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No.103<2022―01>

 JRPS群馬通信No.103号〈2022-1〉

【目次】
1.今後の行事予定
1)JRPS群馬の行事予定
①【見えなくても使えるスマホ講座】第2期の受講生を募集中
②秋の日帰りバス旅行を実施します
2)その他の行事予定
・「世界網膜の日 in 山陰」が開催されます
2.行事結果報告
1)「見えなくても使えるスマホ講座」第1期を実施中です。
2)第23回 定期総会並びにミニコンサート&医療講演会を開催しました
感想Fさん、Aさん(メーリングリストより)
3.投稿コーナー
1)「私とJRPSの出会い」 市橋映二
2)「人生は、楽しく過ごそう」 松村了(さとる)
3)夫婦漫談パートⅡ Y・Tさん
4.JRPS群馬事務局からのお知らせ
5.編集後記

【本文】ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

1.今後の行事予定

1)JRPS群馬の行事予定

①【見えなくても使えるスマホ講座】第2期の受講生を募集中
※この講座は、第10期「田辺三菱製薬手のひらパートナープログラム」の助成を受け
て、
現在好評実施中の第1期講座に引き続き、下記の内容で開催をいたします。

(1)講座の概要
この講座では、初めてスマホ(iPhone)に触れる方からご参加いただけます。
ある程度の操作はできるけれど、もっと便利に使いこなしたいという方も、中級クラ
スを並行してスタートしますので、途中からでも参加できます。
iPhoneをお持ちでない方もデモ機を用意いたしますので、ご気軽にご参加ください。

(2)講師
相沢浩貴(ヒロタカ)様 ボイスオーバーコミュニティー代表
※相沢様の略歴とメッセージについては、後述の参考資料をご覧ください。

(3)講座期間と定員
・9月~10月(初級クラス):iPhoneにまだ慣れない方を対象に、対面での講座で
学習をします 定員:午前10名・午後10名

・11月~3月(中級クラス):オンラインによる学習で、原則隔週1回の講座を開催
します。定員:25名程度
※講座のスケジュールと講座内容については、後述の参考資料をご覧ください。

(4)講座開催場所
対面講座開催場所:伊勢崎市障害者センター2階 多目的室1
アクセス:JR伊勢崎駅北口より徒歩10分

(5)参加費
無料

(6)お問い合わせと申し込み先
末尾のJRPS群馬事務局、またはJRPS群馬の役員へお申し込みください。
申し込み締め切り:初級クラスをご希望される方は8月31日まで。
中級クラスにご希望される方は定員に達するまで随時受け付けます。
なお、第1期に受講された方でも、再度の受講を希望する場合は参加可能ですが、初めての方を優先させていただきますので、事務局にご確認ください。

【参考資料 講師の略歴とメッセージ】
①講師略歴
講師:相沢 浩貴(あいざわ ひろたか)
生年月日:1979年6月24日
所属:Voice Overコミュニティ 代表
活動内容:
視覚に障害があっても、iPhoneが使えるアクセシビリティ「Voice Over」のアドバイ
ザー。現在はフリーランスで、iPhoneの使い方講座や各種講演会の講師として活動中

2020年9月:LINEオープンチャットに、Voice Overコミュニティを開設。
Voice Overを介したiPhoneやアプリの使い方などの情報共有の場として運用中。
2020年10月:Youtubeチャンネル「ボイスオーバーコミュニティ」を開設。
Voice Overトレーニング・Voice Overワークアウトというシリーズで、初心者の方が
順を追ってiPhoneの使い方を学習できる音声メインの動画を配信中。
2021年2月:音声SNSアプリclubhouse上に「Voice Overコミュニティクラブ」を開設

毎週木曜日に、LINEオープンチャットの1週間分のトピックを振り返るニュース番組
「VOCニュース」をライブ配信中。
2021年9月:Voice Overコミュニティウェブサイト開設。
Voice Overユーザの視点で評価したアプリの紹介や、オープンチャットの過去ログな
どのコンテンツを掲載。
主な講演実績:
一般社団法人PLAYERS主催ワークショップ「視覚障害者からの問いかけ」の司会を担当。
近畿視覚障害者情報サービス研究協議会主催の研修会「SNSから始まるコミュニティ形成」のゲスト講師。

