ボクらのNEWS[2010年度まで]




新聞記事などのごく簡単な要約を掲載します。
(「再生医療」「遺伝子治療」「人工視覚」「その他」)

[更新日 : 2015年7月31日]





■大阪大の山下俊英教授と東北大の高井俊行教授らの研究チームは、
神経細胞にある特定の酵素の働きを抑えて、視神経を再生させることにマウスで成功した
(1日付の欧州科学誌「エンボジャーナル」電子版に掲載)。
 同チームは、神経細胞で働く酵素「SHP」が神経の再生を妨げていることを発見
。生後8週のマウスの視神経を損傷させた上で眼球にSHPの働きを抑える物質を
投与したところ、2週間後には視神経が再生した。
[2011/3/2 京都(共同) 日経]




■理化学研究所発生・再生科学総合研究センター・網膜再生医療研究チームの高橋政代チームリーダーらは、
カニクイザルの皮膚からiPS細胞を作り、視細胞に栄養分などを補給する
「網膜色素上皮細胞」に変化させ、サルの目に移植することに成功した。
約2か月たった現在も異常はなく順調に定着している。
 人に近いサルでの成果により、iPS細胞を使った世界初の臨床応用に近づいた。
3月に東京で開かれる日本再生医療学会で発表する。
[2011/2/18 読売]




■東京工業大の赤池敏宏教授らの研究チームは14日、
「細胞用まな板」と名付けた新しい培地を用いて、マウスのESやiPS細胞を培養し、
90%以上の高い効率で肝細胞に作ることに成功したと発表した
(英科学誌「バイオマテリアルズ」電子版に掲載)。
 同チームは、培養皿に敷き詰めた、加工した蛋白質カドヘリンの上で培養すると、
ESやiPS細胞が塊にならず、均一に広がったまま増殖でき、さらに、
分化を促す物質を与えると、90%以上(従来は約10%)の効率で肝細胞になることを
確認した。がん化するとされる未分化の細胞はほとんど残らなかった。
[2011/1/14 毎日 日経 共同 時事]




■大阪バイオサイエンス研究所の古川貴久研究部長らは、マウスを使った研究で、
光をキャッチするアンテナである視細胞の繊毛の長さ調節機構の破綻が、
網膜色素変性症の原因となりうることを世界で初めて発見した。
(米国科学アカデミー紀要オンライン版で公開)。
 研究グループは、視細胞に発現するリン酸化酵素(セリンスレオニンキナーゼ)Makが、
原因遺伝子の1つのRP1たんぱく質の活性をコントロールすることで、
繊毛の長さ調節を行っていることを発見した。
 この仕組みが壊れると、繊毛が伸びすぎて長くなり、視物質が細胞体に蓄積して
視細胞の細胞死が引き起こされ、網膜色素変性症につながることが分かった。
 これは、網膜色素変性症の新しいメカニズムの解明であり、診断法や治療法の
開発に向けて一歩前進したと言える。
[2010/12/7 科学技術振興機構]




■大阪大学大学院医学系研究科の不二門尚教授と神田寛行助教らの研究グループは、
網膜色素変性症で視力を失った女性患者2人に、人工網膜を1か月間埋め込み、
視力を回復させることに成功した。
 患者は、光を感じ取ることができるようになり1人は、机の上に置いた茶わんや
箸箱の位置がわかるようになるまで視力を回復できた。
 人工網膜を装着したまま日常生活を送り、1か月にわたって効果と安全性を
確認できたのは、国内で初めて。
 2年後には、より性能の良い新型の人工網膜を使った試験を行う予定。
[2010/12/5 読売 NHK 産経 共同 毎日]




■米バイオ企業のアドバンスト・セル・テクノロジー社は22日、
「スターガルト病」(若年者の失明につながる黄斑変性)の患者に対する
ヒトES(胚性幹)細胞を使った臨床試験を実施する承認を、
FDA(米食品医薬品局)から得たと発表した。
ES細胞による治験は10月に、米ジェロン社が脊髄損傷の患者を対象に始めたものに続き2例目。
 治験では、ES細胞から作った網膜色素上皮細胞を12人の患者の網膜に移植して
安全性などを調べる。加齢黄斑変性に応用することも視野に入れている。
[2010/11/23 読売 日経 11/24 朝日 時事]




■神戸市の先端医療センター病院(平見恭彦・眼科副医長)と、
理化学研究所発生・再生科学総合研究センター(高橋政代チームリーダー)の研究グループが、
加齢黄斑変性の患者に対して、iPS細胞(人工多能性幹細胞)から作製した
網膜色素上皮細胞を移植する臨床研究を2013年度にも始める。
iPS細胞による世界初の臨床研究となる可能性が高い。
 5人程度の臨床研究で有効性や安全性などを確認し、16年度には、
一般の治療として承認を受けるための臨床試験(治験)を始めたいという。
[2010/11/18 神戸新聞]




■独レティナル・インプラント社と独テュービンゲン大学眼科研究所(エーベルハルト・ズレンナー教授)の研究チームは、
「網膜下埋め込み型人工眼」で、網膜色素変性症の患者の視力を劇的に回復することに成功した
(3日、英国王立協会紀要に発表)。
 この装置は、1500個の光センサー(38×40ピクセル)からなるマイクロチップを
網膜の下に装着する方式。
 論文によると、被験者3人は全員、物やその形を認識することができるようになり、
そのうち1人は部屋の中を歩き回ったり、時計を読んだり、
7段階の灰色のグラデーションを見分けることさえもできた、という。
[2010/11/11 AFP(Agence France-presse)]




■カナダ・マクマスター大の研究チームは、ヒトの皮膚細胞をiPS細胞
(人工多能性幹細胞)を経由しないで、血液前駆細胞に直接変えることに成功した
(7日付の英科学誌「ネイチャー」電子版に発表)。
 研究チームは、レンチウイルスをベクター(運び屋)に使い、皮膚の細胞に
「OCT4」という遺伝子を導入。サイトカインという蛋白質を加え、造血幹細胞を作成、
赤血球などの細胞に分化させた。
 マウスでは既に英米で、神経や心筋などの細胞の作製例の報告がある。
[2010/11/8 毎日 読売 共同 時事]




■国立成育医療研究センター研究所(東京都世田谷区)の阿久津英憲室長らの研究グループは5日、
ES細胞(embryonic stem/cell ヒト胚性幹細胞)を3株作成することに成功したと発表した。
 ヒトES細胞の作成は、国内では2003年の京都大再生医科学研究所に次いで2施設目
。京大のES細胞株に比べ、より安全性が高い培養方法を開発した。
 米国では、1998年にウィスコンシン大学が初めて作製、再生医療への応用に向け、
iPS細胞よりも研究の積み重ねがある。今年10月に、バイオベンチャーのジェロン社が
ES細胞を使って脊髄損傷の患者を治療する世界初の臨床試験を開始。
日本には臨床応用を前提とした作製指針がないため、ES細胞を治療に使うことはできない。
[2010/11/5 毎日 日経 共同 時事 NHK 11/6 読売]




■厚生労働省は29日、大学などがiPS細胞(新型万能細胞)などを臨床研究に使う際の指針を、
11月1日に施行すると発表した。
 iPS細胞の臨床応用を認めた指針は世界初。
iPS細胞については、患者本人の治療に使う「自家移植」だけでなく、
他人の細胞から作ったものでも治療に利用できる「他家移植」も認めている。
 また、研究機関の倫理審査委員会と厚労省による2段階審査を受けることや、
患者に正しい知識を伝えること、患者団体の意見にも配慮することなどが規定されている。
[2010/10/30 読売 日経[




