トップへ戻る


No.105<2022―03>

 JRPS群馬通信 No.105〈2022-3〉

【目次】

1.今後の行事予定;
(1)JRPS群馬主催行事
1)オンライン定例ピア談話室を開催しています

2)ピアサポート勉強会を開催します

3)春の一日バスで、ゆっくりおいしいもの探索の旅に
出かけましょう (仮称)

4)JRPS群馬第24回定期総会&記念講演会を開催します

2.活動結果報告
(1)JRPS群馬主宰行事
1)「見えなくても使えるスマホ講座」第2期が終了

2)QOL向上交流会を開催しました

3)オンライン定例「ピア談話室」を開催しました

(2)JRPS本部関係行事
1)令和4年度全国・部会代表者会議が開かれ次年度の運営
 方針が報告されました

2)第17回JRPS網脈絡膜変性フォーラムが開催されました

3.投稿コーナー
1)ノリ子のつぶやき      奈良 章子(前橋市)

2)「乗馬記」         小暮 愛子 (前橋市)

3)名無しのひょっとこ川柳

4.JRPS群馬事務局からのお知らせとお願い

5.編集後記

【本文】
===========================
1.今後の行事予定
(1)JRPS群馬主催行事
1)オンライン定例ピア談話室を開催しています
※毎月第3土曜日夜8時~10時:Zoomによるオンラインで開催をしています
今後の開催予定日: 4月15日(土)、5月20日(土)
          6月17日(土)、7月15日(土)
皆さんが何でも気軽におしゃべりをする部屋です。日ごろの
 困りごとや伝えたい事などなど、おしゃべりができる部屋です。お気軽にご参加ください。

・参加資格:JRPS群馬のメーリングの「RPゆうあい群馬」に登録されている会員の皆様
・申し込みは不要、入退室は自由です。
・開催前日までにMLでZoomURLを配信いたします。

※MLにご登録をご希望の方は末尾のJRPS群馬事務局にお申込みください。
 また、オンライン(Zoom)の方法について、不明の方は事務局へご相談ください。

2)ピアサポート勉強会を開催します
毎月第4土曜日午後1時半~3時半まで、ピアサポートの基本から教えて頂きます。

・講習機関:5月27日(土曜日)から5回の講座をおこないます。
※都合により開催ができない場合は次の月に延期をすることが  あります。
・講師:川尻洋美様 群馬県難病相談支援センター

 ※学習プログラムについては決まり次第、MLにてご案内します。

・参加費:無料

・参加募集人数:15名程度
※参加資格:視覚障害を持つ患者ご本人
 尚、参加人数が多い場合はJRPS正会員を優先させていただきます

・勉強会は、原則Zoomによるオンライン講座になりますが講座内容によっては対面での講座も検討中です。

・募集期間:令和5年5月10日まで、先着順といたします。
※申し込みは末尾のJRPS群馬事務局ないしはお近くの役員までお願いします。

参考:ピアサポートについてメモ;
同じ病気や悩みをを持つ仲間(ピア)が同じような体験や悩みや気づきをを話し合いながら、支えあう(サポート)事を言います。同じ対等な立場であるからこそ伝え合える事、お互いの信頼を醸成しあい、気づかなかったことへの気づき、治療や悩みの解決に安心感を得られた李、当事者しかわからない情報が得られるなどの効果があると言われています。メモはここまで。

3)春の一日バスで、ゆっくりおいしいもの探索の旅に
出かけましょう (仮称)
実施日:5月中旬(月曜日)
募集人数:25名程度
※旅行先、参加費など詳細が決まり次第MLにてご案内をいたします。
※お問い合わせは末尾のJRPS群馬事務局にお願いします。

4)JRPS群馬第24回定期総会&記念講演会を開催します
日時:6月25日(日曜日)
会場:伊勢崎市障害者センター 
伊勢崎市西田町71番地  (TEL:0270-75-5530)
プログラム:受付:10:00~
午前の部:第24回JRPS群馬定期総会10:30~
午後の部:来賓あいさつ、記念講演会
記念講演:講師 辰巳周平様 辰巳社会労務士事務所
※テーマは未定ですが、障害年金専門窓口を開設している社会保険労務士の辰巳先生より障害年金について詳しくご講演をしていただきます。

併設行事:福祉機器展示・体験会
※詳細は改めてMLないしは郵送にてご案内をいたします。


2.活動結果
(1)JRPS群馬主宰行事
1)「見えなくても使えるスマホ講座」第2期が終了しました

第1期に引き続き、iPhoneの読み上げ機能(ボイスオーバー)の達人の相沢浩貴(ひろたか)先生を迎えて、対面8講座、オンライン12講座(合計20講座)が3月26日(日曜日)をもって終了しました。
参加人数:対面講座延116名、オンライン講座延べ292名でした。

 講座は毎回丁寧な相沢講師の分かりやすい開設で、スマートフォのンiPhoneの読み上げ機能」ボイスオーバー」の基本から応用までをひととおり学び、また最新のアプリケーションの使い方なども説明を頂き、日常生活の質の向上に大きな助けになりました。
これまで中々利用できなかったiPhoneそのものの機能に加えて、読み上げ機能(ボイスオーバー)を利用することで、電話をかける、メールやLINEで友人とつながる、インターネットなどで感嘆に検索ができる、zoomでオンラインで会議や講演会に参加できる、新しいアプリで感嘆にニュースを聴いたり書類や文献が音声で聴けるなどなど、自分の日常生活が広がる実感を得られることができました。
改めて相沢先生と対面講座でスタッフとして対応をしてくださった先生の奥様と会員の久保田さんには感謝を申し上げます。

また、この講座に対する助成をお願いした第10期田辺三菱製薬手のひらパートナープログラムの事務局様にも感謝を申し上げます。

2)QOL向上交流会を開催しました
テーマ:一般社団法人群馬ライトスクールのめざすもの
講師:代表理事 小針 智雄先生

1.開催日時:3月11日(土曜日)13時~15時
  施設見学:13時から13時半
  講演:13時半~15時(講演1時間、質疑応答30分)
会場」一般社団法人群馬ライトスクール(耀学舎)2F
   所在地:前橋市昭和町1丁目15の11
 電話:027-212-7572