②講師からのメッセージ
Apple製スマートフォンのiPhoneには、視覚に障害がある人でも使いこなせるように、VoiceOverという画面読み上げ機能が内蔵されています。この機能を使うと、見
えなくてもスマホの画面上に触れると音声で読み上げる、簡単な指の動作だけで目的の機能を呼び出すことができるため、やりたい事が容易にできるようになります。
そして、iPhoneのさまざまなアプリがこれに対応しています。
VoiceOverを介してiPhoneを使いこなせば、とても充実した毎日が過ごせるのではないでしょうか。
たとえば、ポストに届いた手紙をポケットから取り出しiPhoneで読んだり、ソファで横になりながらyoutubeで動画を再生させたり、音声で書いたメッセージをラインやメールで送ることができます。外出先からオンライン(Zoom等)で、講演会やイベ
ントに参加することもできます。
iPhoneに話しかけるだけで、カレンダーに予定を入れたり、来週の天気を調べたり、どこに何を片付けたか覚えてくれたりもします。
これからの生活でスマホを便利な道具として使いこなすことによって、皆さんの生活がより快適なものになると思っています。
視覚障害者の持つスマホは、その機能と拡張性から90%以上がiPhoneと言われていますので、今回の学習ではiPhoneを対象として講座を進めます。
メッセージは以上

【参考資料 スケジュールと講座の主な内容】
①スケジュールと講座内容
【対面講座 1日目】
開催日:9月18日(日曜日)10時~12時、13時~15時
■導入期と初級編
●プログラム1 iPhoneと視覚障害との関係
講義内容:視覚に障害がある人にも優しいiPhone。iPhoneとAndroidの違い。iPhone
SEがおすすめな理由。
●プログラム2 iPhoneに触れてみよう
概要:デモ機を使って、iPhoneのVoiceOverとはどういうものかを体験できます。
まだiPhoneを持っていない方が対象です。
講義内容:iPhoneの基本的な使い方。文字入力方法の紹介。
「サリバンプラス」アプリで、商品パッケージを読み上げて確認。
音声アシスタント「Siri」を使って電話。
音声入力で「LINE」のメッセージ作成。「Google」アプリでの音声検索。質疑応答。

【対面講座 2日目】
開催日:10月2日(日曜日)10時~12時、13時~15時
●プログラム3 iPhoneの初期設定
講義内容:iPhoneの購入後、SiriまたはVoice Overが設定されていない場合は、晴眼
者の助けが必要です。
お手持ちのiPhoneの設定のお手伝いをさせていただきます。
同時に、便利なアプリのインストールもお手伝いさせていただきます。
Googleアプリ、サリバンプラス、LINEについて。
●プログラム4 電話の掛け方と受け方
講義内容:電話の掛け方、切り方を練習。2本指2回タップも覚える。
電話アプリの履歴や、連絡先一覧から電話することも練習します。
●プログラム5 文字入力の練習
講義内容:文字入力の練習をします。ジェスチャーを覚えるのが目的です。
「こんにちは」程度の入力ができるようにします。

【対面講座 3日目】
開催日:10月16日(日曜日)10時~12時、13時~15時
■初級編
●プログラム6 LINEの登録と使い方
講義内容:初期登録、メッセージ作成、通話までできるようにします。
パスワードの入力が必要なので、簡単な文字入力ができるようにしておくか、お手伝
いいただける方と同席してください。

【対面講座 4日目】
開催日:11月6日(日曜日)10時~12時、13時~15時
●プログラム7 メールアプリ/対面学習質疑応答
講義内容:iPhoneのメールアプリを使ったメール作成。
音声入力がメインになりますが、指での文字入力も練習します。また、対面学習期間
での質疑応答の時間とします。

◆オンライン学習 11月~3月
開催予定日:11月~3月 原則隔週日曜日 10時~12時
開催場所:各家庭(Zoomによるオンライン学習)

■中級編
●プログラム8 Siriを便利に使ってみる
講義内容:Siriでできる簡単なことを練習。
電話やLINEの送り方。電話帳の編集が必要な時があるので編集も行う。
●プログラム9 Googleアプリとサリバンプラスなど
講義内容:音声検索。カメラ検索など便利な機能を学習します。

■中級編・上級編
●プログラム10 便利なアプリの紹介と第1期学習プログラムのまとめ
講義内容:視覚障害者向けに開発された便利なアプリの紹介と使い方について。
最終月の3月は、第2期学習プログラムのまとめとして、質疑応答などでまとめをしま
す。
※オンライン講座の日程と時間及び講座内容が変更になる場合がありますが、事前にお知らせをして開催いたします。