■米医薬バイオベンチャー企業のジェロン(本社カリフォルニア州)は11日、
ジョージア州アトランタの病院に入院している脊髄損傷の患者に対して、
ヒトES細胞(胚性幹細胞)を使った世界初の臨床試験を開始したと発表した。
 脊髄の損傷が起きてから2週間以内の患者を対象に、ヒトES細胞を分化させた
「オリゴデンドロサイト前駆細胞(OPC)」を患者の損傷部位に注入して神経再生を
促すもので、今回はその安全性を確認する第1相試験。
 同社は昨年、FDA(米食品医薬品局)から治験の認可を得ていた。
米国の別のベンチャー企業も昨年、黄斑変性の患者の治療の治験をFDAに申請している。
[2010/10/12 朝日 毎日 読売 日経 共同 時事 NHK[




■ハーバード大学医学部のデリック・ロッシ博士らの研究チームは、
iPS細胞(人工多能性幹細胞)を、安全に効率よく作製する新手法を開発した
(30日、米科学誌「セル・ステムセル」電子版に発表)。
 人工的に合成した伝令RNA(リボ核酸)を皮膚の細胞に入れ、
狙った4種のたんぱく質を作らせた。
遺伝子を改変しないため、がん化の恐れが少なく、
従来の手法より速く効率的にiPS細胞を作製することができた。
[2010/10/1 読売 日経 共同]




■自然科学研究機構・生理学研究所(愛知県岡崎市)の小泉周・准教授らの研究グループは、
マウスの網膜を体外に取り出し、光を感じる能力を保ったまま組織ごと培養することに成功した
(24日、米科学誌プロス・ワン電子版に発表)。
 独自に開発した培養皿に、眼球からはがした網膜を入れ、1分間に55回以上回して揺らすと、
光を感じる機能を失わず、4日間健康な状態で培養することができた。
網膜疾患治療薬の研究等への活用が期待できるという。
 また、光を電気信号に変換できる遺伝子を、培養した網膜内に入れることにも成功。
遺伝子治療の研究や、新薬候補物質のスクリーニング(探索)などに活用できる可能性があるという。
[2010/9/24 日経 共同]




■理化学研究所発生・再生科学総合研究センターの網膜再生医療研究チーム(高橋政代チームリーダー)は、
網膜色素変性症の患者の皮膚からiPS細胞(人工多能性幹細胞)を作り、
視細胞に分化させることに世界で初めて成功した。
 同チームは、これまでに同意を得た先端医療センター病院(同市中央区)の7人の患者の皮膚から視細胞を作り、
原因遺伝子の分析を進めている。
[2010/8/19 神戸新聞]




■奈良先端科学技術大学院大学の中島欽一教授らのグループは、
脊髄を損傷させたマウスに神経幹細胞を移植し、
さらに抗てんかん薬の一種である「バルプロ酸」を注射して、
約7割の脊髄損傷マウスを歩けるまでに回復させることに成功した
(16日付の米科学誌「ジャーナル・オブ・クリニカル・インベスティゲーション」電子版に掲載)。
「同グループは、バルプロ酸を併用することにより通常1%以下のニューロンへの分化率を
約20%に向上させることに成功、それが傷ついた神経をつないでいた。
[2010/8/17 朝日 毎日 産経 読売 日経 共同 時事]




■京都大学iPS細胞研究所の中川誠人講師と山中伸弥教授らの研究グループは、
ヒトiPS(人工多能性幹)細胞の作成に必要な4つの遺伝子のうち、
がんを引き起こす恐れのあるc−Mycに代えて、
よく似たDNA塩基配列を持つ「L―Myc」を用いて、
がん化の危険性を大幅に減らすことに世界で初めて成功した
(27日付の米科学アカデミー紀要(電子版)に掲載)。
 同研究グループは、L―Myc遺伝子を用いて作成したiPS細胞では、
マウスの2年間の観察でがんがほとんどできないことや、
ヒトiPS細胞の作製効率が約5倍高くなることを確認。
また、iPS細胞の質についてもc―Mycを使った場合とほぼ同等で、
全身の細胞に分化できることも確認した。
[2010/7/27 朝日 読売 産経 日経 共同 時事 NHK 7/28 毎日]




■大阪大学の不二門尚(ふじかど・たかし)教授(感覚機能形成学)の研究グループは、
国内で初めて人工視覚の臨床試験に成功した。
網膜色素変性症の女性の左眼球の裏側(※強膜と脈絡膜の間)に手術で7ミリ四方の電極チップを埋め込んだ。
額につけた小型カメラで撮影した画像を処理して、
耳の後ろに埋め込んだ電力・画像データ受信装置に電波で画像を送り、
電極が視神経を電気刺激して脳に伝える仕組み。
 女性は、黒い幕の前に置かれた白いはし箱を動かすとその位置を手で追うことができた。
「はし箱が豆粒のような白い光として見え、動かすとその光がどこに動いたかわかった。
 同グループは、年内に網膜色素変性症の患者5人に臨床研究を行う予定。
今後さらに電極の数を増やして、画像をより鮮明にできるか確かめる。
[2010/5/1 朝日]




■東京都神経科学総合研究所分子神経生物学研究部門の行方和彦研究員(分子生物学)と
原田高幸部門長(眼科学)など日米の共同研究チームは、
マウスの実験で視神経を再生させる仕組みを突き止めるとともに、
傷付いた視神経を再生させることに成功した(米科学アカデミー紀要に発表)。
 同チームは、神経細胞でしか働かないDock3(ドックスリー)というたんぱく質に着目。
 Dock3は、視神経の先端で細胞の骨格を作る仕組みに刺激を与え、
再生を促すとみられる。
 視神経は、網膜で受け取った視覚情報を、眼球から脳に伝える働きをしている。
ヒトの場合、網膜表面に並んだ細胞体から長さ約7センチの視神経が約100万本、
脳に向かってコード状に伸びている。
[2010/5/2 毎日]




■東北大大学院医学研究科のの出沢真理教授と京都大の藤吉好則教授らの研究グループは、
ヒトの皮膚や骨髄から、神経や筋肉、肝臓などのさまざまな細胞に変わる幹細胞を
効率的に抽出し、増殖させる技術を開発した(19日付の米科学アカデミー紀要に発表)。
 この幹細胞は、ES細胞、iPS細胞に次ぐ第3のヒト多能性幹細胞として
「Muse(ミューズ)細胞」=ストレスに強い多能性細胞を表す英語の頭文字=と名付けられた。
 「Muse細胞」は遺伝子を組み込む必要がないのでがん化の心配が少ない。
マウスの損傷した皮膚や筋肉、肝臓に投与すると、それぞれの組織の細胞になった。
[2010/04/20 NHK 朝日 毎日 読売 産経 日経 共同 時事]