※講演は群馬ライトスクール(耀学舎)と参加者の自宅を結びZoomによるオンラインのハイブリッド形式 で行いました。

参加者:20名
 ※一部の参加者には接続が悪くご迷惑をおかけしました。

施設の概要:まず直接参加した市橋から群馬ライトスクール(耀学舎)の施設を音声で参加者に伝えました。1階には玄関をはいると右に鍼灸の施術室と研修室があり、その横にはイングリッシュガーデンを眺められる待合、正面にはホールがあり、玄関から左は事務所となっています。重厚な木製の手すりを伝って二階に上がると、右は待合ホールで左は事務所と同じ大きさの会議室になっており、その横にカウンセリングを行う場所が設置されていました。施設全体が木質の素材を生かした机や椅子などがつかわれていて、とても落ち着いた雰囲気のある施設となっていました。

講演概要:
法人は設立して約3年半になる。代表理事の小針先生のこれまで歩んできた教員生活(高校17年、盲学校24年)の経験をお話しいただく自己紹介の中に、この群馬ライトスクールを仲間と設立した理由や目指すことがあるとの説明で講演が始まりました。盲学校での教員生活でのめりこんでしまった事がこの団体の設立の理由になっている。その理由について、
1)心の問題:ご自分の盲学校に転勤されたばかりの時に担任になった中途失明をした女子中学生との苦労を重ねた経験と通常のカウンセリングでは対応できない子供たちが全国にいることの現実を知り、ご自身の啓発に努められたそうです。

2)教科の話:地理や世界史を教える中で、視覚に障害のある子供たちにどう伝えるか大きな問題があり、触る教材づくりにかなり大きな時間を払ったそうです。そこから触るて感じる事への大切さ触ることによる心への影響について考えるようになったそうです。
3)勉強以外の事:つまり運動機能について、運動機能と脳の発達がリンクしていることに気づいたそうです。また、盲学校という手厚いケアを卒業すると、卒後の子供たちの環境は著しくなくなる現状がある事、就職しても長く続かない等、社会的に孤立する子供たちが多くいるなどの問題がある事も知ったそうです。

4)仕事について:卒業後の就職に関わる仕事もしていた関係で、視覚障害を持つ子供の就職では、障害者の法定雇用率が上がっても、視覚障害を持つ子供の雇用率は高まらない現状がある。例えば工場においては知的障害者や聴覚障害者は法的雇用率の恩恵にあずかるが、視覚障害者の場合はそれにあずかれないそうです。
 また、視覚障害者の職業のひとつである按摩まっさーじ・鍼灸師の仕事が難しくなっている。それは晴眼者の鍼灸の専門学校が乱立しているためで、視覚障害を持つ人の病院などへの就職就が難しくなっている。せっかく国家試験に合格して資格を持っても就職先がなくなっているという問題がある。だったら他の職種をと考えてもなかなか難しいのが現実であるそうです。
以上の4点の問題点を解決したいとの思いから、同じ思いを持つ仲間たちが自然に集まって、このような組織を作ったようです。

設立の理念は障害者晴眼者の共生社会モデルを作るということです。支援組織という言葉は使いたくないそうで、支援は行うが相互扶助の社会モデルを作ることのようです。
それは視覚障害を持っていることで本来、持っている潜在能力が隠されてしまっているという事にあるそうで、先生が盲学校に入ったときは、情報の70パーセントは視覚からと言われたが、今は90パーセントが視覚からと、社会は益々視覚偏重社会になってきている。これは見えるものだけを相手にしている社会になっているからと思っているそうです。
そんな中で、私たちは見えていないものをもっと大切にする事が必要であり、それは何かというと見えるもの以外で人間に与えられた能力をフル稼働する事でもっともっといろんなことができると考えているようです。
今ないがしろにされている能力として、皮膚感覚や触るという肌で感じる感覚ではないかと思っている。これは先生だけの独自の考えかも知れないが、視覚障害を持つ方を助けるというより、いっしょにやってゆきたいとの思いであるようです。
スタッフの仲には5人ほど視覚に障害を持つ人がいる。今日は経理を担当している志塚さんを紹介してくれました。
※ここで、紹介されたご本人から簡単な挨拶がありました。

簿記の資格を持っている志塚さんには、顧問弁護士の方とタッグを組んで、経理の仕事を助けてもらっているそうです。
また後で紹介をする小暮愛子さんには持っている資格を生かしてカウンセリングの仕事を開始したそうです。また最初に施設紹介にあったように、治療院を開設し、これも後でおはなしするように庄和町伝統医療研究会ということで3名の方に活躍をしてもらっているそうで、そういった能力やスキルを活かして、私たちの生活の質を高める事に、その能力を発揮してもらいたいと思っているそうです。

次に、群馬ライトスクールの現在行っている5つの分野についての紹介がありました。ただし、教材づくりは人手がなくまだ手を付けていないため、実際は4分野についての紹介でした。

1)生活支援について
歩行訓練や同行援護になります。歩行訓練については群視協会との関連で始めたもので、盲学校の教員として培ったスキルが生かせると考えたそうです。自分たちのやりたい事にも合致した。それは同行援護と合わせてQOLを高めることになると考えたそうです。
例えば旅行、障害者の伴走、朗読、生活訓練、学習やセミナー、施術の練習などに生かせるなど、通常の同行援護をされている業者さんではなかなか難しいことも先生たちの組織ができることがあると思ったそうです。
歩行訓練については群視協と関係し、4名のスタッフが関わっており、県内で唯一の歩行訓練士がいるそうです。基本的な訓練から訪問訓練も行っているそうです。

