは何か?」「相談の受け方」などを学習しました。
 相談を受けるとは、相談者のプライバシーや自尊心を尊重して、相談者の話をじっくり聴き、適切な情報提供をすること。自分の考え方を押し付けるのではなく、また、自らの知識や経験、能力の限界もわきまえなければならないことを学びました。
 一日目の夜は恒例の懇親会。なかなか会う機会のないJRPSの会員のみなさんと大いに盛り上がりました。
 二日目は太極拳の体験から。移動が少なく、健康維持に役立つ太極拳は視覚障害者にも向く運動でしょうが、ゆったり見える動作も足の動き、手の動き、体重移動を同時に行うのはなかなか難しいものです。さらに、指導者の動きを見て理解することのできない視覚障害者に教えるのは大変です。2つの動作を教えていただいたところで時間切れとなりました。
 続いて、JRPSの研究推進委員の土井氏、阿部氏から、「臨床試験にどう備えるか」というお話。RPの治療法の研究が目覚ましい進歩を遂げ、患者が被験者として参加する「臨床試験」も行われるようになった今、患者の私たちにとっては重要な問題です。「臨床試験」とは「治療」ではなく、「研究」のためのデータをとるものであることをしっかり認識すること。臨床試験に参加するとは、正確なデータをとるために、大きな責任が生じること、参加にあたってはリスクや周囲からの大きなプレッシャーが存在するので、被験者としての権利や義務をしっかり理解しておく必要があることなどを教えていただきました。最近の研究情報も交えながらのアカデミックな講義でした。
 また、土井・阿部両氏はHOYAと東急電鉄が手がけている暗所視支援のメガネ型ウェアラブルデバイスの開発に協力されているとのことで、詳しい情報をお伺いすることができました。視力が残っている方なら、暗闇でも昼間のようにはっきり見えるそうです。12月発売予定、価格は40万円ほどと、ちょっと高額。多くの視覚障害者が補装具として1割の負担金で入手できるよう、今後、厚労省に働きかけをする必要があるとのことでした。
 今回の研修会は今のJRPSにとって、また私にとっても大変有益な内容の濃いものでした。今後の活動に活かしていきたいと思います。
 開催にあたってご尽力されたJRPS群馬の市橋会長のご家族を含め、JRPS群馬の会員さん、ボランティアさんに深く深く感謝です。
 すべての研修を終え、夕方、千葉にもどったところ、土砂ふりの雨でした。台風はその後、関東の南の海上を通過したようです。
【脚注】
*ウェアラブルとは*
 装着型のコンピューター搭載機器のことです。ウェアラブルコンピューターなどとも言われます。装着して利用できるため、Wear(着る)と、Able(・・・することができる)から、Wearableと呼ばれるようになりました。多くのウェアラブルデバイスが軽量で小さく、身に付けて使用できます。



★本部会報誌発送作業(9月23日)のご報告
市原市 鈴木 てい子
 9月23日(土)本部会報誌発送作業のお手伝いに、JRPSちばからボランティアさん2名を含め4名で参加しました。すっかり涼しくなり、公園はひっそりしています。曲がり角の交番前は、いつもならお巡りさんが声をかけてくれますが、この日は歩道が工事中で、一旦車道を歩くように誘導されています。その先も、重機の音が聞こえています。
 9時半に事務局に到着したときには、すでに作業が始まっていました。私は、会報誌を封筒に入れて封をするだけなので、たんたんと進めました。事務局の方が、作業しながら全体を把握しているようで、会報誌などが少なくなると、テーブルに運んでくれています。11時過ぎ、順調に作業が終了しテーブルがサッと片付けられ、事務局の方から挨拶がありました。
 9月23日は「もうまくの日」に認定された記念日で、発送作業と同日となったということもあり、お寿司弁当とお茶、K氏から、どら焼とおせんべいのプレゼントがありました。実は、前回のお手伝いのときにJRPSちばのO氏から「もうまくの日には、何かパーティなどは予定していますか」と、投げかけておりました。この一言が、お寿司になったのでしょう。同じ場所で、同じものを食べることの意義は大きいようです。
 参加者は、東京、神奈川、埼玉、長野、千葉、事務局の方も合わせて18名と伝えられました。JRPS長野の島崎会長が参加されており、この機会にぜひ参加したいと思われたそうです。ご挨拶の中に、会員を増やすことに力を入れて行きたいとおっしゃっておりました。また「株式会社システムイオ」ソリューション営業部の方が、会員になられたそうで参加されており、福祉機器展にも協力していきたいとお話されておりました。事務局からは、先日、厚労省で記者会見があり、一生懸命に対応されたことをお聴きしました。
 その後、HOYAと東急電鉄さんによる眼鏡型のウェアラブルデバイス「HOYA MW(仮称)」を活用し、夕方、暗くなった駅ホームをJRPS東京の土井会長さんなどが歩行体験されたそうで、その効果を当日のラジオで放送されたそうです。この高感度カメラを備えた眼鏡は、まだ発売されていないそうですが、11月1日からの「サイトワールド」に出品されるとか。お寿司をごちそうになりながら、いろいろなお話を聴くことができました。
 秋分の日(祝日)で第4土曜日と重なることは、珍しいことでした。参加された方、お世話になりました。お疲れさまでした。


