『国家試験への道のりーあん摩・マッサージ・指圧師―』

                       (男性 春日市)M・Y

 大学卒業後、段ボール製造会社に就職した。
約十五年間、かなりきつい勤務であったが、投げ出さずに勤めた。その間に、きつさに負けてやめていく同僚も何人もいた。
体の丈夫さと辛抱強さが幸いしてか、十五年の表彰も受けた。だが、上司に目が悪いのがわかり、退職をさせられた。
 一年間仕事を探したが見つからなかった。障害者にとって就職の門戸の狭さが痛感させられた。
 
たまには気分転換にと居酒屋にいったら、知り合いがいて、会社をクビになったこと、仕事を探していることを話したら、「整体師」はどうかと勧められた。市役所に相談に言ったら、あん摩・マッサージの学校があることを教えてくれた。初めて知ったことだった。
 
 福岡高等支援学校で、三年間基礎から勉強をした。通学はかなり遠かったが、将来の自立を目指して頑張った。三年目の学年末、国家試験を受験して不合格となった。福岡の学校の担任の先生に、広島に、国家試験を受験するための学校、「聖光学園」があるが、行ってみたらと勧められた。
 
 聖光学園は。三原駅からバスで40分かかり、1時間に1本しかない田舎町にあった。コンビニでも歩いて30分かかるところである。この学校には、いろいろな県から生徒が来ていた。授業としては、1時間目から6時間目まであり、選択問題を中心に、詳しく教えてくれた。
 
 友達が沢山でき、勉強だけでなく、いろんなことを学んだ。一年で合格して帰る人もいたが、まれで、残念ながら自分も一年ではとれなかった。二年目は、授業と補修をしてもらい、皆で楽しく勉強ができた。その結果、国家試験合格という最終目標に達した。合格してからが、また新たな勉強だ。
 
 広島に二年いたが、とても楽しく、時間が早くたったような気がした。合格まで二年間、長かったような気もしたが、来て、本当に良かったと思った。

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