2)余暇活動について
フロアバレーをおこなっており、このスポーツのよさは公式ルールがあり晴眼者といっしょにできる事で、毎月20名以上の方が集まって対区間で練習をしている。ブラインドサッカーをやっている方や指導者の話を聞くと、普通のサッカーは二次元で行っているが、ブラインドサッカーを行っている者は三次元、つまり空を飛んでいる鷹が空から下を見ているような感じで頭に無視的な映像を描いてサッカーを行っているそうです。つまり先ほど話しがでたように、目の感覚ではなく多くの感覚を生かしているときいたそうです。フロアバレーでも同じように普段使わない感覚が養われるという事に意味があると思っているそうです。

3)就労支援について
先ほど話しがでたように、資格を取っても就職が大変厳しいため、ここの施設で働クコとにより収入が得られる(収入の10パーセントだけ群馬ライトスクールに光熱費として支払う)。予約業務な手間のかかる業務はこの施設にいるスタッフが手伝っておられるそうです。この施設で働いた方が患者さんを引き連れて独立した事例があるそうです。
資格を取っても就労が難しいということの根本的な問題として、東洋医学としてのこれまでの経緯について、江戸時代から第二次世界大戦後のアメリカ軍の占領下にあったときの、棟梁医学の扱いの問題についてのお話がありました。
見えないものが持っている能力を生かすため、昭和町伝統医学研究会という勉強会で、東洋医学の経絡や脈診について学び、将来はそれを生かしたものになればいいかなと研修をおこなっているそうです。

4)心の問題について
先生がいま一番問題と考えている心の問題について、この春から開設したカウンセリングについての話がでました。
※そこでカウンセラーになるJRPSの会員でもある小暮愛子さんから簡単な挨拶がありました。

心の問題は、障害者の持つ重層的なトラウマに対応する専門的なカウンセラーがほとんどいないことの問題であるそうです。
また、臨床事例も少なく、障害を持つ方の気質や年齢などによって回復の段階に差があり、その状態も行きつ戻つあるので、状態の見極めなど専門的な知識を持つ方のケアが重要。本人だけでなくそのご家族からカウンセリングをする必要性を語られていました。ピアサポートの持つリスクにも言及され、とても心に響くお話だったと思います。

質疑応答では当該団体が箕郷町に開設した約400坪の農園に対する質問があり、現在準備を進めているそうですが、これからの群馬ライトスクール様の進めようとしている夢のある事業を感じ取ることができました。とにかく小針先生の「命」に対する熱い思いを感じながらのご講演でした。
質疑応答の時間に、この日は東日本大震災から12回目の当日となりで、発生のあった午後2時46分の前橋市の一斉サイレンに合わせて、参加者全員で1分間の黙とうを捧げました。
(記述責任:市橋)


3)オンライン定例「ピア談話室」を開催しました
日ごろ相談をしたい事、困ったこと、何でも良いからこんなことを聴いてほしい、おしゃべりがしたいなどなど、みんなが集まって気軽にお話ができるオンラインの場所を作りました。
今年の1月15日(土)から毎月第三土曜日の夜に開催しました。
参加者:1月15日 11名、2月18日13名、
    3月18日14名

◆各開始時に簡単なテーマで参加者からお声出しをしていただいてのスタートです。今年やりたい事、地元のおいしい物の紹介などですが、盛り上がりすぎて、それだけで時間いっぱいを使ってしまった日もありました。まだまだ不慣れで、試行錯誤しながらの運営ですが、参加した皆様の心いやせる部屋になればと希望しています。

実施後の感想メールをいくつかご紹介します。
●こんにちは Aです。昨日のぴゅあ談話室に参加された皆様ありがとうございました、
会津の功ちゃん 遠くから談話室にいらっしゃいましてありがとうございます。 喜んでくれてありがとう。矢沢えいちゃんファンでドラマー 、かっこいいな。今度はぜひ演奏を聞かせてくださいね 待ってまーす。
たくさんの話題であっという間の二時間でした。ご当地の名物の話 沼田のみそパン
 熊本のお饅頭でしたか? 焼きまんじゅうはあんこ入りが好きか、あんはないほうが好きかなんて話も面白かった。  
皆さんの楽しい近況など 盛り上がりましたね。
そしてKさんのイギリスにいるお孫さん 今はイケメンの若者ですが 生まれたときは まるでキューピーみたいだそうで なんて かわいい(ニコニコ)。
今回の参加者にお誕生日のお祝いが4人もいたことにはびっくり、 2月 バンザーイ。
S・Mさん、 楽しい旅行期待していますね。ゴルフも楽しんでね。さて、3月の担当の方にバトンタッチです。よろしくね。
(記:2月担当役員のY・Aさん)

●こんにちは。太田市のS・Fです。
3月18日のピア談話室がとても楽しかったですね。皆さんのおいしいお勧めのお店がいっぱいで揃って全部に行きたいと思ってしまいました。
私は早速1つ取り寄せしてしまいました。Iさん、オススメの、沼田市のバームクーヘンです。
ホームページ見ながらこれはあたりだなぁと思いました(笑。
私は21時15分過ぎに入ったので、その他のおいしいものの情報もどなたか教えていただけるとうれしいです。
私はその時山口県山口市から入っていました。
遠隔地でも参加できるので、オンラインが普及して本当にありがたいです。
私がお勧めしたのは萩、井上商店のしそ、わかめ。
山口のういろうです。
我が家がいつもお取り寄せしているのは御堀堂と言うところです。
しそわかめはアマゾンで買えます。
御堀堂のういろうは電話して買うことができます。
よかったらどうぞ。(後略)
(記:S・Fさん)


(2)JRPS本部関係行事
1)令和4年度全国・部会代表者会議が開かれ次年度の運営
 方針が報告されました
・日:3月4日(土)13時~3月5日(日)14時半
会場:横浜障害者研修保養施設 あゆみ荘(横浜市)と各自宅
開催方法:オンラインによるハイブリッド形式

下記にスケジュールに沿って活動に関連する議題と共用品開発に関する講演会がありましたので紹介いたします。


《1日目》 総合司会 大隅理事 山下支援理事
1.開会・挨拶 13時00分~13時30分
2.オリエンテーション・出席確認
※協会未設立の青森県、山梨県、石川県、山口県、佐賀県、休会中の茨木健、静岡県以外、ほとんどの協会長と各部会代表者及び理事が会場ないしは自宅からオンラインで参加しました。