★ミニミニ交流サロンのご報告
◆「千葉サロン」10月のご報告
千葉サロン担当 大野 真知子
 10月13日(金)の参加者は、男性3名、女性3名、ヘルパーさん1名、ボランティアさん1名でした。男性のお一人から、会社での仕事上の問題や、年金、保険など相談できるところはないかというご質問がありましたので、副会長から「タートルの会(中途視覚障害者の復職を考える会)」また「NPO法人みんなでサポートちば」を紹介していただきました。
 「NPO法人みんなでサポートちば」については、JRPSのホームページからもリンクされているようですが、知っていれば心強いかと、ご存じなかった方のために、この報告文の最後に載せておきたいと思います。
 その後は、お弁当をいただきながら、「障害者としての一歩がなかなか踏み出せない」とか、「社会に障害者への偏見がまだまだあるのではないか」とか意見交換をいたしました。
 会場を出ましたら、雨模様、明日もあまりお天気は期待できそうにもありませんね。

【NPO法人みんなでサポートちば】
 千葉で障害や日々の暮らしでお困りの方「NPO法人みんなでサポートちば」にご相談ください。障害年金、労災、パワハラ、セクハラ、交通事故、あっせん、メンタルヘルス、労働問題、相続、遺言、結婚、離婚、多重債務、依存、成年後見制度、生活保護、介護、医療問題等、経験豊富な社会保険労務士・司法書士・行政書士等の専門家がワンストップでサポートいたします。毎月無料相談会やセミナーを開催しておりますので、まずはお気軽にご参加ください。

*住所*
 〒260−0016 千葉県千葉市中央区栄町36−10
 YS千葉中央ビル8F 岩崎社会保険労務士事務所内
 電話:043−301−2311 FAX:043−301−2312
 URL:http://www.minsapo-chiba.jp/
 Eメール:minsapo-chiba@mbr.nifty.com

【代表ごあいさつ】 平成25年
 「NPO法人 みんなでサポートちば」理事長の岩崎眞弓です。私は社会保険労務士として、障害年金の業務に携わって参りました。しかし、障害年金の相談は氷山の一角であり、その下には隠された様々な悩みや困難を抱えている人が多いのです。障害年金の受給ができても、それはゴールではなく、かけがえのない人生を送るためのスタートラインにすぎないと強く感じるようになりました。
 そこで支援先へのたらいまわしをするのではなく、すべての専門家が集まって相談に応じる、ワンストップサポートが出来ないだろうかと考え、千葉の仲間に話したところ、「やりましょう」とすぐに10名が集まりました。社労士の他に、行政書士、司法書士、FP、産業カウンセラー、社会福祉士、精神保健福祉士、雇用環境整備士、大学講師等専門家です。
 さっそく1月に設立総会を開き千葉市から認証され、今年5月に活動を始めました。主な活動は無料相談会・セミナー・小冊子の発行、意見公募への参加、出前授業等を考えています。
 専門家が連携し、障害者だけではなく、労働者、事業主、一般市民にも社会保障制度や国民の権利義務についての知識の普及を目指し、全ての人が幸せに暮らせるような社会を実現させることが私たちの使命です。