■米スタンフォード大の研究チームは、iPS細胞(人工多能性幹細胞)を使わずに、
マウスの胎児の尾の皮膚細胞に3種類の遺伝子を導入し、直接神経細胞に変化させることに
成功した(27日付の英科学誌ネイチャー・電子版に発表)。
 この神経細胞は「iN細胞」と名付けられたが、この方法によると、
iPS細胞を経由するより早く、効率的に作ることができる。
また、iPS細胞のようにさまざまな種類の細胞に変化したり、増殖する能力がないので、
がん化のリスクが少ない。再生医療の新しい手法として注目される。
*慶応大・岡野栄之教授の研究チームは27日、マウスの線維芽細胞に複数の遺伝子を導入し、
直接神経幹細胞を作り出すことに成功したことを明らかにした。
 導入した遺伝子は、米スタンフォード大とは異なり、
できた神経幹細胞から、神経細胞や神経細胞の働きを支える「グリア細胞」を
分化させることにも成功したという。
[2010/01/28 毎日 読売 日経 時事 共同]




■東北大学国際高等融合領域研究所の富田浩史准教授と菅野江里子助教らの研究グループは、
緑藻類・クラミドモナスの光を感知できる遺伝子(チャネルロドプシン2)を、
失明させたラットの神経節細胞に注入して視細胞の機能を代替させ、物の動きや
色の濃淡の判別などで正常なラットとほぼ同等の視覚を回復させることに成功した
(4日付の米科学誌プロスワンに掲載)。
ただ緑藻の遺伝子は青色しか感知できないなどの課題もある。
[2009/11/5 共同通信 11/6 河北新報]




■文部科学省は24日、iPS細胞(人工多能性幹細胞)の実用化に向け、
今後10年で達成するべき研究目標を定めたロードマップ(行程表)を公表した。
 再生医療や生命科学の研究者ら30人に聞き取り調査を実施し、組織や細胞ごとに、
動物実験やヒトでの臨床研究の開始時期の目安などを提示した。

☆iPS細胞の研究目標と対象の病気
○iPS細胞から作成する細胞 ○人での臨床研究 ○対象の病気や症状
網膜色素上皮細胞     5年以内    加齢黄斑変性症
視細胞          7年以内    網膜色素変性症 
角膜           7年以内    角膜のヤケドや損症
心筋           5〜7年後   心筋梗塞
血小板          5〜8年後   複数回にわたる輸血
中枢神経系        7年より先   脊髄損傷、パーキンソン病
造血幹細胞        7年より先   白血病
赤血球          10年より先  珍しい血液型患者への輸血
骨・軟骨         10年より先  骨折、変形性関節症
 骨格筋          10年より先  筋ジストロフィー
肝臓・膵臓、腎臓 10年より先  肝不全、糖尿病、腎不全
[2009/6/25 朝日 毎日 読売 日経 京都(共同)]




■米ハーバード大のキム・カンスー准教授らの米韓の研究チームは、
遺伝子やがん化などの危険性があるウイルスを使わずに、
蛋白質だけでヒトiPS細胞(人工多能性幹細胞)を作製することに、
世界で初めて成功した
(29日、米科学誌セル・ステムセル電子版に発表)。
 ウイルスを使う従来の方法に比べ、iPS細胞の作製効率は10分の一と低く、
作成に2倍も時間がかかるが、細胞の性質は従来と同等である。
[2009/5/30 朝日 毎日 読売 産経 日経 京都(共同)]




■米スクリプス研究所のシェン・ディン准教授と
独マックスプランク分子医薬研究所のハンス・シェラー教授らの研究チームは、
マウスのiPS細胞(人工多能性幹細胞)を、4つの遺伝子を細胞内に入れずに作る、
より安全性の高い方法を世界で初めて開発した
(23日付の米科学誌セル・ステムセル電子版で発表)。
 研究チームは、大腸菌を使って4遺伝子から作成したたんぱく質を、細胞膜を透過しやすく改造し、
ウイルスを使わずにマウスの細胞内に入れてiPS細胞を作成。
蛋白質(プロテインprotein)の頭文字を取り、「piPS細胞」と名付けた。
[2009/4/24 朝日 毎日 読売 時事 共同など]




■慶応大学総合医科学研究センターの松崎有未准教授らの研究グループは、
骨髄の中からiPS細胞になりやすい間葉系幹細胞を選び出し、これを培養して
10%の確率でiPS細胞を作ることに成功(従来の方法では1%以下)、
東京で開かれている日本再生医療学会で発表した。
[2009/3/6 NHK]




■東京大医科学研究所の中内啓光教授らの研究チームは、ヒトの血液からiPS細胞
(人工多能性幹細胞)を作ることに成功した。採血で可能になれば、
患者の負担が軽い再生医療の実現につながる。
5日から開かれる日本再生医療学会で発表する。
[2009/3/5 朝日]




■慶応大の坪田一男教授(眼科学)らの研究チームは、マウスのiPS細胞から
角膜の上皮細胞を作り出すことに成功した。
拒絶反応を起こさない移植の実現につながる成果で、
5日に東京で始まる日本再生医療学会で発表する。
[2009/3/2 読売]




■英エディンバラ大の梶圭介グループリーダーらの研究チームと、
カナダのトロント大などの研究チームは、
発ガンリスクのあるウイルスベクター(遺伝子の運び屋)を使わない手法で、
ヒトiPS細胞(人工多能性幹細胞)を初めて作製することに成功した
(2日英科学誌ネイチャー電子版に同時発表)。
 マウスiPS細胞では昨年10月に、京都大の山中伸弥教授らの研究チームが成功している。
[2009/3/2 NHK 朝日 毎日 読売 京都(共同) 時事]




■慶応大学の岡野栄之教授と坪田一男教授らの研究グループは、
網膜色素変性症の患者(50代・女性)の皮膚細胞に3種類から4種類の遺伝子を組み込み、
2か月間培養してiPS細胞(人工多能性幹細胞)を作ることに成功した。
アメリカではALSやパーキンソン病の患者で成功しているが、網膜色素変性症は世界で初めて。
 同研究グループは、今回作成したiPS細胞から視細胞を作り、病気の原因の解明や
新しい治療法の開発に役立てたいとしている。
[2009/2/3 NHK]




■山中伸弥・京都大教授と沖田圭介・助教らの研究グループはマウスの実験で、
がんになる恐れのあるレトロウイルスを使わずにiPS細胞(人工多能性幹細胞)を作ることに成功した
(9日付の米科学誌サイエンス電子版に発表)。
ウイルスを使わない作製法は世界で初めて。
 同研究グループは、レトロウイルスの代わりに大腸菌などが持つ環状の遺伝子
「プラスミド」を用いて、4つの遺伝子をマウスの胎児の皮膚細胞に導入した。
 できたiPS細胞は、導入した遺伝子が染色体の中に入り込みにくく安全性が高いこと、
筋肉や神経、皮膚の組織に変化する能力があることも確認された。
[2008/10/10 NHK 朝日 毎日 読売 産経 日経 京都 時事]




※米ハーバード大のコンラッド・ホッフェリンガー准教授らのチームはマウスの実験で、
がん化する恐れのあるレトロウイルスを使わずに、細胞内に入るが細胞核には入り込まない
アデノウイルス(風邪ウイルスの一種)を用いて、がんの危険性の少ない
iPS細胞を作成することに成功した
(25日付の米科学誌サイエンス電子版に発表)。
[2008/09/26 NHK 朝日 読売 京都(共同) 時事 2008/10/06 毎日]




■京都大学は11日、iPS細胞(人工多能性幹細胞)の基本的な作成手法に関する特許が
日本国内で初めて成立した、と発表した。
 マウスやヒトの皮膚などの体細胞に4種類の遺伝子を導入しiPS細胞を作成する技術で、
国内の大学や非営利の研究機関には無償で特許技術を提供するという。
現在、米国など20数カ国に出願中。
[2008/9/12 朝日 毎日 読売 産経 京都 時事]