・.開会あいさつ 長澤理事長
※今回の会議は3年ぶりに対面を入れたオンラインとのハイブリッドでの会議を初めて開催することになった。ほぼ100パーセントに近い参加で、これからの会議の持ち方として、財政面の節約と言うことも含めて、意義ある会議になることを期待している。

・各担当理事からの説明(来年度事業計画等)
13時30分~14時40分
  伊藤理事
※すでに各会長にご案内のように、・6月25日に本部主催のミニコンサートと医療講演会を予定している。もし便乗する協会があれば声をかけてほしい。
・ピアサポート研修会を開催する協会は所定の手続きをとれば2蔓延の助成をだす(20協会限定)。
  大隅理事
QOLに関する4部会を作って、各ワーキンググループで月1度以上の委員会で検討会を実施中。
①福祉部会:福祉ガイドなどの作成、講演を実施予定(8月27日:同じ病気を持つ精神医 福場先生より)②.共用品の検討、③UD家電の検討、④就労についての検討
・ 菅谷理事
※募金担当として、ゆうちょ銀行の募金の振り込みの無償か、募金の小銭交換時の手数料の無料化などについて実現。
専用の講座を開設したので、こちらを利用するよう協会誌で告知する。また、コロナが落ち着いてきたので、街頭募金などへの協お願いしたい。
・  高橋理事:クラウドファンディングによる寄付の募集ページを作成するため、専門委員会を立ち上げる。
・長澤理事
※JRPs設立30周年記念事業を開催する予定。
令和6年10月16日 東京都内で開催予定。
・  西川理事:部会の現在の人数の紹介
シルバー61名、ユース50名、アイヤ海30名、親の会15名
・ 森田理事:ホームページ担当、世界網膜協会担当
ホームページについては引き続きホームページの音声化や見やすさの改善、SNS化についても進めている(ユーチューブ、,
ライン、フェイスブック)。
国際関係:2026年のRI大会はアイスランドのダブリン
で開催予定・ アジア関係では一度奪回をしていた台湾協会が復帰した。アジアでのつながりをもと大事にする必要がある。・矢野理事:世界網膜の日担当理事;2024年は神奈川県協会主催で9月23日・24日で開催する。
 ・山本理事:会員拡大委員会担当理事
会員4000名確保を目指して委員会で検討を進めている。
ロービジョン学会や視覚障碍リハビリテーション学会でポスターセッションでJRPSをアピールする予定。
 ・高木編集長
各教会からの投稿コーナーが一通り一巡したので、再度各教会からの会員紹介をお願いする。
また20周年を迎える協会が出てきているので、協会紹介などのコーナーも設ける。

「未来展望を考える」長澤理事長(20分)
※組織作りと財政面について考えてみたい。会員数については現時点で3600名程度近辺で増減をしている。なんとか4000名にしたいと思っているが、なかなか目標にたっすることができない。
 RI(世界網膜協会)の加盟国がどんな会員校正でやっているかの検討も必要であるが、慎重に進める必要もあり、明日森田会長からの世界の状況について説明をしてもらう。
・財産面については、現在、「網膜基金」という過去のNPO法人があり、その財産を公益社団法人として1団体にまとめた時に多少のお金があり、それを食いつぶしながら協会運営をしている状態。将来を考えると、人材と財産の確保をどうするか?JRPSではそのために、多くの委員会を、担当理事各協会長の協力を得ながら進めていることを理解してほしい。
「相談、共有、援助、価値、方法、人間」の六つのキーワードを大切にして協会運営を進めてもらいたい。

世界網膜の日関係:令和5年度主宰協会のJRPS神奈川会長より準備状況についての話あり。
9月23日(土)前夜祭、24日(日)助成研究発表及び記念 公園 ※詳細は協会氏5月号で

・.意見交換会 ①  15時00分~16時30分
 会員数拡大方策について 会員拡大 司会 山本理事
  事例紹介及び意見交換
事例紹介:   神奈川県、広島、山陰、宮崎より活動内容などの説明がありました。

参加した※市橋の感想;群馬は70名前後をここ10年以上続いているような状況で、難病指定をされている患者さんからの割合はほぼ神奈川県並みであり、けして少なくは
無いように思う。しかし神奈川同様に若年層の会員が少ないことは、その病気の告知の性格上当然ではあるが、もっと若い人に興味を持つような交流会や講演会などの開催が必要と思われた。
例えばほとんど知識のない、障害者年金などもっと詳しく話せる講師の選定などが必要と感じた。
また、各保健所、保健福祉事務所の難病相談会で網膜色素変性症を取り上げてもらい、そこに積極的に役員が関わる事が必要

10.1日目閉会 16時30分

《2日目》司会 山本理事
1.2日目開会 集合9時00分
2.講演・質問 9時15分?10時15分
星川支援理事
テーマ 障害の有無に関わらず共に使える「共用品」について
※講演の概要:
 1)星川理事さんのプロフィール:学生時代に難病の子供たちを支援するボランティアをしていて、遊べるおもちゃが少ないことに気づき、おもちゃのトミー工業に就職。そこで難病の子供も献上の子供も遊べるおもちゃ作りを提案した。その結果、業界全体で取り組む事になり日本玩具協会で取り上げてもらう事になった。
各業界の方が集まり、共用品推進機構という財団法人を設立して活動。
現在40社以上の起業から400名以上の人が集まり、共用品の開発や規格作り、普及推進を行っている。JRPSの理事として、視覚障害者の立場での共用品の企画等に関わっている。

1)共用品とは;30年から40年前は一般用品と福祉用品は別々に考えられていた。障害者や高齢者が使う用品と一般で使う用品が離れた条件で開発されていたが、様々な変化によって障害者も社会にでて活躍できるようなシステムや用品の開発の必要性が出てきた。したがってできるだけ共通に使える製品開発が必要性から出てきた。日本はまだ福祉機器などと別れているが、欧米ではあまりそのような分類はない。

