あぁるぴぃ広島 46号


■ボランティア通信

 東北視察研修を終えて
     ガイドヘルパーグループあゆみ会 代表 渡辺早苗(福山市)

 こんにちはガイドヘルパーグループあゆみ会代表の渡辺早苗です。、あゆみ会の先 輩たちが30数年前に皆さんとのお付き合いの道筋を作ってくれて今のあゆみ会があり ます。そして楽しい交流に感謝しています。
 私は6月29日から30日までの2日間『東日本被災地状況研修』に参加することが出来 ました。1年4か月過ぎての視察研修は私たちに何が出来るのかを考えての出発でした。
 新聞 テレビなどの情報ではなかなか伝わってこないことが、現地に参加すること により身近に知ることが出来ました。自分の目で見て知り 肌で感じる被災地の現状 は、とても衝撃的でした。同じ町であっても、市街地が緩やかであっても復旧をして いるのに、郊外や沿岸部は殺伐とし、がれきの山でした。荒涼とした風景が浜辺に広 がっていました。一瞬、同じ小さな町なのにと驚きを隠せませんでした。国道を挟ん で地域ごとに復旧・復興の度合いが違うことにも気が付きました。
 ニュースや新聞では知ることのできない、さまざまな現実がそこにありました。土 台だけが残る多くの住宅地、荒れて手の付けられていない田畑 海水がたまっていた り、いまだに分別されていない生活資材が廃棄となり積みあがっていました。
津波の悲惨さを伝える建物がそのままになっていたりなど、いまだに津波の傷跡があちこち に生々しく残っていました。
訪問前は、瓦礫や泥まみれの空間が広がっているのかと思っていましたが、瓦礫の撤去作業は少しずつですが進み、仮設住宅も設置されてい て、不便であってもある一定の生活が確保されていました。
まだまだ、震災の爪痕が残ってはいますが、支援を受けつつ自立に向けて前向きに一歩ずつ前進する状態にな っているのだと感じました。
高齢者や障がいを持つ人々が逃げまどい、子どもたちが取り残された現実。そんな思いを皆さん微力な私たちに当時の話をされました。配食 給水 居住のことなど不安は多くありますが泥出しなどに、中学生 高校生大学生と 若いボランティアさんが駆けつけてこられ 助けられたことなどを話されました。
給水車までたどり着けない高齢者 情報が伝わらない障がい者 不安いっぱいの子どもたちの様子。それでも助けたり 助けられたりとしながらの日常生活。その姿には感謝の思いがあふれていました。
 このたび1年4か月たってからの東北研修でしたが、自分に何が出来るのか、力な さを痛感しました。がれき一つ 汚泥はスコップ1杯も住民の生きた証しだと思いま す。軽々しく瓦礫などとは言えません。私の心の中で住民の生きてきた証の宝物だと 思いました。豊かな自然環境に恵まれた、暮らしよい町が一瞬の津波で壊れてしまい ました。すべてが夢であれと願ったと思います。
 しかし皆さんは自然から与えられた東北の恩恵を大切に守りながら、幸福な生活を 実現するために、助けたり 助けられたりと1人1人が努力しておられました。私も もっと笑顔で接して声を聴き、耳を傾けられる自分でありたいと思いました。
 次回訪れる頃は満開の桜と特産のイチゴがたわわに実っている東北になっていてほ しいものです。
 それでは皆さん、3月24日(日)の料理教室で、お会いしましょう。


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