■京都大学の大谷篤史助教らはマウスの実験で、
網膜色素変性では骨髄から末梢血を経由して幹細胞が誘導され、
主にマイクログリアという細胞に分化していることを発見。
骨髄移植などに使う「GCSF」と、貧血治療などに使う「エリスロポエチン」の2種類の薬剤を投与して、
骨髄由来細胞の網膜修復・保護機能を高め、病気の進行を遅らせることに成功した。
 来年にも患者10人前後を対象に臨床研究を始める方針で、3―5年後の実用化を目指している。
[日経ネット関西版 2008/09/01 その他]




■NEDO技術開発機構、埼玉医科大(三谷幸之介教授)と京都大(中辻憲夫教授)らの研究グループは、
ヒトES細胞(胚性幹細胞)に遺伝子を導入するのに用いる
「アデノウイルスベクター」(ベクター:遺伝子の運び屋)を改良し、
遺伝子の操作効率や正確さを大幅に向上することに成功した
(26日付の米科学アカデミー紀要・電子版に発表)。
 研究グループは、感染力が強く毒性の低いアデノウイルスの遺伝子部分を除去し、
代わりに分化誘導や研究に必要な改変遺伝子を組み込んだ。
この改良型アデノウイルスベクターによって、
ES細胞でもiPS細胞でも、その性質を失うことなく、
ほぼ100%の細胞で外から導入した遺伝子を発現することが可能となった。
また、染色体上の特定の遺伝子配列を自由に改変する技術を従来の50倍の高効率で実現した。
 ヒトES細胞及びヒトiPS細胞を利用した創薬研究や再生医療への大きな一歩と期待される。
 [2008/08/26 NEDOプレスリリース 毎日 産経 日経 時事
  8/27 朝日 日刊工業]




■大阪バイオサイエンス研究所(吹田市)の古川貴久第4研究部長(神経発生学)らの研究チームは
マウスの実験で、網膜の視細胞と双極細胞の間をつなぐ視神経(シナプス)の周りに特異的に発現し、
光の刺激を電気信号で脳に伝える際に重要な働きをするタンパク質を発見。
光を発して電気を操る人気アニメキャラクター「ピカチュウ」をもじって「ピカチュリン」と名付けた
(21日付の米科学誌ネイチャー・ニューロサイエンス電子版に発表)。
[2008/07/21 産経 京都(共同) 読売]




■大阪バイオサイエンス研究所第4研究部門の大森義裕研究員、古川貴久部長らの研究グループは、
ゼブラフィッシュを用いて、細胞の表面にあり外部情報のアンテナとされる
「繊毛」の形成に重要な役割を果たすタンパク質を見つけることに成功した
(3月24日付の英科学誌「ネイチャー・セル・バイオロジー」で発表)。
 繊毛は、目の視細胞等の細胞表面で微妙な変化を感じ取り細胞内に伝えるセンサーの役割をしている。
このため、繊毛が欠失すれば、網膜色素変性症等の原因になるといわれる。
病気の原因の解明や治療薬の開発にも役立つことになる。
 [08/4/7 産経新聞]




■東北大先進医工学研究機構の富田浩史准教授(眼科学)と菅野江里子助教(分子生物学)らの研究グループは、
水田などにすむ緑藻類の一種「クラミドモナス」から取り出した遺伝子「チャネルロドプシン2」を、
網膜色素変性症で失明したラットの網膜に注入して視力を回復させる実験に成功した。
 ヒトの場合は局所麻酔をして注射器で網膜に遺伝子を注入する方法が考えられる。
富田准教授は「10〜15分程度で手術でき、安全性の確認を進めて早期の実用化を目指したい」と話している。
 研究成果は14日、名古屋市で開かれる第7回日本再生医療学会で発表される。
 [2008/3/6 毎日新聞]




■理化学研究所発生・再生科学総合研究センター網膜再生医療研究チーム(高橋政代チームリーダー)らの研究チームは2日までに、
マウスのiPS細胞(人工多能性幹細胞)から網膜の視細胞をつくることに成功した。
13日から名古屋市で開かれる日本再生医療学会で発表する。
 人のiPS細胞でも同様の実験を開始。
患者本人の細胞を使えば拒絶反応が起きない移植治療が期待できる。
高橋リーダーは「網膜色素変性症などの再生医療実現につながる一歩だ」としている。
 [2008/3/2 京都新聞(共同通信)]




■南カリフォルニア大学(マーク・フマユン教授)とセカンドサイト社(カリフォルニア州)などの研究チームは、
人工視力装置「アーガス16」の臨床試験を行ってきた。
 サングラス型カメラで撮影した画像を電気信号に変換し、
網膜の位置に埋め込んだ16本の電極から視神経へ伝える仕組み。
6人に埋め込まれ、患者らは光の点滅や物の動きがわかるようになった。
「暗い物が白い光として見え、明暗の差がわかる。木は1本の白い線になり、高さもわかる」という。
 研究チームは最近、電極を60本に増やした実用版「アーガス2」の臨床試験を開始。
米国内で10人に埋め込み、順調に機能している。3年間で約100人の患者に臨床試験を行う。
 [2008/3/2 読売新聞]




※眼科医療機器大手のニデック(愛知県)と大阪大学大学院(田野保雄教授)、奈良先端科学技術大学院大学(太田淳教授)らの研究チームは
年内にも、半導体技術を活用した人工視覚システムを埋め込む手術を大阪大学で実施する。
 サングラスに内蔵したカメラで撮影した映像をコンピューターで電気信号に変え、
眼球の奥に埋め込んだ4ミリ角の電極板を通じて視神経を刺激する仕組み。
電極の数を従来の9から49へ増やしてあり大幅な画質の向上が期待できる。
臨床評価と平行して100画素の次世代機も試作している。
 「目の前約30センチの指の数がわかる」(指数弁)という性能を達成したうえで、
10年度には数十人規模の臨床試験(治験)を実施。早ければ11年度にシステムを発売したいとしている。
 [2008/1/18 日経産業新聞]




■文部科学省は29日、iPS細胞(induced pluripotenet stem cell 人工多能性幹細胞)の臨床応用を目指し、
京都大、理化学研究所、東京大、慶応大の4つのグループを研究拠点に選定した。
 これは「再生医療の実現化プロジェクト」(03年度〜)の一環で、事業期間は5年。08年度に10億円を計上する。
また、4拠点でつくる「iPS細胞等研究ネットワーク」を4月に発足させる。
○理化学研究所……
神経・血液・網膜細胞の効率的な培養技術等の基盤研究。
網膜細胞移植の臨床応用可能な技術の確立。
国内研究者へのiPS細胞の分配、培養技術の講習。
○京大(大阪大と連携)……
山中伸弥教授を中心に、基礎研究から臨床応用、知的財産の管理・運営体制などの総合的な研究体制を組む。
○東大……
血液・血管・骨・心筋等のさまざまな細胞や組織づくりの研究。
遺伝子治療の開発。
○慶応大(国立病院機構大阪医療センター、実験動物中央研究所と連携)……
脊髄損傷治療等の中枢神経系を中心とした研究。
臍帯血などから約200種類のiPS細胞の作成、バンク化。
 [2008/02/29 朝日 毎日 読売 産経 日経 京都]