◆「千葉サロン」11月のご報告
千葉サロン担当 大野 真知子
 11月10日(金)の今日は、女性3名、ガイドヘルパーさん1名の4名での交流会となりました。
 まずは、昨日成田で行われた「鉄建建設技術センター」で体験したQOL講習会の話から始まりました。その後は、今後の行事、新年会、交流会等々、また他の障害者団体ではどのような行事があるのかなどの情報交換。また、今話題の「暗いところでもよく見える」暗所視支援のメガネ型ウェアラブルデバイスの話に集中しました。これは今年のサイトワールドにも出展していた物で、体験してきた方からの感想を紹介。視力の状態で、効果はやはりだいぶ違うようです。
 そして、いつものお弁当をいただきながら、常々の心配事、気になる事など、人数の少なかったせいもあり、たっぷりおしゃべりしてまいりました。
 外に出ると、生ぬるい風、やはり明日は雨になるんでしょうか。

◆「南柏サロン」10月のご報告
南柏サロン担当 中野 美保
 今回の参加者は、当事者10名、ガイドさん2名、ボランティアさん1名、ご家族1名の計14名でした。
 初参加の方が、白内障の手術について悩んでおられたので、手術を経験された方や、同じように悩んでいる方から、セカンドオピニオンについて、また、この地域から通える範囲の病院の情報など、活発な意見の交換が行われました。
 その他には、iPhoneを購入してこれから練習されるという方の話、親の介護について、障害者手帳の申請について、音声ガイドによる映画や歌舞伎の案内、最新の便利な機器の紹介、私達が事故の加害者になってしまった際の損害賠償保険についてなど、たくさんの情報をいただきました。

◆「南柏サロン」11月のご報告
南柏サロン担当 中野 美保
 今回の参加者は、当事者6名ガイドさん1名の合計7名と少なく、それぞれがゆっくりと話をしたり、聴いたりできました。
 自己紹介のあと、チーム柏によるイベントの情報や、JRPSで行われた研修会や鉄道の駅ホーム体験会の報告がありました。現在、視覚障害者総合支援センターちばから歩行訓練などのサポートを受けている方のお話があり、今後は同行援護の申し込みをする予定だということで、経験者から申請手続きのアドバイスなど、たいへん参考になるお話を伺うことができました。
 それから、ご自身が病気で入院された方や、ご家族の介護をされている方の話、網膜色素変性症に直接関係はなくても、ちょっとした不安や心配ごとを、ゆっくりと話せる時間を持つことができました。
 家に居ると落ち込んでしまうけれど、同じ病気の人と会って話をすると気持ちが前向きになれる。ミニミニ交流サロンは、そういう場所でありたいと改めて思いました。
★カラオケde交流会10月、11月のご報告
担当 細川 嘉之
◆第94回カラオケde交流会のご報告 
 10月20日は、曇りがちで肌寒い一日でしたが、参加者は男性4名、女性5名(内ガイドさん2名、ボランティアとして参加された2名)を含め計9名でした。そのボランティアさんから、数日前にお電話があり「ぜひ参加させて欲しい」というお話でしたので、喜んでお受けいたしました。
 当日お二人には、お手伝いだけではなく歌ってくださいとお願いし、皆さんと大いに盛り上がりました。あっという間に3時過ぎになり 11月の再会を約し散会しました。

◆第95回カラオケde交流会のご報告 
 11月17日は寒くなり、今年も残り2か月を切りましたが、参加者は男性6名(内ボランティアさん1名)、女性6名(内ガイドさん3名とボランティアさん1名)の計12名と久しぶりに10名を超え、その分賑やかであっという間に3時間が経過しました。
 中には歌手「平尾昌晃」の曲を最後まで歌い続けた人など、頑張っている人もおり、来月も頑張れそうである。なお、JRPSカレンダーを持って来てくれた会員も参加してくれて感謝しております。


★ヨガ交流会のご報告
担当 小出 佳子
 9月28日、当日は豪雨で電車の運行が乱れる中、ヨガ交流会にお集まりいただき、誠にありがとうございました。講師横山さんのもと、見える方、見えにくい方、見えない方、ガイドヘルパーさん、ボランティアさん、総勢20名が集まり、和気藹々、ヨガを楽しみました。
 今回は広々としたスペース、フィットネスルームを使用することができました。BGMの流れる中、マットも使い、動作を工夫した言葉で表現していただいたり、足りないところは声を掛け合ったり、手をとって直していただいたりと、皆さんで補い合っていました。日頃使っていない筋肉を伸ばしたり、慣れないポーズをとったりで、翌日から筋肉痛になられた方もいらっしゃったかもしれません。が、とてもすっきりして、気持ちのよい体験をされたことでしょう。
 今回参加できなかった方、次回にぜひ、ご参加ください。男性の参加は今回2名でしたが、男女も問いませんので、ぜひ、どうぞ。いつもと違った空間で異なる体験、楽しいものです。