②秋の日帰りバス旅行を実施します
~ 秋の味覚と紅葉の旅を楽しみませんか?~

1.日時:10月20日(木曜日)10時~16時
2.旅程:利根沼田方面
訪問先:道の駅 川場田園プラザ・花の寺 吉祥寺(川場村)
果実の里原田農園(沼田市)
※旅行行程の詳細は、末尾の参考資料をご覧ください。
・集合:群馬県社会福祉総合センター前 9時半~
・出発:10時 (ふくしバス愛の募金号を利用します)
・帰着:群馬県社会福祉総合センター 16時予定
3.参加費:一人500円(高速利用料金、リクレーション・保険料含む)
※付添いも同額です
4.募集人数:20名
※付き添いの必要の方は、付き添いの方と共にお申込みください。希望者が多い場合は、キャンセル待ちになる場合がありますのでご承知願います。
5.募集期間:8月5日~9月5日までに、事務局に必要事項をお知らせください。
必要事項:①お名前 ②付き添い者の有無とお名前
③連絡先(携帯電話をお持ちの場合は携帯電話番号)、
④障害者手帳の有無
※旅行当日は、障害者手帳をご持参ください。
吉祥寺の観覧料が、付き添い者を含め無料になります。
6.申し込み先:JRPS群馬事務局(市橋)
メール:ichiha@green.ocn.ne.jp
電話:080-5535-5834
7.その他:昼食は各自負担でお願い致します。
新型コロナウイルス感染拡大防止のため、マスクの着用、検温、手指消毒、手洗い等のご協力をよろしくお願いします。
なお、新型コロナウイルスの感染状況によっては中止となる場合がありますので、ご承知おき願います。

【参考資料 旅行行程(予定)】
10:00発 社会福祉総合センター出発 ⇒
11:30着 田園プラザ(お買い物、昼食など自由行動)・13:00発 ⇒
13:10着 吉祥寺(見学・散策) ・13:50発 ⇒
14:10着 原田農園(りんご等お買い物)・14:40発 ⇒16:00着 群馬県社会福祉総合センター


2)その他の行事予定
・「世界網膜の日in山陰」が開催されます。
「世界網膜の日in山陰」並びに第26回JRPS研究助成金授与式及び研究発表が開催されます。
1 開催日 :2022年9月23日(金・祝)~24日(土)
2 会場:サンラポー むらくも 2階 瑞雲の間
(松江市殿町369番地 TEL:0852-21-2670)
※現地会場での参加申し込みは、既に締め切られています。

・1日目:9月23日は、講演「八雲が五感でとらえた神々の国の首都」
講師:小泉八雲記念館館長 小泉 凡氏及び懇親会などが行われます。

・24日の催し物については、YouTubeで生放送いたします。
これをご覧いただくにはパソコン、スマートフォン等で、以下のURLにアクセスしていただきますと、視聴できます。
https://youtu.be/cvn9a9za4wM

・2日目:9月24日(土) YouTubeによる生配信
10時~12時 開会アトラクション
日本ブラインドサッカー協会による普及・啓発
(会場にて島根オロチビート浜田の試合録画を見ながらわかりやすく解説、ルール説明等)
12時~13時30分 昼食、休憩
13時30分 開会式・主催者あいさつ
13時40分 第26回JRPS研究助成金授与式
審査講評、研究助成受賞者の発表・授与・受賞者による研究発表
15時15分 記念講演:「出雲風土記から見える古代の神国出雲」
講師:松江市立松江歴史館 名誉館長 藤岡 大拙氏
16時15分 次年度開催協会引継式、次年度開催協会あいさつ
16時25分 閉会宣言
16時30分 終了

*YouTube視聴のみの場合、申込み並びに参加費は不要です。
*オンラインでのYouTubeによる配信は、約1,000名を見込んでいます。
状況により変更になる場合があります。
*詳細は、会報誌あぁるぴぃ157号・158号をご覧ください。
※ 上記の行事については、JRPSの非会員の方も視聴できますので、ご質問やご相談などありましたら、末尾のJRPS群馬事務局へご連絡ください。


2.行事結果報告

1)「見えなくても使えるスマホ講座」第1期を実施中です。
※この講座は、第10期「田辺三菱製薬手のひらパートナープログラム」の助成を受けて実施をしています。
講座はiPhoneの読み上げ機能「Voice Over」を学習し、視覚障害を持つ私たちがスマートフォンをより便利に活用し、生活の質を高めることを目的にしたプログラムで
す。講師にはボイスオーバーコミュニティー代表の相沢浩貴(ヒロタカ)氏をお迎えし、以下のような内容で実施をしています(第1期は8月末まで実施。)