■京都大学iPS細胞研究センター(山中伸弥センター長)の研究グループは、
レトロウイルスベクター(遺伝子の運び屋)を用いて特定の4遺伝子を導入する方法で、
新たにマウスの肝臓と胃の細胞からもiPS細胞(人工多能性幹細胞)を作成することに成功した
(15日の米科学誌「サイエンス」電子版に掲載)。
 皮膚の細胞から作成したiPS細胞よりもがん化しにくく、
また、さまざまな細胞からより安全なiPS細胞を作れる可能性が広がったことから、
臨床試験や新薬開発への応用に向けさらに一歩前進したことになる。
 [2008/2/15 NHK 朝日 毎日 読売 産経 日経 京都 時事]




■理化学研究所発生・再生科学総合研究センター(神戸市)の網膜再生医療研究チーム(高橋政代リーダー)と京都大などの研究チームは、
ヒトES細胞(胚性幹細胞)から網膜視細胞へ20〜30%という高効率で分化させる手法を世界で初めて開発した
(3日付の米科学誌「ネイチャー・バイオテクノロジー」電子版に掲載)。
 研究チームは、成分が不明な血清などを用いず、既知成分だけで試験管内分化させる手法で、
ヒトES細胞から杆体や錐体からなる視細胞を大量に得る手法を確立し、
同時に網膜色素上皮細胞を分化誘導することにも成功した。
また、視細胞前駆細胞から視細胞への誘導には分化因子のレチノイン酸とタウリンが必要であることも突き止めた。
実際に治療に用いるには、視細胞の機能解析、視細胞のみを分離する方法の開発、
網膜変性モデル動物への移植、視機能の解析、拒絶反応の解析、腫瘍の形成などの安全性の検証、
などを検討する必要がある。
 [2008/02/04 朝日 毎日 読売 産経 京都 NHK 理研プレスリリース]




■京都大学は22日、iPS細胞(induced pluripotent stem cell 人工多能性幹細胞)
の基礎から臨床応用の研究までを担う研究拠点
「iPS細胞研究センター」(センター長・山中伸弥教授)を、
世界トップレベル研究拠点「物質−細胞統合システム拠点」の一組織として発足させた。
 関連分野の研究者を結集したネットワーク組織「iPSコンソーシアム」の中核ともなる。
 [2008/1/22 NHK 朝日 毎日 読売 産経 京都 時事]




※米ハーバード大などの研究チームは、
山中教授らと同じ4種類の遺伝子を胎児、新生児、成人の細胞に導入してiPS細胞(人工多能性幹細胞)を作成することに成功した
(23日付の英科学誌ネイチャー電子版に掲載)。
 iPS細胞に関する成果はこれで5つ目。
研究チームは成人男性の手のひらの皮膚細胞を用い、臨床応用に一歩近づく成果という。
また、iPS細胞の作製に本質的に重要なのは、4遺伝子のうち「OCT4」「SOX2」の2つと特定した。
 [2007/12/24 朝日 読売 京都(共同)]




※文部科学省は20日、京大・山中伸弥教授らの研究チームが作成したiPS細胞(induced pluripotent stem cell 人工多能性幹細胞)について、
科学技術・学術審議会ライフサイエンス委員会で、
関連分野の研究者ネットワーク組織「iPS細胞研究コンソーシアム」を今年度中に立ち上げること等を柱とする総合戦略案を公表した。
 文科省は、研究の中核となる「iPS細胞研究センター」を京都大学に整備し、オールジャパン態勢で研究を支援する。
さらに今年度中に、幹細胞・再生医学戦略委員会を設置するとともに、
年内をめどに治療法開発などの研究プロジェクトを公募する
。研究費として今年度2億7000万円を計上しているが、来年度は数倍以上の規模を目指す。
 [2007/12/20 朝日 毎日 読売 産経 京都(共同) 時事 NHK]




※京都大学は今後10年間で200億円以上を投じて
iPS細胞の研究拠点の新設などを進める方針で、新施設は2年後をめどに建設する予定。
 全国の専門家が参加し、神経などに安定的に育てる研究のほか、
安全性確認、臨床試験など幅広い研究ができる仕組みをつくる。
 [2007/12/14 日経 読売 12/18 朝日 京都(共同) 12/19 京都]


※京都大学の山中伸弥教授らの研究チームは11日、
神経や臓器など体の様々な組織や細胞に成長する能力を持つiPS細胞の作製効率を4倍改善する手法を見つけたことを明らかにした。
従来の万能細胞に比べるとまだ効率は低いが、実用化へ向けて前進した。
 [2007/12/11 日経]


※京都大再生医科学研究所の山中伸弥教授と大学院生の青井貴之さんらは、
マウスを使って皮膚の細胞からだけでなく、肝臓や胃の粘膜の細胞からiPS細胞を作ることに成功した。
11日、横浜市で開かれた日本分子生物学会で発表した。
 [2007/12/11 朝日]




■米マサチューセッツ工科大学とホワイトヘッド研究所の研究チームは、
iPS細胞(人工多能性幹細胞)を用いて、マウスの重度の遺伝性貧血症を治療することに世界で初めて成功した
(6日付米科学誌「サイエンス」電子版に発表)。
 研究チームは、マウスのしっぽの皮膚細胞に4種類の遺伝子を組み込みiPS細胞を作製。
次に、iPS細胞に含まれる貧血の原因遺伝子を、特殊な方法で正常な遺伝子に置き換え
造血幹細胞に成長させてマウスの体内に戻した。
 治療したマウスは、2カ月程度で貧血の原因となる異常なヘモグロビンが約3分の1に減少。
貧血の特徴である低体重や荒い呼吸なども大幅に改善したという。
 [2007/12/07 朝日 毎日 読売 日経 産経 京都(共同)]




■名古屋大学大学院医学系研究科頭頸部・感覚器外科学講座(歯科口腔外科)の上田実教授らのグループは6日、
乳歯や親知らずを集めて幹細胞を抜き出し、保存する国内初の「乳歯幹細胞研究バンク」を同大医学部に設立した。
集めた幹細胞を使って治療や再生医療の基礎研究に取り組む。
骨髄バンクや臍帯血(さいたいけつ)バンクに続く新たな細胞バンクとして期待される。
 乳歯の幹細胞は、骨髄や臍帯血の幹細胞よりも細胞の密度や増殖能力が高く、
採取が簡単で、骨や軟骨以外に神経、血管などに分化する可能性がある。
 [2007/12/06 読売 毎日 日経 中日 時事 12/10 朝日]




■文部科学省の作業部会は4日、ヒトクローン胚研究に関する指針について、
iPS細胞の研究は基礎研究の段階であり、再生医療の実現には研究の選択肢を広く残しておく必要があり、
ES細胞やクローン胚研究も重要であるとして、ヒトクローン胚研究を容認する最終案をまとめた。
総合科学技術会議が了承すれば研究が可能になる。
 ヒトクローン胚は、核を除いた卵子に患者の細胞の核を移植して作られ、
拒絶反応のない究極の再生医療に役立つが、
卵子の確保やクローン人間誕生の恐れなど、多くの倫理問題を抱えている。
 [2007/12/04 朝日 毎日読売 日経]