★QOL「駅ホームを安全に歩くために」講習と体験会のご報告
担当 大野 真知子
 QOL「駅ホームを安全に歩くために」講習と体験会のため、成田にあります鉄建建設(株)総合技術センターに行ってまいりましたので、ご報告いたします。
 まず、鉄建建設(株)は民間の鉄道建設会社です。そして、平成19年に本格的な研修施設として、総合技術センターが開設されたそうです。技術センターは、屋内研修フィールドと、屋外研修フィールド(全長150メーターの複線線路、40メーターにわたる盛り土式、けた式ホーム、踏切道が実際に敷設)などからなっています。開設時は、社内技術者の安全、技術開発、最新設備などの研修に使われ、現在では多くの社外、または海外からの技術者も研修に来ているそうです。
 そんな中、数年前に、四街道にある盲学校の生徒さんがホームから転落する事故があったそうです。その事が、四街道の駅長さんから成田の駅長さんに伝わり、成田総合技術センターに「技術センターのホームを視覚障害者が駅利用の際、安全確保のための講習体験に使わせてはもらえないか?」と働きかけていただいたお蔭で、今の技術センターでの、一般の人や視覚障害者の講習体験会が実現したそうです。
 では、ここからが当日の報告です。11月9日(木)10時40分、JR成田改札に私たち当事者11名、付き添ってくださるボランティアさん11名の計22名が集合しました。迎えてくださった技術センターの送迎バスに乗り込み、11時出発。15分ほどで、成田空港に近い工業団地の中にある総合技術センターに到着しました。建物は、とてもきれいで、研修のための宿泊施設も整っているようでした。1階のホールで、マイカーで到着の2名と合流。参加者24名が揃い、自己紹介の後、12時までの昼食、準備タイムとなりました。
 12時、職員の方からの会社説明、講師の方からの体験時の注意事項があり、全員に軍手が配られ、当事者とボランティアさんがペアになり、いよいよ屋外フィールドへの出発です。外は晴天に飛び立つ飛行機の音と秋の枯葉の匂いがします。最初に向かったのは、ホーム。それぞれがしゃがみ、最新の点字ブロックを触る。ホームの内側が、線によるブロック、外側が粒のブロックで、今までよりもホームの内外がわかりやすいようにできているとのことですが、まだまだ使われている駅は少ないとか。ホームの淵まで進み、白杖を使ってホームの高さを測る。115センチの白杖では下に届きませんでした。次は、非常ボタンの体験。一人ひとり順に押す、すごい音。駅員に知らせるとともに電車が停止する赤信号に変る。非常ボタンは、駅の柱にあり、JRは高さ180センチ、私鉄はまちまちで、壁にある場合もあるとか。ただ、赤と白のゼブラ模様のついた柱であるのは、共通しているそうです。
 続いて、ホームから線路に下りると大きなジャリで歩きにくい。ホームの真下に立つとかなり高く、130センチあるそうです。転落した時の避難体験。最新のホームは、けた式ホームで、20センチの床から下がすべてくり抜いたようになっているので、どうにか体が隠れて助かりそう。それに対し、盛り土式ホームは、床から真下に壁となり、足をかけるための、穴、溝があるものの、とても上るには難しい。
 次は2本のレールの間に寝てはどうなるか? 実際に男性の講師、女性のボランティアさんが体験。上を電車を模した物が移動してみると、どこかしらが巻き込まれ、無理のようだし、おそろしい。そして、もう1つ最新の装置を体験。転落検知マットという物です。これは線路のわきとホームの壁の間におかれているもので、その上に転落した場合、非常ボタンを押した時のような大きな音がし、赤信号に変わり電車に停止を知らせる。ただ5キロぐらいの重さでは鳴りません。まだ使われている駅は少ないようですが、電車とホームが30センチ程も開いている東京の飯田橋の駅では全面に敷かれているそうです。何かあった時は『非常ボタンを押して!』と大きな声を出すのが得策かという意見があちこちから。
 ホーム体験を終え、100メーター程離れた踏切道に移動。まずは、踏切の右左に
あるフェンス、板壁を過ぎると踏切内に入ること、踏切を渡る時に線路道に落ちないようなしきりがあることなどを聞く。また人や車が踏切内に入ってしまった時に、センサーが感知して、600メーター離れた信号機が赤に変わり、電車に停止を知らせる。また踏切のどちらかに非常ボタンがあり、押せば、信号機が赤に変わるそうです。ただすべての踏切は、警報音がなり始めてから6秒経つと、遮断機が8秒かけて降りる、それから電車が来るまでには、20秒の時間があるので、あわてずに行動することが大切だとのことでした。これで講習体験が終了です。2時10分からは質疑応答があり、講師の方のわかりやすい説明と、質問にも千葉県の実例を挙げての丁寧な解答に皆さん満足されたようでした。
 1階のホールに戻り、送迎バスにてJR成田まで送っていただき、3時前に解散となりました。有意義な1日でした。この知識を頭に入れておくだけで外出する際、心のゆとりになるはずです。駅、踏切での事故の増える昨今、『すべての人が知っていれば、安全安心な外出になるはず』、これは今日参加の全員の感想でした。皆さんも最寄りの駅、よく使う駅を調べてみてください。ただ決して、一人では行かないように、付添いの方と一緒にお願いします。
 最後に、怪我のないようにと、見守ってくださったセンターの職員の皆さま、また急遽付添いに参加してくださったボランティアの皆さま、お陰様で無事に体験ができました。この場をお借りして、お礼申しあげます。


