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●情報保障の必要性とその意味

興津久美子


 聴覚に障害のある者は、「聞く」情報に対しては情報障害者となってしまいます。たとえば、総会などの議事進行の際、手話や要約筆記のタイムラグ(ロスタイム)を無視した進行をされてしまうと、自分が理解したときには議決してしまうという状況は多々あります。不本意ながら「賛成票」として処理されてしまうことだけでなく、自分が質問したいときのタイミングも遅れてしまうために、質問はおろか、賛成反対の自己決定の提示すらできないまますべてが決定してしまい、情報障害だけでなく自己の意思を表明できないという二次障害も引き起こします。

 視覚障害者も情報障害者だと言われますが、視聴覚重複障害者は、この二重の情報障害を乗り越えていかなくてはなりません。

 JRPSの会員として、また一人の人間として、情報保障を受けて、関わっていく、その権利もあるのです。みんなと同じ情報を共有し、また喜びや苦しみも共に分かち合っていきたいものです。

NOはNO。YESはYES。聞きたいことは聞く。そのために情報保障があり、サポートしてくれる入力者がいます。多いに活用して、何よりも「当たり前に。一人の人として。」参加して欲しいと願っています。


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