■人の皮膚からさまざまな細胞に成長できる万能性をもつヒト人工多能性幹細胞
(ヒトiPS細胞(induced pluripotent stem cell)を
世界で初めて作った京都大学・再生医科学研究所の山中伸弥教授(幹細胞生物学)らの研究チームは、
課題であったがん遺伝子を使わずにより安全なiPS細胞を得ることに成功したと発表した
(30日付の米科学誌「ネイチャーバイオテクノロジー」電子版に掲載)。
 レトロウイルスベクター(遺伝子の運び屋)で体細胞に導入する四つの遺伝子のうち、
がん遺伝子(c−Myc)を除いた三つの遺伝子を導入してiPS細胞を作成することに成功。
iPS細胞ができるまでの期間は従来の2〜3週間より約1週間長いが、分化能力に遜色はなかった。
 また、この方法では、万能細胞ができる効率が10分の1程度に落ちるが、マウスの実験では3か月余りがんはできなかった。
[12/1 朝日 毎日 読売 京都(共同) NHK]

※ドイツがん研究センターは、万能細胞の山中教授に「マイエンブルク賞」を授与することを明らかにした。
同日授賞式が行われ、賞金5万ユーロ(約800万円)が贈られる。
 [2007/11/27 時事]

■※文部科学省は、「iPS細胞」の利用を中心に据えた再生医療の実用化研究に本格的に乗り出す。
内閣府も早期の臨床応用のための枠組みを早急に策定し、国内での研究を加速する「オールジャパン」体制を構築する方針。
 計画では、今後5年間に70億円を投入し、
@ヒトiPS細胞等の万能細胞の大量培養法の開発 
Aサルなどの動物を使った再生医療研究 
B研究用ヒトiPS細胞バンクの整備
 等を重点的に進める。
 ヒトES細胞(ヒト胚性幹細胞)を用いた研究に反対し、
連邦予算で研究を補助する法案に拒否権を2度も発動した米ブッシュ大統領も、
ウイスコンシン大学の研究を支援する意向で、再生医療の実用化を巡る国際競争が激化するのは必至である。
 [2007/11/21 読売 産経 日経 11/23 読売 京都(共同) 11/27 朝日 毎日]

■京都大学・再生医科学研究所の山中伸弥教授(幹細胞生物学)らの研究チームは、
ヒトの皮膚細胞に万能性に関係する4つの遺伝子を導入して、
あらゆる細胞に分化できる「IPS細胞」を作ることに世界で初めて成功した
(20日付の米科学誌「セル」電子版に発表)。
 このiPS細胞(人工多能性幹細胞)と名付けられた細胞は、
ヒトのES細胞(胚性幹細胞)とほぼ同等の能力があり、受精卵を使わないため倫理的な問題も回避でき
、また、患者の皮膚から移植用の臓器を作れる可能性があり、
拒絶反応のない新たな再生医療の実現に道を開く画期的な成果として注目を集めている。
 なお、山中教授と高橋和利助教らは昨年8月、マウスの皮膚の細胞に四つの遺伝子を組み込み、世界で初めてIPS細胞を作製していた。
 一方、米ウィスコンシン大のジェームズ・トムソン教授らの研究チームも、山中教授らの4遺伝子のうち二つを別の遺伝子にして、
新生児の皮膚細胞からIPS細胞を作ることに成功し、同日、米科学誌「サイエンス」電子版)に発表した。
 [2007/11/21 朝日 毎日 読売 産経 日経 京都 事事 NHK]

※クローン羊ドリーを誕生させた英エディンバラ大学のイアン・ウィルマット博士が
ヒトクローン胚の研究を断念する方針を決めたと17日付の英紙デーリー・テレグラフが伝えた。
京都大医科学研究所の山中伸弥教授らがマウスの皮膚細胞から新たな「万能細胞」をつくるのに世界で初めて成功したことに注目、研究方針を切り替えるためという。
 [2007/11/18 産経 時事 京都(共同)]




■米オレゴン国立霊長類研究センター等の研究チームは、
アカゲザルの体細胞クローン胚から、さまざまな細胞に分化する能力を持つES細胞(胚性幹細胞)を作ることに成功した
(14日付の英科学誌「ネイチャー」電子版に発表)。
 マウスのクローン胚由来のES細胞は既に作成されているが、霊長類では世界で初めて
(04〜05年にソウル大の黄禹錫(ファンウソク)教授らの研究チームが発表したヒトクローン胚由来のES細胞の作成は、後に捏造と判明)。
 同チームは、核を除去した304個の未受精卵に皮膚の細胞核を注入。
電気刺激を与えて細胞分裂させると、20個が胚盤胞に達し、うち2個からES細胞ができた。
 クローンES細胞は、移植しても拒絶反応が起きない組織を作り出す可能性があり
、再生医療や難病治療に役立つ技術につながる成果と注目されている。
[2007/11/15 毎日 読売 京都 共同 時事 NHK]




■理化学研究所発生・再生科学総合研究センター(神戸市)の笹井芳樹グループディレクターらは、
ヒトES細胞(胚性幹細胞)を従来の100倍以上の効率で増やせる大量培養技術の開発に成功した。
脳の神経細胞を効率よく作ることにも成功し、パーキンソン病など神経変性疾患の再生医療につながる成果とみられている
(27日付の米科学誌「ネイチャー・バイオテクノロジー」電子版に掲載)。
 従来は、ヒトES細胞はマウスのES細胞と比べて培養技術が難しく、
細胞を1個ずつに分けるとほとんどが死んでしまい、十分な細胞量を確保できずに研究や将来の治療の支障になっていた。
 今回の成果により、神経や血管、筋肉などの細胞に分化させる再生医療や、
薬剤の効果や副作用を調べる新薬開発が加速されると期待される。
 [07/5/28 朝日新聞 毎日新聞 読売新聞 時事通信 他]




■理化学研究所発生・再生科学総合研究センター(神戸市)の高橋政代チームリーダーと小坂田文隆研究員らのチームは、
マウスやサルの傷ついた網膜に薬を投与して、
効率よく視細胞の再生を促すことに世界で初めて成功した
(11日付の米科学誌ジャーナル・オブ・ニューロサイエンス電子版に掲載)。
 細胞の増殖・分裂などに関係するタンパク質「Wnt3a」(ウィント)を、
マウスの傷ついた網膜組織に投与すると、
神経細胞を助ける「グリア細胞」が分裂して新たに視細胞が通常の20倍再生し、網膜組織の再生を促すことが分かった。
 再生した視細胞が機能して実際に視力が回復しているかどうかは未確認だが、
移植手術を行わない、薬による網膜色素変性症の治療につながる成果として注目されている。
 [2007/4/11 NHK 朝日 毎日 読売  産経 日経 京都 共同]




■文部科学省の生命倫理・安全部会「特定胚及びヒトES細胞研究」専門委員会は14日、
京都大再生医科学研究所の中辻憲夫教授と多田高助教授らの研究グループが申請していた、
ヒトES細胞(胚性幹細胞)と体細胞の融合細胞にES細胞のような分化、増殖能力を持たせる研究計画を基本的に承認した。
 同研究グループは、マウスの実験で世界で初めて、ES細胞の遺伝子を除去した融合細胞の作製に成功していた。
患者の体細胞を用いた融合細胞由来のES細胞を患者の臓器や組織に成長させて移植すれば、
拒絶反応が少ない再生治療が行える科能性がある。
 また、同専門委員会は、国立成育医療センター研究所(東京都世田谷区)が申請していた
ヒトES細胞の作製計画を了承した。
ヒトES細胞の作製が認められたのは京都大再生医科学研究所に次いで2施設目。
 同研究所は、将来の再生医療への臨床応用を目指して、
受精卵からES細胞を作る過程で、国内で初めて人の組織だけを用いる計画で、最大15細胞株を作る予定。
 [2006/12/15 京都新聞 朝日新聞 毎日新聞 読売新聞]