【1】初級講座(対面講座)
・開催場所:伊勢崎市障害者センター(伊勢崎市西田町71)
・参加者:iPhoneの利用になれていない初級クラスの方
各講座の参加者数:13名~15名(講師、スタッフ含む)
・実施日:4月9日(土)、4月23日(土)、5月14日(土)、6月4日(土)の午前、午後の8講座を実施しました。
・主な講座内容:iPhoneを持たない方にはiPhoneの基本的な構造と使い方をデモ機を用い て学習しました。まだ慣れない方にはボイスオーバーの設定、簡単な電話アプ
リやLINEアプリの設定や文字入力などの使い方を学びました。またオンラインでつながるZoomの設定方法も学びました。

【2】中級クラス(オンライン講座)
・学習場所:各ご家庭
・参加者:iPhoneをある程度利用している中級クラスの方
各参加者数:16名~23名(講師、スタッフを含む)
・実施日:6月5日(日)、6月12日(日)、6月19日(日)、7月2日(日)、
7月9日(日)、7月16日(日)、7月24日(日)、7月31日(日)の8講座、各2時間実施しました。
・主な内容:電話のかけ方、Lineの使い方、メールの使い方、文字入力方法などQ&Aを取り入れながら行いました。

対面講座では、相沢講師の奥様と会員の久保田真由美さんがスタッフとして、強力な
アドバイスをして講座を支援していただきました。また、オンライン講座ではZoomの管理を役員の奈良章子さんが、スタッフとして引き続き久保田さんがサポートをして
進めています。
相沢講師の丁寧な指導の下、日々新しい方法の発見や便利な機能を覚えられていると
いう実感の持てる講座になっています。ご興味のある方は、9月から開始する第2期の講座に是非ご参加ください。

2)第23回 定期総会並びにミニコンサート&医療講演会を開催しました
・日時 : 令和4年6月26日(日曜日) 10時から15時半
・場所 : 伊勢崎市障害者センター
・内容
①JRPS群馬 第23回定期総会
②ミニコンサート 前川裕美さん
③医療講演会 演題:「網膜再生医療の今」
講師:平見恭彦先生 神戸アイセンター病院 副院長
*ミニコンサートと医療講演会は、JRPS本部による行事で、オンライン会議システム(Zoom)を使ってライブ配信されたものを、伊勢崎市の総会会場で視聴しました。

④併設行事
●福祉機器展示会(福祉機器:参加業者名)
・アメリア製品など便利グッズ:システムフレンズ群馬
・拡大読書器など:システムギアビジョン
・iPhone関連製品など:㈱ラビット
・白杖各種:㈱Kosuge
・遮光メガネなど:㈱板垣/東海光学㈱

●福祉機器体験会
・暗所視支援眼鏡体験とQDレーザー体験:㈱板垣/㈱・Vixion
夜盲や視野狭窄の私たちを補助してくれる眼鏡タイプの機器の体験をしました。
・アイコサポート:㈱プライムアシスタンス
スマートフォンによるガイドシステムの体験。「アイコサポート」のアプリをインストールしたスマートフォンを手に持ち、カメラを通してアイコサポートのスタッフ
さんに、目の代わりになってもらい、見てほしいもの、教えてほしいことなどをガイドしてもらいました。

・参加人数
会員40名(家族・介助者含む)、一般参加2名(介助者含む)、支援者7名、
眼科医会会長他2名、福祉機器展示・体験会業者 8社12名
参加者合計63名

◇感想(メーリングリストより)

・昨日のイベント、ありがとうございました。
とても楽しかったです。
ミニコンサートも素敵でした。
医療講演会も素敵でした。
網膜上皮細胞シートを移植しても、そこに何かあるというのがわかるだけで、視力が出るまでには至らないと言うようなのが引っかかりますが。まだまだ治療の発展に期待するところですね。
福祉機器展や、アイコサポートも楽しかったですが、何より楽しかったのが、皆さんといっぱいお話しできたことです。
イベントを企画していただいた役員の皆様、本当にお疲れ様でした。
ありがとうございました。
いっぱい笑って元気になって家に帰ることができました。
次回のイベント、期待しています。
また皆さんと、日々のいろんな世間話がたくさんできる日が早く来ますように。
今回見てきた福祉機器の中で、購入してもいいかなぁと思える、書類を読み上げてくれる機械がありました。
我が家にある電気ポットと同じ位の大きさだなぁと思いました。ちょっと横に広がっちゃいますけど。
重さも2.5キロと、自分で手軽に持ち運べる重さです。
使うときだけ机の上に出してきて、後は下の方にでも置いておこうかな。
やっぱり福祉機器は直接触ってみるに限りますね。
オーカムマイアイの2が出ていました。
開発されてる方も頑張ってるんだなぁと感じました。(Fさん)