一例:電動歯ブラシは手の不自由な人のためにアメリカで開発し、これが富裕層向けなど健常者に売れ始め世界に普及。
温水便座はスイスで手の使えない方に、アメリカでは痔の改善のために開発、それが日本のイナックスで導入し、普及までに時間がかかったが、日本初と思われるような製品になった。
最近の製品としては、適量が出る醤油さしや洗剤容器の開発などが共用品に当たるし、シャンプーやリンス、ボディシャンプーなどの容器にある手で触るとわかる印などが良い例。
工業製品は同じ容器でラベルを変える事でコストが安くできる
が、このことが視覚障害者などにとって、識別ができなくしている。

2)ニーズ調査:
91年から92年にいる星川さんの団体と日本点字図書館でで視覚障害者にアンケート調査をした結果、日常生活で困っている事で、シャンプーとリンスの識別、缶詰、調味料、紙パック容器、化粧品、整髪料、レコードやCDなどがあげられ、この結果を多くの企業や政府機関に配布をしたり直接お願いをしたそうです。
その結果、シャンプーやリンスの容器に手で触ってわかる印をつけるメーカーが出てきた。
江戸時代にすでにこのような共用品的なアイデアがあったそうです。それは、漉し餡と粒あんの入った桜餅では歯の表と裏で包むことで識別できるようにしていた文献を見つけたそうです実際に作ってもらい視覚障害者の方に手で触ってもらったら、これは裏か表かわかるということで、江戸時代にはすでにそのような知恵があったのではと思っているとのことでした。

3)規格づくり(ルール)
そんな「和菓子」の話を欧米人の関係者に話したところ、さすがシャンプーとリンスが識別できる国と褒められたそうですが、せっかくのアイデアが引き継がれていない事を知った経済産業省のメンバーがJAS規格にすればよいのではとの提案が出て、ルール作りを始めることになったそうです。
工業規格は上から下に降ってくるものと思っていたそうですが、業界や研究者、利用者が集まってルールを作って上に出すことで工業規格はできることを知ったそうです。
そこでシャンプーとリンスについて、業界や利用者などの検討とエビデンスを添えて企画案を提出して今の工業規格が実現したそうです。そのうちボデーシャンプーが出てきて、これについても企業、ホテル業界、使用者である視覚障碍者などを混ぜて検討し、今の横と縦の筋の入った規格ができた。次に詰め替え用などにも波及。
牛乳の紙パック、お酒の缶ビールなどへの識別点字、サランラップなどへの戸トツ時表記に進んでいる。
実は星川理事さんが今も所属する、トミ工業ーのリカちゃん人形にのおもちゃのシャンプーにも入っているので、政策担当者に聞いたところこれが当然だと思って付けただけとの事で、それぐらい日常的に一般化している。
その他、昇格障害、車いすを用いる方、高齢者などの調査を進めることで、共用のアイデアや規格につながっている。

現在JAS規格からJIS規格に代わってきているが、共用品の考え方は製品だけでなく、サービスにも広げる意味でより幅広くとらえようとしている。大きく分けると7項目で企画が決められている。
1相互理解(マークのようなもの))、2)安全性
、3)品質、4)互換性、5)環境保護
6)省エネ性 、7)消費者保護になる。
JIS規格(日本産業企画)についてはそれぞれの工業会ごとに決めてゆくが、国と共用品推進機構では皆さんと共有するものはこの組織で作ってゆくことになっているそうです。例えば洗濯機や電子レンジのスタート音や終了音が5千ヘルツの企画であったが、高齢者には聞こえないことが判明し、調査をして2500ヘルツにした、また表示の色の組み合わせなども白地に黒、黄色字に黒などの組み合わせが見やすい、オンオフのスイッチにボッチを付けるとかなどがある。点字も国際的に共通してなかったものを国際的に共通化した障害者や高齢者に配慮した。国際的なガイドを作ってなるべく共通規格にしようという提案をして、国際的な規格が進みつつある(日本1万、世界で2万種類)。

4)JRPSの共用品と今後
共用品などで便利になったものはたくさんあるが、まだまだ日常生活で不便だったり、困っていることが多いのも現実である。
現在JRPS本部ではQOL委員会の中に共用品のワーキンググループを作って、星川理事も入って困っていること、不便なことなどを集めている。行政や企業に伝える事が大切であるので、今後、会員へのアンケート調査を実施して、不便な事、これをやれば便利になることなどの調査をお願いする予定のようです。
(記述責任:市橋)

(休憩)10時15分~10時30分
3. 意見交換会②10時30分~11時30分 
司会 伊藤理事
※実際の不便な場面や、便利な事などを、公共の場、自宅の場を対象に会長や部会代表者で出し合った。
今後は各都道府県協会長を通じてアンケート調査をし、共用品の企画に反映させるとのことでした。
昼食休憩11:30?12:30
4.意見交換会③12:30?14:30
RJ化について 司会矢野理事
内容説明 森田理事
※RJとは:網膜・ジャパンの略称で、今回参加した会長・代表者のほとんどは初めて聞く言葉と意味。
つまり、RPjから網膜全体の病気に広げて会員確保をねらう目的が主であるように思われた。

ただ、実際のJRPSの上部組織は「RI」となっており、ふぁっさー会長は世界的にRP患者やその類縁疾患だけでなく、例えば日本でも近年急増している加齢黄斑変性症も会員にいれたらという提案でした。
今回理事会から初めて提案されたもので、賛否両論の意見がでました。
会員が増える可能性により財政面に好影響がでる、会員が増えれば公的機関や製薬会社への影響力が増すなどの賛成意見と加齢黄斑は高齢者に出る病気であり若年層との乖離や協会運営が難しくなる、研究助成など幅が広がりすぎる、全国の会員に十分知らせるべきなどの反対、慎重論もありました。