■兵庫県立尼崎病院の秋元正行医師(眼科学)やロンドン大など日米英の研究チームは、
マウスの実験で、幹細胞から視細胞に分化する途中の前駆細胞を移植して、視力を取り戻すことに成功した
(11月9日、英科学誌ネイチャー電子版で発表)。
 視細胞に障害が起き、視力低下などの症状が出る網膜色素変性症の患者の治療につながる可能性があるという。
 前駆細胞の中でも細胞分裂を終えた段階のものを取り出し、網膜色素変性症のモデルマウスに移植すると両者の細胞が接着。
光を当てると電気刺激が伝わり、細胞が機能しているのを確かめた。
 [2006/11/09 読売新聞 共同通信 京都新聞]




■京都大学再生医科学研究所の多田高(たかし)助教授らの研究グループは、
マウスの実験でES細胞(胚性幹細胞)と体細胞を融合した細胞から、
拒絶反応にかかわるES細胞の染色体だけを取り除くことに世界で初めて成功した
(6日発行の米科学誌ネイチャー・メソッズに発表)。
拒絶反応を少なくする再生移植治療への道が開けるという。
 研究グループは、染色体を除去するための特殊なDNAの断片(カセット)を開発し、
それをES細胞に混ぜて体細胞と融合させた後、酵素で処理すると、
ES細胞の遺伝子を染色体ごと除くことができた。
また、融合細胞が神経や筋肉に似た細胞に成長し、ES細胞と同様の分化能力があることも確かめた。
 同研究所の中辻憲夫所長は「卵子や受精卵を使わず、患者自身の細胞を利用したオーダーメード治療の研究へ道を開くものだ」と話している。
 [2006/11/06 朝日新聞 毎日新聞 京都新聞 時事通信]




■九州大生体防御医学研究所の中山敬一教授らの研究チームは、
神経細胞で情報のやりとりを担う神経突起を形作るのに欠かせないタンパク質を発見し、
それを「プロトルーディン」と名付けた(3日付の米科学誌サイエンスに発表)。
 プロトルーディンは、特定の方向に細胞膜を伸ばして突起を形成する働きを担っており、
プロトルーディンを増やすか、活性化できれば、突起形成が進むとみられる。
 胚性幹細胞(ES細胞)などから作成した神経細胞を移植する再生医療への応用が期待される。
 [2006/11/04 時事通信 共同通信 毎日新聞 京都新聞]




■米バイオベンチャー企業アドバンスト・セル・テクノロジー社の研究チームは、
ヒトの受精卵を壊さずにES細胞(胚性幹細胞)を作ることに成功した
(24日、英科学誌ネイチャー電子版に発表)。
 この方法は、不妊治療の体外受精後の胚から細胞1個を取り出し、
遺伝的問題がないかを調べる「着床前診断」の技術を応用したもので、
従来の胚を壊して作る方法に比べ、生命倫理的な問題が少ない利点がある。
 [2006/08/24 時事通信 朝日新聞 読売新聞]




■京都大再生医科学研究所の山中伸弥教授と高橋和利特任助手は、
マウスの尾から採取した皮膚細胞に「Sox2」などの4種類の遺伝子を導入して、
さまざまな組織や臓器になる可能性のあるES細胞に似た幹細胞を作ることに世界で初めて成功した(
11日、米科学誌セル電子版に発表)。
 同教授らは、この幹細胞をIPS細胞(誘導多能性幹細胞)と命名。
この細胞をマウスの皮下に注入すると、神経、筋肉、軟骨などさまざまな種類の細胞や組織を含むこぶができた。
試験管内でも心筋、皮膚、肝臓の各細胞に分化した。
 IPS細胞を患者自身の体細胞から作れれば、
生命倫理や卵子入手問題をクリアできる上、
免疫拒絶反応も回避でき、再生医療の切り札になる可能性があると期待される。
 [2006/08/11 朝日新聞 毎日新聞 読売新聞 時事通信]




■慶応大の坪田一男教授と今村裕講師(眼科学)らの研究チームは、
先進諸国で失明の主因とされる加齢黄斑変性の原因は活性酸素とするマウスの実験結果を明らかにした
(11日の米科学アカデミー紀要・電子版に発表)。
 加齢黄斑変性は、目の網膜の黄斑部分に沈着物ができ、視力が落ちる病気。推定患者は40万人ともいわれる。
研究成果は活性酸素が原因という仮説を裏付けるものである。
 [2006/07/11 共同通信 朝日新聞]




■理化学研究所発生・再生科学総合研究センター(神戸市)の笹井芳樹グループ・ディレクターと、京都府立医科大の木下茂教授らの研究グループは、
ヒトの羊膜(胎児を包む膜)の上で国産ヒトES細胞を培養して、
高い効率で神経細胞などを作り出すことに世界で初めて成功した(論文は6日、米科学アカデミー紀要オンライン版に掲載される)。
 培養を始めて2週間後に9割以上は神経細胞のもととなる神経前駆細胞に、6週間後にはそのうち4―5割が神経細胞になった。
そのうち3割はドーパミンを出す細胞だった。
同時に網膜色素上皮や水晶体などの目の細胞もできた。
 [2006/06/06 共同通信 時事通信 朝日新聞 毎日新聞 日経新聞]




■岡山大学の松尾助教授と林原生物化学研究所の研究グループは、
ポリエチレンのフィルムに光に反応する「光電変換色素」を組み込んだ柔らかい膜状の新タイプの人工網膜を試作した。
 網膜の下に埋め込むことを想定しており、折りたためるので小さな切り口で広い範囲に使えるとみている。
網膜に埋め込むだけで網膜色素変性症などの視力回復に役立つ可能性がある。
ラットの網膜の下に人工網膜を埋め込む手法を開発ずみで、
今後機能や長期の安全性を確認する。
人の眼の手術に使うための挿入装置も開発中で、3年後の臨床試験を目指す。
 従来は電極を使う場合が多く、外部電力が必要で装置が大型になるなどの課題があった。
 [2006/04/11 日経産業新聞]




■産業技術総合研究所関西センター(兵庫県尼崎市)と大阪大学の研究グループは、
抜歯したヒトの親知らずの歯胚から幹細胞を取り出し、これを培養して、
試験管内で骨細胞、肝細胞、神経細胞に成長させることに成功。
岡山市で開かれる第5回再生医療学会で8日発表される。
 今回の方法は、骨髄の幹細胞を使う方法に比べて、骨細胞、肝細胞などへの増殖効率がはるかに高いという。
 [2006/03/07 共同通信、時事通信 03/08 毎日新聞、読売新聞]




■東京大大学院工学系研究科の片岡一則教授らの研究グループは、
マウスの目の実験で、
高分子カプセルで治療用の遺伝子を患部に運び
レーザー光で活性化させる新しい遺伝子治療法を開発した
(20日付の英科学誌ネイチャー・マテリアルズ電子版に発表)。
 加齢黄斑変性症など目の疾患やがん治療に応用する研究を進めている。
さらに再生医療への利用も目指しているという。
 [2005/11/21 読売新聞 共同通信 朝日新聞]




■大阪大学の田野保雄教授、不二門尚教授らの研究グループは、
人工視覚システムの基礎的な実験に成功、
実用化の見通しが立ったとして、2010年ごろまでのシステム開発を目指す。
 網膜色素変性症の患者2人の目の裏側に、
手術で3ミリ角の電極チップ(9つの電極)の突起を付け、
網膜に微弱な電流を流して刺激すると、
患者はひょうたん形の光が見え、電流を徐々に強めると、
光は10円玉大から500円玉大に大きくなった、という。
 [2005/10/13 日本経済新聞 夕刊]