・昨日は暑い中、ありがとうございました。お疲れさまでした。とっても楽しい一日でした。久しぶりの総会はどうでしたか。
伊勢崎は、前日には全国で暑さナンバーワンになりましたね。すごい。そんな中、ボランティアの方やライオンズクラブの皆さんの、駅までの送迎は、とっても助かりました。ありがとうございました。
今回は、ボランティアのみなさんも初めてボランティアをしてくれた人が多く、大変だったと思います。本当にありがとうございます。私たちだけでは何もできず、ボラ
ンティアの人たちに頼ってばかりで感謝の気持ちでいっぱいです。
久しぶりにみんなでコンサートや講演を聞いて楽しかったですね。
いろんな人とお話もでき、初参加のSさん、まだまだ眼の状態はいいようですね。お話ができてよかったです。
そしてKさん、かわいい鈴をありがとうございました。(Aさん)

3.投稿コーナー

1)「私とJRPSの出会い」
沼田市 市橋映二

1.ある新聞記事との出会い
「先生、日に日に見えなくなり、仕事に支障が出てきているんです。これって私の病気で出やすい白内障が進んでいるためではないですか。」、「まだまだ大丈夫です
よ」と同じ答えの先生。当時、毎月通っていた東京のある大学附属病院での何度も繰り返した私と主治医の会話でした。検査室ではまだかなりの視力がでていたものの、太陽光の下や窓を背景にした場面では人物の顔がはっきりしない、ノートの罫線がよく見えないために文字がはみ出してしまうなど、手書き文章ではミスが多く出始めていました。
入社1年目で発覚した病気、その時退社して大学に戻ろうと決心をしながらも、当
時の社長に引き留められ配置転換までして頂いて続けてきた仕事が、いよいよこれで本当に辞めなくてはならないと思い始めた時期でもありました。妻とまだ幼い二人の
子供の将来を考えると、日々進んで行く見えにくさに直面しながら、誰にも相談でき
ないで苦悩する毎日でした。
その頃の業務は私は、かなり重要なプロジェクトを任されていた時期でもあり、毎日長時間顕微鏡を覗き見たり、DNAをを視覚かするためあてた紫外線に暴露されて
いる時間が長く、これらが白内障を進める原因になると考えていましたが、自分で選択したプロジェクトのため、途中で投げ出せないという思いも重なっていました。
目が駄目になったらやめればいいさと思った若い時期とは異なり、家族や仕事に責任のある立場であること、こんな時代になるとは覚悟はしていても現実になる事を受け入れられないまま、通院した病院でまた同じ質問と主治医の返事が繰り返されていました。車窓の景色も日ごとにかすんで行く焦りと、自身が内から見る景色と先生が外から覗き見る目の奥の景色はこんなに違うのかと思ったものです。
そんな時、帰路の電車の中で、ふと何年か前に新聞を切り抜いてスクラップにしてある事、その記事が私の病気に関する協会設立の記事であったことをおもいだしまし
た。家に帰って書棚や机の中を探し回り、見つけました。今その記事は再びどこかに紛れ混んで見つけることができないのですが、当時購読をしていた新聞の「医療ルネッサンス」というタイトルの記事ではなかったかと思います。そこにはJRPS(日本網膜色素変性症協会)の設立を、患者の小野塚ゆか初代会長と網膜色素変性症の研究をしていた千葉大学医学部眼科額教授の安達恵美子先生などで設立したとの記事で
あったと思います。小野塚会長が同じ新潟県の出身であった事にも目をひいたのかもしれませんし、何かとっておいた方が良いのではとの予感があったのかもしれません

とにかく、当時は藁にでもすがりたい気持ちの時期だっただけに、私はその記事に掲載されていた千葉大学の安達先生に、ぜひともこの急激に悪くなる眼を診てもらおうと思い立ちました。