【追記】
 当日お手伝いいただいたボランティアさんから感想をお寄せいただきました。一部をご紹介します。
・滅多にできない体験ができて楽しかったです。
・予め、ガイドの注意点を教えてもらっていたのと、相手が顔見知りの方だったので、割とスムーズに出来たように思います。
・今まで警報ボタンやホーム下の退避場所なんて、見過ごしていたけど、意識して見るようになりました。
・白杖を持った方が、歩いていて何か困った時、ヘルプサインがあったら、周りの人は声をかけやすくなると思います。
・私が、ガイドを担当した方は、良く見えていらっしゃいましたので、お手伝いすることは、少なかったと思います。とても話しやすい方でした。私の出身地や、今住んでるところの話、ボランティア『てとてんの活動』など質問されましたので、答えていたら、ご本人の話は聞けませんでした。
・貴重な体験をさせて頂き有り難かったです。踏切にも様々な工夫がされている事を知りました。段差の多い所や狭い所があり、一人ひとりにガイドがつけた事、良かったと思います。
・レプリカ好きの私には、本物そっくりのホームや踏切は、見ているだけで楽しかったです。もちろん講習も勉強になりました。ただ、視覚障害の人が今回の研修のように非常ボタンを押すことはほぼあり得ないので違和感がありましたが、そこは私たちのように「普段押せないからひとまず押してみる」体験ということですね。
・私がご一緒した方は、気さくで明るい方でした。帰りに京成で津田沼までご一緒したお二人は、何度も「助かったよ〜ホントに〜!」と。男性でもこんなに言ってくださるのかと嬉しくなりました。
・自分や家族が実際にその立場にならないと気づかない世の中…。実際社会生活で欲しいのはやっぱり大人の気遣いと理解だろうと感じます。
・軽い気持ちでお引き受けしたのですが、視覚障害者のイベントの運営スタッフとして視覚障害者の目になるという意味がよくわかりました。その意識が明確ではなかったので、サポートが雑だったなぁと反省しています。今回はイベントサポートについて大変勉強になりました。
・今回の研修は普通では体験出来ない事ができて、私自身参加してとても良かったと思います。ホームの高さを確認したり、非常ベルを鳴らしどんな音がするのかを知ったり…とても勉強になりました。そして、初めてのガイドで緊張しましたが、担当した方がユーモアたっぷりの方で、優しく私に気を遣ってくださりやりやすかったです。
・この体験で弱視や全盲の方にとって、どれだけ駅のホームが危険で、いつ事故が起きてもおかしくない場所だと改めて実感しました。今後は駅のホームなどで白杖を持っている方がいたら、積極的に声かけをしていこうと思いました。



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