■米ハーバード大の研究チームは、ヒトES細胞と成人の皮膚細胞を融合させ、
ES細胞と同等の能力を持つ新しい細胞を作る技術を開発した。
融合細胞は神経、筋肉、消化管の3種類の原型になる組織に分化し、ES細胞としての能力が確認された。(
26日付の米科学誌サイエンスに掲載される)
 この融合細胞からES細胞側の遺伝情報を取り除くことができれば、
新たに受精卵を壊すことなく、拒絶反応のない移植医療が可能になるかもしれない。
 なお、この手法は4年前に京都大がマウスで成功している。
[2005/8/22、23 朝日 毎日 読売 共同 時事 ロイター]




■理科学研究所発生・再生科学総合研究センターの笹井芳樹・グループディレクターと
京都大学附属病院探索医療センターの高橋政代・助教授らの研究チームは、
マウスのES細胞(embryonic stem cell、胚性幹細胞)から網膜の視細胞を分化させる方法を確立することに世界で初めて成功。
ES細胞の14%が視細胞になったことを確認した(8月2日米科学アカデミー紀要に発表)。
 網膜色素変性症などの再生治療に道が開けるという。
笹井氏は「数年から十年後ぐらいに治療に応用できれば」と話している。
 [2005/08/02 共同通信 時事通信 毎日新聞 読売新聞 日経新聞 京都新聞 神戸新聞]




■国立循環器病センターの柳本広二研究室長(脳血管障害・脳外科)らの研究グループは、
ラットの脳に塩化カリウムを注入して、脳の中に電気活動の波を発生させ、
新しい神経細胞が広範囲に出現したことを、世界で初めて確認した。
新しい神経細胞が機能するか、ネットワークをつくるかは未確認。(米医学誌ストロークに24日発表)
 [2005/6/24 共同通信 時事通信]




■州立カリフォルニア大学バークレー校のRichard Kramer教授(神経学)と、Dirk Trauner教授(化学)の研究チームは、
通常は光に反応しないタイプの神経細胞のための光電スイッチを作り上げたと2004年12月に同校サイトに掲載。
 視覚に不可欠な、光を感知する神経細胞である桿体と錐体が、変性疾患で壊されていても、
通常のその他の神経細胞が、ある特定の波長の光に露出されることにより、
桿体と錐体のように機能し始めることを発見した。
[NEDO(新エネルギー産業技術総合開発機構)海外レポートNO.955,2005.5.18]




■東大病院の山上聡助教授らの研究チームは、角膜に前駆細胞を発見。
採取、培養して角膜の内皮細胞を作ることに成功。米眼科専門誌(電子版)に発表した。
 動物実験で、前駆細胞を移植する角膜の治療も進められ、数年以内に臨床治療を実用化したい、としている。
 [2005/05/18 読売新聞 毎日新聞 時事通信]




■宮崎大医学部の今泉和則教授らの研究チームは、
アルツハイマー病やパーキンソン病など神経変性疾患の原因となる脳の神経細胞の「アポトーシス」(細胞の自殺)を
防ぐタンパク質を特定した(英科学誌ネイチャーセルバイオロジーに発表)。
 [2005/3/18 共同通信]




■理化学研究所発生・再生科学総合研究センターの笹井芳樹・グループディレクターらは、
マウスのES細胞(embryonic stem cell、胚性幹細胞)から
大脳前駆細胞を効率よく(40%の高率で)作ることに世界で初めて成功した。
 脳こうそくや神経変性疾患などの治療への応用が期待される。
(7日付の米科学誌ネイチャー・ニューロサイエンス電子版で発表)
 [2005/2/7 読売新聞 共同通信 時事通信 NHK 毎日新聞 朝日新聞ほか]




■政府は22日、郵政民営化問題で、
点字郵便物や盲人用録音物等の料金を軽減または無料としている「第3種、4種郵便」を原則として維持し、
点字郵便物の無料配達を継続するほか、
学術刊行物や通信教育用郵便物、新聞・雑誌は割引率を引き下げる等の方針を固めた。
 [2005/1/23 毎日新聞 1/30 点字毎日 2/2 NHK]
(注)
第3種:定期刊行物(新聞、雑誌、心身障害者団体の発行物等)
第4種:それ以外の郵便物(点字郵便物、盲人用録音物、通信教育用郵便物、学術団体の刊行物等)
 ※点字郵便物と盲人用録音物は無料で、それ以外は4〜9割程度の割引料金とされている。




■名古屋大の貝淵弘三教授(神経情報薬理学)らのグループは、
ネズミの脳の神経細胞を使って、GSK3ベータ(酵素)の働きを抑えると、
軸索(神経細胞から発する1本の刺激を伝達する長い突起)が伸びることを解明した
(14日付の米科学誌セルに発表)。
 [2005/01/14 朝日新聞]




■高橋淳京都大学講師らのグループは、
カニクイザルのES細胞からドーパミン分泌細胞を分化させて、
パーキンソン病(神経伝達物質のドーパミンが不足して運動障害などが起きる)のカニクイザルの脳に移植し、
症状を改善することに霊長類で初めて成功した(4日付米医学誌「ジャーナル・オブ・クリニカル・インベスティゲーション」電子版で発表)。
 [2005/01/04 NHKニュース 共同通信 時事通信 京都新聞 朝日新聞 サンケイ新聞 日経新聞 毎日新聞]
※カニクイザルのES細胞からドーパミン分泌細胞と網膜色素上皮細胞を分化させる方法は、
2002年1月に京大再生医科学研究所の笹井芳樹教授らのグループが既に確立している(山本進)。
 [参照 2002/01/29 NHKニュース 毎日 読売など 02/03 朝日]




■篠原隆司・京都大教授(生殖生物学)らのチームは、
新生児マウスの精巣細胞を培養して「多能性生殖幹細胞(Mgs)」の固まりを作り、
ES細胞(embryonic stem cell、胚性幹細胞)の培養と同じ方法で
血液や心筋、神経、筋肉などの組織に分化させることに成功した。
(29日付の米科学誌「セル」に発表)
 [2004年12月29日 共同通信 時事通信 読売新聞 京都新聞 朝日新聞]




■東京大医科学研究所と米エール大のチームは、
マウス実験で「FRS2α」(蛋白質)が、
網膜や水晶体の元になる細胞を増やす役割を、
胎児の段階で果たしていることを発見した。
<米科学アカデミー紀要(電子版)で発表される予定>
 [2004/11/28 朝日新聞]




■京都大学の医の倫理委員会は10月29日、
高橋政代助教授(京大医学部附属病院 探索医療センター)が申請していた
〜国産ヒトES細胞(embryonic stem cell、胚性幹細胞)を用いた網膜細胞の分化誘導と網膜移植の研究〜
を承認した。
 [2004年10月30日 京都新聞 朝日新聞 共同通信]




■米アドバンスド・セル・テクノロジー社とシカゴ大学、ウェーク・フォーレスト大学の研究チームは9月23日、
ヒトES細胞(embryonic stem cell、胚性幹細胞)を用いて、
網膜色素上皮細胞を作ることに世界で初めて成功した、
と発表した。
 [2004年9月24日 共同通信 時事通信 朝日新聞 読売新聞]




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