2.様々な出会い
私が病気を明確に告知されたのは、会社に就職して半年くらいの時でした。農家を回って栽培指導をするという業務を担当し、一人で農家を回り始めた時期に、車の運転する事に自信を無くしたことが原因です。夜、他の人より見えていない事は自覚をしていましたが、業務で実際に車を運転することになり、雨の降る夜に会社に戻る事の困難さを知り、先輩に相談をしたのがきっかけで、親会社の所属の総合病院で検査
を受けた時でした。
その告知では「将来失明をしますよ。できれば車の運転は避けてください。」との事でした。事故などで会社に迷惑をかけることになると思い、会社を辞めようと思いながらも、社長の肝いりで配置転換を受けて仕事を続けてきていました。新しい職場では順調なサラリーマン生活を送っていたため、自分の病気に対する認識が薄れていった事も事実です。
でも、結婚を考えた時、私は自分の病気を隠さずに告知をして、受け入れた方を嫁さんにしようと思っていました。人間的に魅力が無かったのか、病気が原因だったかは不明ですが、病気を伝えるたびに結婚を考えた女性が去ってゆく現実にぶつかり、結婚はあきらめようと考えた時期もありました。そんなこともあり、付き合い始めた妻には、正直に病名を告げていませんでした。ただ、「将来目が悪くなり、見えなくなる可能性があるよ」とだけ告げてありましたが、ちょっと後ろめたさを抱いたままの結婚でした。
ですので、今回の事態で、妻には正直に病名と予後をつたえた時には、本当に申し訳ない気持ちでいました。ただ、当時の妻の本音は別だったかもしれませんが、私が
思い悩んだ程の事はなく、私が今の病院への通院を辞め千葉大の安達先生に診てもらうことに後押しをしてくれました。結婚前のわたしにとっては勇気のある、しかし、ごまかしの告白は当時の妻は深刻に受け止めていなかったことを後で知りました。会社で相談した先輩、心配をしてくださった上司の皆さん、引き留めてくれた社長、そして何よりも肝っ玉の大きな妻との出会いに感謝をしなければなりませんね。

3.安達先生とJRPSとの出会い
私が千葉大学の受付に直接電話をして、現在の自分の状況を説明した時、安達教授が直ぐに診てくれるとの返事をもらうことができました。千葉大学を訪問したのは、12月も暮れる頃でした。私はそれまで診ていただいた主治医に転院することを告げないままの行動でしたので、やはり後ろめたさはありましたが、今でも後悔はしていません。あのまま通院を続けていたら、おそらく会社を退社し、その後はどうなっていたか、想像するだけで冷や汗が出てきます。
千葉大では安達先生から直接診断をしていただき、すぐに白内障の手術をしましょ
うとの判断をしていただき、普段なら数ヶ月待ちのベッドをすぐに開けてもらうことができ、翌年の正月明けに入院することになりました。業務の調整などあわただしい中での入院でしたが、手術はすでに視力の悪い左目で行い、その改善効果が期待以上であったことから、視力がまだかなり残っていた右目に行いました。
安達先生から直接執刀をしてもらう事はめったにないとの事でもあり、その後二度の後発性白内障のレーザー処置も安達先生がかかわってくれました。そのお陰で、それほど視力の低下をしないまま、次の目標に向けて会社を辞めるまで勤務をすることができました。
偶然のように出会ったある新聞記事とJRPSの学術理事の安達先生に出会わなかったら、今の自分が存在したのかと思うと、出会う事の不思議さに今でも感謝の思いでいっぱいです。またJRPSを立ち上げてくれた小野塚さんにも感謝をしています。
お二人ともその後立ち上がったJRPS群馬支部の総会にお招きしてご講演をしていただいたことが、今でも忘れられない思い出になっています。
入院中に安達先生から紹介をしていただいたJRPSの事、自らの手で「治療法の確立」と「生活の質の向上」を目指した協会の設立の高い目的を知り、さっそく会員
になる手続きをさせてもらいました。
余談ですが、目に悪いと言われる喫煙をきっぱりと辞めたのも、千葉大学附属病院に入院している時でした。それまで何度も禁煙をしながら禁煙にいたらなかったのに
、不思議に辞めることができました。実は、入院中に同部屋の患者さんから、病院の喫煙室は地下二階にあると教えてもらっていましたが、その喫煙室の近くに霊安室があり、お化けがでるとささやかれ、からかっているとは知りながらも、それでも恐る恐る喫煙をしに何度か足を運んでいたのですが、手術当日の朝に最後の一本の煙草を吸い終わると、残ったタバコの箱を握りつぶし、ライターも捨てて手術に臨みました。
お化けが怖くてやめたとは周囲に言えませんが、禁煙のきっかけがお化けであることは事実かも知れません。千葉大に転院して良かったもう一つの事でもあります。