いずれにしても、まず会員に実情をしっかりと伝え、幅広い意見を受けて方向性を決めることになりました。

・閉会挨拶 加納副理事長 略
以上

2)第17回JRPS網脈絡膜変性フォーラムが開催されました
日時:2023年3月19日(日) 13時~15時30分(開場12時15分)
開催会場:龍谷大学 響都(きょうと)ホール 校友会館
(京都府京都市南区東九条西山王町31 アバンティ9階)

網膜色素変性症をはじめとする多くの網脈絡膜変性疾患に対する治療方法は、確立されていません。しかし、確実な診断と適切な補助具を使うことで、患者さんのQOLが大きく改善します。
今回は、現在の臨床の現場での状況を踏まえて、網脈絡膜変性患者を診察した際に、臨床医が今できる最善の診療について整理したいと思います。「網脈絡膜変性疾患に今できること」をテーマに、第一線で活躍する先生方にご講演いただきました。
今回は、会場とオンラインのハイブリッドで開催されました。

【講演テーマ:網脈絡膜変性疾患に今できること】
1.網脈絡膜変性疾患の正確な診断:角田 和繁
  (東京医療センター視覚研究部)
2.網脈絡膜変性疾患の遺伝子診断:堀田 喜裕
  (浜松医科大学眼科)
3.網脈絡膜変性疾患のリハビリテーション:清水 朋美
   (国立障害者リハビリテーションセンター病院眼科)
4.網脈絡膜変性疾患の遺伝カウンセリング:前田 亜希子
  (神戸アイセンター病院)

オーガナイザー:
近藤 峰生(三重大学眼科)
町田 繁樹(獨協医科大学埼玉医療センター眼科)

主催 公益社団法人 日本網膜色素変性症協会(JRPS)
後援 厚生労働省 公益社団法人 日本眼科医会
日本ロービジョン学会 公益社団、法人 NEXT VISION

※講演内容についてはJRPSホームページの会員ページにアップされていますので、正会員の方で視聴できなかった方や視聴しなおしたい方は会員ページよりご視聴ください。

※会員ページのログインのためのパスワードがわからない場合は、本部事務局か末尾のJRPS群馬事務局へお問い合わせください。

3.投稿コーナー
1)ノリ子のつぶやき        奈良 章子(前橋市)

つぶやき、その1:
「あ あ、今日も何もしないまま終えちゃった!」毎晩のように繰り返す私の呟き。
色々なことにチャレンジして輝いている周りの人たちを見ては、素直に感心するし拍手する。けれども、ノーテンキでVOP(Very Ordinary Peaple)な私は現状にかなり満足してしまっていて、「私は私。まっ、いっかあ。」となってしまう。やりたいことや、やらなければならないことを持つことは大切だとは思うが、これというものに出会えていないだけかも?と、自分を甘やかしている。
「みっつの願いを叶えてあげよう。」と言われたら、すぐに願いを口にできますか? 「何でも出来る魔法使いになる」、「病気が治る」も良いかも知れない。そこで、ノホホンとしたモノグサな私の気持ちは楽なほうへと流れてゆく。正しいとか美しいとか視点や時代に影響されないのがいい。様々な境遇で色々な考えの人がいるのだから「生きとし生けるもの全てがより幸せでありますように」と願ったら、幸せに囲まれて生きていけそう。「今ここが全て」と念じながら日々を過ごして、幸せな人たちと楽しくこの先を生きてゆきたい。

つぶやき、その2:
「あーあ、また一日が終わっちゃった。」 目的もなく何もしないまま過ごした毎晩繰り返す私のつぶやきです。視覚障碍者になってもいろいろなことにチャレンジしている人が周囲にもたくさんいらっしゃる。「素敵だな
、立派だな。」と思いながらも、ノホホンと何もしないまま私の日々が続いている。
「まっ、いっかあ。」とノーテンキに開き直り、うつを患うほどのイヤな過去は「あれはあれでよかったのだ。」とスルーして、楽しいことを優先させて今をハッピーに送るように思おうとしているのかも知れない。
 
いつのころからか香りの物が好きでした。見えづらい生活になってからは殊更です。花の香り、アロマや香水、そしてお線香などの和の薫りに心惹かれます。仏壇で好みのお線香を焚いたり、印香や練香作りをしている時に
は、とてもリラックスできて満ち足りた心持ちになれます。お値段が張るのは困りものですが、天然の材料だけで作るものには力があり安心感もあります。ただ好きなだけで源氏香もできないのですが、香道から遠くてもお
線香を焚くだけでも心地よいのです。季節の変わり目に出る蕁麻疹や頭痛にも塗香が役立っています。お酒をいただく機会が増える春には桜餅の香りが二日酔いの緩和にも効くと聞きました。心と体の調和のためにもお香を
使い続けたいと思っています。かの有名な一休さんが伝えたという効用を端的に表した詩文があります。その香十徳を紹介したいと思
い試みましたが、私には正しい漢字を入力するのが難しくて早々に諦めました。
 新たに興味を抱いているのは麻です。今年こそは精麻に触れたいと願い、ただいまワークショップに申込み中です。見えづらいうえに不器用な私にできるのか?と不安マックスですが、まずは箒とリースにチャレンジして
みます。「今ここが全て」と向き合えるようなものに出会うことを祈りながら・・・・。
 自分が楽しんでいるならば、私に関わる人もハッピー気分になってもらえるかなと思いたいです。誰の役にも立たずただのわがままで好き勝手しているとも言われるかもしれない日々です。それでも笑顔は伝染すると信じ
て、なるべくお気楽な毎日を笑顔で過ごしたいと願っている私です。


2)「乗馬記」            小暮 愛子 (前橋市)