4.群馬の仲間との出会い
JRPS会員になって最初の本部での会合で、群馬でも支部を立ち上げたいとの意気込みを持つ初代支部長になられた吉岡直子さんに出会いました。その後、準備会を立ち上げたいから協力してとの声をかけていただき、二代目支部長の小林一男さんなど、設立に関係した仲間たちと知り合うことができました。
当時はまだ今のようなネット社会ではありませんので、病気にかかわる情報は仲間からやJRPSが発行する協会誌などから入手していました。準備会から支部へと時
代が変わる中で、多くの同じ病気を持つ仲間やご家族と知り合う機会ができ、多くの貴重な情報を教えていただいたのもJRPSの存在があったからと思っています。障
害者手帳の事、県立点字図書館の存在、日常生活用具とその助成制度の事、国立の障害者センターでの就労支援制度、障害年金などなどを教えていただきました。
準備会の2年、支部を立ち上げてから今年で23年という年月を重ねてきています。
「治療法の確立」では一部の遺伝子由来の病気は治療が確立されたとはいえ、まだまだ光が大きくなりつつあるという段階で、治療が一般化するには、なお時間がかかると思います。
でも、デジタル技術の発達により「生活の質の向上」が近年進んでおり、それを有効に活用できれば生活に変化がでる時代になってきています。しかし、費用やそれを使いこなすため道具をそろえたりするための壁があるのも事実です。新しい技術の発達は、逆に大きな分断も作っています。
「知らない」ことを「知っている」ことへ変えてゆくことが、これから大切になるのではと思っていますが、それはやはり人と人との出会いであり、生の声による情報交換ではないかと思っています。コロナ禍で、とかく分断された絆を繋ぎなおす努力が、私たちに求められる事をあらためて気づくこの頃です。微力ですが、協会員の一人としても絆を結びつける努力をしなければならないと感じつつ、この暑い夏を迎えています。


2)「人生は楽しく過ごそう」
松村了(さとる)

RP会員の皆様、いかがお過ごしですか。私は、75歳です。
今から10年前に、網膜色素変性症がわかりました。
スポーツは、なんでもやっていました。特に、野球は大好きでした。60歳になると、
「熟年」というクラスがあります。先輩から誘われ、チームに参加をしました。
キャッチボールはできましたが、外野の守備についたところ、フライが飛んできてボールを見失い、おかしいことに気づきました。今までは、こんなことはありませんでした。ここで、野球は諦めました。
ゴルフは、それからも続けました。月に4回、自分で運転してゴルフ場に行っていましたが、最後の方では、妻に送迎をしてもらっていました。妻には感謝、感謝です

プレイでは、4人のメンバーに1人のキャディーさんをお願いするのですが、ボールを見失うので、私が一人占めをすることになってしまいました。それで、他のメンバーに迷惑をかけてしまうので、クラブを置きました。
そんな感じで、65歳まではプレイを続行して楽しんでいましたが。近くの眼科に出かけ、診察をしていただいた所、先生に、「今日はなんで来ましたか?」と尋ねられ
「自動車できました。」と答えたら、「だんだん運転ができなくなりますよ。」一瞬
、頭の中が真っ白になりました。「難病の病気ですね。」網膜色素変性症と診断されました。初めて聞く病名でした。これで、人生が終わると思いました。

休日には、会社の仲間や友人と、桜を追いかけました。おいしいお魚も食べに行きました。毎週、神社、仏閣を各方面に出かけました。新型コロナが蔓延したため、行動範囲が10分の1になり、何をしたらよいか、心が折れました。
そこで出会ったのが、PCトーカーのメール通信ですね。72歳にて、始めました。
なかなかできず、「ゆっくり、慌てず、急がずやっていけばいいよ」といわれ、今は
楽しんでいます。PCトーカーは、とても良いです。
さらに、デイジーで本や新聞を聞いたり、結構楽しいですよ。
追伸・最新の医学に期待をします。


3)夫婦漫談パートⅡ Y・Tさん

① 私は一年中、何故かアレルギーがある。
不機嫌になると、「アレルゲンはあんただ!」と文句をいう。
「俺かあ・・」と呟く夫。とばっちりに合うのはいつも夫。

② 朝、夫が言った。夕べ寝るとき、背中をさすってあげたら「お父さん優しいね」って言って眠ったよ。夢の中の私は嘘だろうと疑いつつ「あー、違う人の名前言わなくて良かった」と思う。