 「馬に乗ってみたい」と思ったきっかけは馬の匂いが好きだからです。よく手入れされた馬は干し草のとても良い匂いをしています。週に一度、伴走者と一緒に利根川沿いのサイクリングロードをランニングしていると、上毛大橋をくぐってすぐのところに厩舎があって、そこから馬の優しい匂いと「ヒーン、ブルブルブルウ」という鳴き声が聞こえます。2年ほど馬たちを感じながら通りすぎる日々を過ごしましたが、直接馬に触れてみたくてその厩舎を所有している、A乗馬クラブの門を叩きました。ついに、今年3月、引馬で馬に載せてもらって馬場を一周する「体験乗馬」をすることができました。馬の名前はニュアージュと言う若くて白い馬で、背丈がとても高く、インストラクターの方の声が遥か下の方から聞こえてきます。新緑に包まれた自然豊かな場所、鶯の鳴き声を聴きながら馬に揺られる体験は他のどの経験とも違って格別なものでした。馬の体は大きくて温かく、体の揺れを通じて馬の動きが直接自分の身体に伝わってきます。 今から17年前、網膜色素変性症で全盲になった私には、「目が見えるようになったらやってみたい」ということが数えきれないほどたくさんあります。乗馬もまたそうした「いつかやりたいことコレクション」の一つでした。でも、そうやって目が見えるようになる日を待っていたら人生が終わってしまうのではないか?そんな思いに至ったのです。そうして、乗馬クラブの代表に視覚障碍者でも乗馬レッスンを受けることができるか、どんなことができそうかを一緒に考えていただき、マンツーマンレッスンで柵の中でならレッスンができるのではと言うことになりました。A乗馬クラブは競技特に障害(障害物を飛び越える)に力を入れていて、広い馬場を人馬一体となって走る「パカラ、パカラ!」という音と指導者の声が響き渡ります。とても自分のような者がいるべき場所ではないと思いつつも馬たちと触れ合いたい、また馬に乗りたいという気持ちに押されて5回の体験コースに申し込むことにしました。私のパートナーになったのは、アテネというおばあちゃんで、大人しい、けれど経験豊かな馬です。最初のレッスンは、操作法「停止」「発進」「左右方向の指示」などを習いました。かかとの内側を使って馬に指示を出しながら手綱を操り、騎乗姿勢も正して、とやることがいっぱいありすぎて家に帰ってからすぐパソコンを立ち上げて乗馬日記を書き始めました。記録を残すためと弾んだ気持ちを忘れないために。「「鐙」は足の裏の一番幅が広いところで踏み、かかとを下げること」「馬は力でなくバランスで乗ること」馬の感情表現の仕方や馬の好物など、教えてもらうこと全てが新鮮です。 4月も中旬に入った頃、「軽速歩」のレッスンが始まりました。軽速歩とは、速歩の時に馬の上で立ったり座ったりを「1、2、1、2」のリズムで繰り返す動作のことです。手綱と一緒に鞍についているサドルホルダー(安全ベルト)を持って、馬の動きに合わせてリズムを作ることで、大きな振動を逃していきます。アテネが地面を蹴った瞬間に立ち上がるとそのままポーンと空へ体が飛んでいってしまいそうです。馬を感じ、心を一緒にした時、ふとアテネが見ている景色を自分も見ているような錯覚を覚えました。「アテネ、すごい!すごいよ!!」レッスンが終わってから好物のりんごをあげました。食いしん坊のアテネは右前脚で地面を蹴って「もっとちょうだい!」と言う仕草をしていて、その動作の意味がわかると余計に可愛く思えました。 5回のレッスンが終わって本来なら乗馬クラブに入会するか否かの意思表示をしなくてはならない時期がやってきましたが、決断ができませんでした。なぜなら、乗馬レッスンは楽しいけれど今後、レッスンのレベルが上がった時についていける自信がなかったからです。そんな私の様子を見て、クラブの代表が体験コースをもう1クール延長してくれることになりました。視覚にハンディを持つ生徒は初めてだそうで、スタッフやインストラクターの方々がとても丁寧に関わってくれ、感謝の気持ちが溢れました。短い梅雨が明けると、馬たちの毛は夏の薄い毛に変わり直接肌に触れているようなさらりとした触り心地になります。いつものように鞍にまたがって手綱を引こうとするとその日のパートナー、リランが急に頭を強く振って暴れ出しました。しきりに体を動かし、後ろ脚を蹴りあげる動作をしています。「うわあ!!」状況の把握ができないまま、馬が勝手に動いてしまうのでとにかく驚いて声をあげてしまいました。すると、インストラクターが夏になると「サシバエ」と言ってその名の通り馬の血を吸うハエがよってきて、馬がそのハエを嫌がり体を使って追い払おうとしていると教えてくれました。サシバエの他にも夏の熱さが馬たちの体力を消耗させ、アグレッシブになる馬も。予想外の馬の動きに素早く対処することができず、次第に落馬の恐怖が頭から離れなくなっていきました。乗馬日記も書けなくなっていたある日、クラブの裏手にある利根川河川敷に外乗に行けることになりました。レッスンの時よりも馬の足取りは明らかに軽く、立ち止まってお気に入りの草をむしゃむしゃ食べ始めました。木陰に吹く風はひんやり爽やかで晴れ晴れした気持ちが心を満たしてくれました。可愛い馬との触れあい、豊かな自然、愛深い乗馬クラブの方々、ここには私の宝物が揃っている・・・。 迷いに迷い、勇気を出し、やっと今月、A乗馬クラブに入会しました。先のことは考えず、一回一回のレッスンを安全に楽しもう!そう心に決めました。正式にクラブメンバーになると乗馬レッスンを受ける前に馬の手入れや馬具の準備と言った「馬装」という作業が必要となります。まず最初に馬具をつける練習からスタート。馬の背にゲルパッド、ゼッケンを重ねその上に鞍を載せていきます。私は身長155センチなので馬の背に重たい鞍を載せるには両手をめいっぱい伸ばして掲げる必要があります。鞍の位置が真っ直ぐかを確認したら、今度は馬の腹に腹帯を締めていきます。次に馬が足を傷つけないようにプロテクターを装着。上下左右の向きを間違えないように自分の足につけて理解をしてから馬に装着します。そして、一番難しいのが頭絡です。右手で額革、項革をつかみ、左手の手のひらにハミをのせ、右手で馬の頭が逃げないように押さえながら、同時に左手でハミを口にくわえさせます。馬に咬まれないかひやひやしながら何とか頭絡をはめ込むことができました。馬具の装着方法に続き、今度は馬の手入れについて学びます。体の汚れやほこりをブラシで払い、タオルで拭いていきます。脚の裏の蹄を洗う作業は、馬がなかなか足を上げてくれないので、自分の肩を使って馬の脚を押し上げておきつつ、膝の間に挟んだホースの水とタワシで足裏を素早く洗います。私が1時間もかけてもたもた馬装をしているうちにおばあちゃんのアテネは立ったまま居眠りを始めてしまいました。汗びっしょり、靴はぐっしょり。でもこんな風にうまのお世話までさせてもらえるとは夢にも思わず、叫び出したいような達成感です。 今、この瞬間こそが何より大切で私の乗馬記は一枚一枚ページを増やしていけば良いのだと思っています。あせらず恐れず、馬との信頼関係を深め経験を積み重ねていきたいと思います。

※※この作品は全視連主催の第48回全国視覚障害者文芸退会
 随筆・随想の部第2位受賞作品です。


3)名無しのひょっとこ川柳
●お題:花粉症
・とめどなく 流れる鼻に 栓をする
・家じゅうで くしゃみの音が 共演し
・うずたかく ティッシュの山が 占領し

春が近づき、温かくなるのを待ちわびながらも、どこかにまた嫌な季節になるかも、と恐れる気持ちもある春。
やっぱり、こうなるんだなと、家じゅうで我慢の日々が続いています。ティッシュの箱の終わりが早いと妻にぼやかれています。

●お題:争い
・空(そら)見上げ 届かぬ思いを 遠い地で
・戦争の リアルを眺める 虚しさで
・国連は 教科書のみの 組織です

戦争を」侵攻」という言葉のまやかしが、またこの21世紀時代に頭をもたげている現実、宇宙からETでもなんでも侵攻してくれば、SFの世界のように地球号はまとまるのではと、突拍子もない事を考えるくらい、何とかしてほしいと思う日々です。亡くなられた多くの命に、心から祈るばかりです。

●お題:政(まつりごと)
・おじんでは  子育て政策 大丈夫?
・誰がした こんな国と なすりあい
・悪いのは 使わぬままの 選挙権

※国会中継を見ながら何時も感じる、日本の政(まつりごと)に対する虚しさ。三流、四流とぼやいても、正す力は国民そのものにしかできないんだと小さな小さな1票だけれど、介助の方に助けられて思いを込めて投票しようと思っています。


4.JRPS群馬事務局からのお知らせとお願い
1)「青い鳥〒はがき」のご寄付をお願いします。
 今年も、例年のように無償配布されます。期間は4月3日から5月31日まで、対象は障碍者手帳1級ないしは2級をお持ちの方です。最寄りの郵便局で必要事項をご記入いただき窓口に提出しますと、4月20日以降に郵送でご自宅に届けられるそうです。
ご寄付頂いた葉書は協会活動のお知らせや案内に使わせていただきます。


2)暗所視支援眼鏡(㈱Vixion製)を日常生活用具として助成対象としてご希望の方はお知らせください。

現在群馬県では、伊勢崎市、みどり市、沼田市が助成対象として制度化されています。このメガネを日常生活用具として助成対象となるためには、各市町村ごとに申請し認可される必要があります。
JRPS群馬としてご希望の方がおられる場合は、助成対象になるように働きかけをする予定ですので、ご希望があれば末尾の事務局にご相談ください。
尚、6月25日開催の定期総会の併設行事として、このメガネを会場でたいけんできるよう準備を進めています。

3)JRPS群馬通信への投稿をおねがいします。
 エッセイ、詩、短歌、俳句、川柳など、皆様からのご投稿をお待ちしています。
ご投稿は、下記JRPS群馬通信事務局メールないしは郵送でお願いいたします。

5.編集後記
 ここ群馬の最北の地にもやっとサクラ色の美しいシーズンがやってきています。今年は例年より2週間以上早い開花で、例年なら群馬の南と北では約1か月間、花を楽しめるのですが、今年はかなりショートカットになりそうですね。花が散ると、いよいよ近隣の山々は新緑がすがすがしく輝くシーズンに入ります。
そんな時期に、令和4年度最後の群馬通信を発行いたします この一年を振り返ってみますと、 令和4年度はコロナ禍の仲をぬって、3年ぶりの対面での定期総会や秋の一日バス旅行、忘年会など対面行事を少し増やして実施できました。また、生活の質(QOL)を向上する一役になるとの思いから企画した、田辺三菱製薬第10期手のひらパートナープログラムの助成を受けて実施した「見えなくても使えるスマホ講座」を無事終了することができました。第1期、第2期の対面とオンラインでの講座を合わせると延べで736名の参加を頂きました。iPhoneの読み上げ機能「ボイスオーバー」を使うことで、音声を聴くだけで様々な機能を感嘆に使え、一人でもできる事が増え、日常の活動の幅が広がる実感を得られたならば、規格をした事務局としてもうれしく思っています。
 令和5年度は新型コロナウイルスの感染状況を見ながら、オンラインでの活動に加え、対面での交流会の機会を増やす活動をしたいと思っております。

 最後に令和4年度の皆様からの協会活動に対する温かいご支援とご協力に感謝を申し上げるとともに、令和5年度も「明るくて元気な群馬」を目指して役員一同協力し合っていきますので、引き続き皆様のご協力をお願いいたします。

発行日:2023年4月吉日
JRPS群馬通信編集局(市橋、秋谷、飯塚)
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
群馬県網膜色素変性症協会(JRPS群馬)
JRPS群馬事務局 市橋 映二
〒378‐0031
群馬県沼田市薄根町3694-14
電話:0278‐22‐2408(携帯:080‐5535‐5834)
メール:ichiha@green.ocn.ne.jp
URL:http://www.jrps.org/gunma/local/
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

トップへ戻る                       

JRPS群馬通信へ戻る