③ 子供の鼻水は可愛かったのに、あれから40年にもなると、悲しいかなお互いの鼻水にも後退り。もう我が世も末かと思う日々。それでも、今日も二人三脚


4.JRPS群馬事務局からのお知らせ
(1)第23回定期総会の結果について
ご案内のように、去る6月26日(日)に3年ぶりの対面での定期総会を開催することができました。今回から議案に対する評決方法が改正され、定期総会の出席者による議決から正会員(本部会員)による賛否をもって議決することになりました。
そこで幹事と監査役(10名)を除く群馬県在住の正会員(60名)に書面評決のための葉書を郵送し、その返信結果と返信のない方で定期総会に出席をした正会員の賛否を
もって評決結果としました。
結果
①決められた期間内に返信された書面評決状は42 通で、そのすべてが第一号議案から第七号議案まで賛成を頂きました。
②定期総会に出席して直接議決権を行使した方が2名おられ、いずれもすべての議案に賛成を頂きました。
以上の結果、幹事及び監査役を除く60名の正会員中、過半数以上の44名の方より今回提出したすべての議案に賛成を頂いた事をご報告いたします。

(2)青い鳥ハガキの寄贈に感謝
事務局より青い鳥ハガキの寄贈の呼びかけに対し、多数の会員様より寄贈を受けることができました。会則の改正により、これまでよりハガキを利用しての通信の機会が増えておりますので、皆様のご協力に心より感謝を申し上げます。

5.編集後記
コロナ禍で、対面で開催できなかった定期総会が、3年ぶりに会場を伊勢崎市障害者センターに代えて行われました。
密を避けるため参加人数を抑えて、1テーブルに座る人数は1人としたため、会場は閑散とした雰囲気になりました。ですが、久々に会員の皆さんに会えた嬉しさで、
あちらこちらから、楽しそうなおしゃべりの声や笑い声が聞こえてきました。
そして、毎年お招きしている来賓の皆様からのご祝辞も、今年は事前に文書でいただき、司会の岡野さんに代読していただく形にさせていただきました。そのご祝辞を
送ってくださったうちのおひとりで、群馬県眼科医会会長の馬場先生が、わざわざ会場にお越しくださいました。けれどもオンラインでのミニコンサートが催されていたため、皆さんにお会いすることなく、会場を後にされました。馬場先生には、大変申し訳なく、失礼をいたしました。
一方、3年ぶりともなると、福祉機器も新商品が続々と出ていて、皆さん連れだって、興味深そうに体験されていました。福祉機器も年々レベルアップして、使い勝手が良くなってきています。iPhoneのアプリを使ってのサービスなども、新しく登場してきています。治療法の確立を待ちながら、このような機器やサービスなどを利用して、日常生活を向上させていきましょう。
ところで今回は、我がJRPS群馬の代表で、いつもニコニコ優しい笑顔でリーダーシップを発揮してくださっている市橋会長が、JRPSとの出会いの原稿を寄せてくだ
さいました。
会員の皆さんの中で、市橋会長をご存じない方はいないと思いますが、その会長がどのようにJRPSと出会ったのか、その物語を知る人は多くないと思います。そして、
どのようにJRPS群馬が発足されたか、知ることが出来ました。
それと、もうおひとり、原稿を寄せてくださった松村さんの「人生は、楽しく過ごそう」というタイトル、とても前向きですね。色変とコロナ禍で心が折れたとのことですが、今はパソコンを使って生活を楽しく過ごされている様子がうかがえます。
そんな松村さんの、マイペースでどこかほのぼのとした文章と相まっての、Y.Tさんの「夫婦漫談」が、また楽しくて笑えます。
このような素敵な原稿のおかげで、今号も良い群馬通信をお届けする事が出来ました。皆さんの原稿に対してのご感想を、編集局やメーリングリストなどにお寄せ下さい。そして、会員の皆さんからの寄稿をお待ちしていますので、よろしくお願いします。(秋谷)


発行日:2022年8月 4日
JRPS群馬通信編集局(秋谷、市橋、飯塚)

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群馬県網膜色素変性症協会(JRPS群馬)
JRPS群馬事務局 市橋 映二
〒378‐0031
群馬県沼田市薄根町3694-14
電話:0278‐22‐2408(携帯:080‐5535‐5834)
メール:ichiha@green.ocn.ne.jp
URL:http://www.jrps.org/gunma/local/
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